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ボルボ史上最高の乗り心地を実現した「EX30 クロスカントリー」登場!EX30シリーズがラインアップを拡充

EX30 Cross Country Ultra Twin Motor Performance

グレードラインアップの拡大でエントリーモデルは479万円!

日本の路上、駐車環境でも扱いやすいサイズを持つ北欧、スウェーデンの自動車メーカー、ボルボのもっともコンパクトな電気自動車×SUVが「EX30」。2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー10ベストカーに選出されました。2023年に導入されたのは後輪駆動、一充電航続距離560km、総電力69kWhのEX30 Ultra Single Motor Extended Rangeで、日本国内でも順調に売れている1台です。2025年8月21日に、そのラインアップを拡大し、さらに悪路走破性能を高めた背の高いEX30 Cross Country Ultra Twin Motor Performanceを追加しました。EX30の魅力について紹介します。

日本の道路事情に最適サイズ!パレット式駐車場にも入れるSUV

EX30のボディサイズは全長4235×全幅1835×全高1550mm。つまり、都市部や山間の狭い道での扱いやすさはもちろん、パレット式立体駐車場への入庫もできる。エクステリアデザインはクリーンで洗練されたもので、インテリアもまたスカンジナビアデザインがちりばめられたセンスのいい空間に仕上げられている。

ステアリング奥にはメーター類はなく、スピードメーターや各種機能がインパネ中央の12.3インチのタブレット型センターディスプレーに集約されているのも大きな特徴となる。

また、ダッシュボード奥にハーマンガードンサウンドシステムスピーカーが配置され、フロントドアマウントスピーカーを廃しているのは、ドアのリサイクル性を高めるためだ(スピーカー本体だけでなく配線なども不要になり、ドアポケットの大型化が実現)。

そんなEX30は2025年モデルまでは先に紹介したEX30 Ultra Single Motor Extended Rangeのみの“オンライン販売”だった。ところが2026年モデルは一般的なディーラーでの販売に切り替えるとともにラインナップを一挙拡大。

上記4種類に加え、新たな車種として

を追加した。※航続距離はWLTCモードによる。

モーターのスペックは、後輪駆動(リアモーター)のSingle Motor3モデルは最高出力200kW(272ps)/6500〜8000rpmで、最大トルクが343Nm(35.0kgm)/5345rpm。Twin Motor(2モーターAWD)2モデルはリヤモーターは1モーター仕様と同スペックで、フロント備えるモーターは115kW(156ps)/6000-6500&200Nm(20.4kgm)/5000rpmの最高出力&最大トルクを発揮する。

ラギット感を高めたEX30クロスカントリーを追加ラインアップ

さて、本稿ではとくに注目すべきEX30 Cross Country Ultra Twin Motor Performance(以下、EX30クロスカントリー)の特徴点と試乗記をお届けすることにしたい。

EX30とEX30クロスカントリーはエクステリアにも大きな違いがある。とくに専用フロントシールドが特徴的で、スウェーデン最高峰の山、ケブネカイセ山の地形をモチーフにしたトボグラフィーパターンが描かれたブラックパネルが装着されている。これだけでもひと目でクロスカントリーモデルであることが識別できるというわけだ。

前後バンパー下にはウェイバーグレーインサートと呼ばれるリップが、リヤにはV70時代から同じ書体のCross Countryのロゴ入り専用ロアバンパーを専用装備。クロスカントリーモデルのお約束と言えるホイールアーチエクステンション(これによって車幅は1850mmになる)やCピラーのCross Countryロゴプレートの追加と合わせ、EX30にタフネスさが与えられている。

19インチのアルミホイールもクロスカントリー専用デザインであり、タイヤは235/50R19サイズのサマータイヤが組み合わされている。

2026年モデルからシート座面を延長して座り心地が向上

インテリアと室内空間は基本的にEX30と大きく異なるところはないものの、クロスカントリーはパインというテーマの自然素材とリサイクル材、バイオ素材のコンビネーション仕立てとなる。リサイクル材から成形された無垢のアルミ材のドアインナーハンドルのデザイン、質感、操作感の素晴らしさもEX30からそのまま受け継がれている。ルーフの多くの部分がガラス張りになるパノラミックルーフ、ハーマンガードンサウンドシステムは標準装備だ。

しかし、以前のEX30は「前席のシート座面が短く座り心地に不満がある」という一部のユーザーの声に応え、2026年モデルはシートの座面長を延ばした。従来モデルより腿が支えられるようになり、自然で良好な座り心地が得られるようになっている。12.3インチのGoogle搭載タブレット型インフォテイメントシステムもアップデート。スナップドラゴンのチップセットの新採用で一段とサクサク動くようになっているのを確認できた。

272psのリヤモーターに156psのフロントモーターを追加

冒頭でEX30のボディサイズが全長4235×全幅1835×全高1550mmと紹介した。しかし、このクロスカントリーはホイールアーチエクステンションによって1850mm、対EX30で全高が15mm高まり1565mmになっている。全高は、サスペンションスプリングを乗り心地向上と悪路走破性を高めるため柔らかくしたクロスカントリー専用サスペンションと専用タイヤによるものと説明されている(最低地上高は20mmアップ)。

2025年モデルまでのEX30は後輪駆動でバッテリー容量69kWh。リアに搭載されるモーターの最高出力は200kW(272ps)、最大トルク343Nm(35.0kgm)だった。

2026年モデルのクロスカントリー(EX30 Twin Motorも)はバッテリー容量69kWh。前述したようにリヤモーターの最高出力と最大トルクは従来モデルと同じだがフロントモーターの115kW(156ps)・200Nm(20.4kgm)が追加され、0-100km/h 3.7秒というハイパフォーマンススポーツカーに匹敵する動力性能を手に入れることになったのだ。

また、完全停止まで行える、オフ、低、高の3段階の切り替えが可能になったワンペダル機能はもちろん、2025年モデルまでのEX30になかったドライブモードを追加。航続距離を伸ばす「レンジ」、「ノーマル」、前後のモーターを常時つなげ最高出力を発揮する「パフォーマンス」が選べるようになったのだ。

また、パワーステアリングはクィックさを感じさせない、転舵操作に対してヨーの立ち上がりを穏やかにした専用セッティングが施されているのもクロスカントリーならでは。このあたりは、EX30シリーズのなかでもっともコンフォータブルな乗り心地と悪路での扱いやすさをバランスさせた、絶妙な設定と言っていいだろう。

EX30の安全装備はフラッグシップのXC90を凌駕する充実ぶり

EX30の2026年モデルでは、ADAS関連のセンサーシステムとして、ASDM(フロントガラス上部の検知ユニット。ミリ波レーダー&高解像度カメラを一体化したもの)、フロントカメラ、リアサイドレーダー、DCM=ドライバーモニタリングカメラ、フロントサイドレーダー、フロントレーダーなどをフル搭載。ドアオープニングアラート、レーンチェンジアシスト、夜間を含む歩行者、サイクリスト検知機能など、ボルボのフラッグシップSUVのXC90より進んだ内容が備わっているからもう、万全である。

サスストロークの増加により乗り心地の向上と穏やかなハンドリング

EX30クロスカントリーで都内を走り出すと、混雑した道でのコンパクトなボディサイズと完全停止するワンペダル機能による走りやすさはもちろん、まずは専用サスペンション&19インチサマータイヤによる乗り心地の良さに感動だ。とにかく、しなやかかつフラットで荒れた路面、段差をソフトにいなす快適感は、改良されたシートのかけ心地の良さと相まって、もう絶品だったのである。大げさに言えば、ボルボSUV史上、最上の乗り心地……と表現してもいいかも知れない。

しかも、クロスカントリー専用の19インチタイヤが発するロードノイズも極めて小さく、ボディ側の遮音性能の高さもあって、BEVならではの車内の静かさを鮮明にしてくれたのである。思わず「電気自動車はこうじゃなくちゃ」と唸ってしまったほどだ。

そう書くと「最低地上高が20mmもUPして、操縦性や安定感はどうなるんだ!!」という声も聞こえてきそうだが、心配無用。今回は首都高速のゆるいカーブやタイトなカーブでは、標準のEX30との操縦性に大きな違いは見受けられない。パワーステアリングの穏やかでウルトラスムースな操舵感とともに、けっこうなスピードでカーブに飛び込んでも、4輪のタイヤが路面に張り付くような水平感覚のマナー、安定感、安心感を見せつけてくれたのである。

しかも、速い。0-100km/h 3.7秒のスポーツカーに匹敵する動力性能は強烈で、ノーマルモードでも素晴らしく速い。パフォーマンスモードにセットしようものなら、アクセルレスポンスの高まりとともに、それこそ血の気が引き、体がのけぞるほどの強力な加速力を瞬時に、シームレスに発揮してくれるのだから驚きを隠せなかった。

ハイパフォーマンスカー並みの走りと上質な乗り味の融合

2026年モデルのボルボEX30に、新たに加わったクロスカントリーは、タフネスさあるエクステリアデザイン、バージョンアップされたインフォテイメントシステムや各種機能(ワンペダル機能やドライブモードなど)による使い勝手の向上はもちろん、極上にコンフォータブルな乗り心地、快適性、静粛性とともに、ハイパフォーマンススポーツカー並みの動力性能を与えられている。航続距離にも余裕ある、電気自動車という以前に完成された魅力溢れるクルマ、電動車と言っていい。

手頃なサイズの電気自動車を探している人はもちろん、サスティナブルに感心がありながら、まだ「電気自動車に抵抗がある……」そんな人にとっても選ぶ価値のある満足度の高い1台だと思えたのも本当だ。

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