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「ダブルバブル」と呼ばれる稀少なアバルトでラリー参戦!公私ともに人とのつながりが広がっています

1957年式のダブルバブルは東京都から参加の内野徳昭さんとコドライバーの安井裕之さん

クルマは人生を楽しくするかけがえのない趣味

特徴的なルーフ形状から「ダブルバブル」と呼ばれるフィアット アバルト「750 GT ザガート」は、往年のスポーツカーのなかでもとくに稀少な存在です。東京都在住の内野徳昭さんは、アバルトでヒストリックカーラリーに挑みながら、仕事でもモータースポーツを支えるギア製作に携わっています。趣味と仕事が結びついたカーライフは、仲間との交流を広げ、人生をより豊かにしているのです。

スカイラインから始まったスポーツカー遍歴

愛らしくも稀少なスポーツカーたちが大挙してやってきたこともあった「コッパディ小海」。2025年はフィアット アバルト 750 GT ザガートが2台参加した。今回は、そのうちの1台、1957年式のダブルバブルは東京都から参加の内野徳昭さんの愛車だ。

こうしたラリーイベントは、ルートマップを見ながら、コース途中に設けられたPC(ポイント・コントロール)でのタイムコントロールの指示など、二人三脚で楽しむ競技である。内野さんが所属するカークラブ「湘南ヒストリックカークラブ」(以下、SHCC)の仲間、安井裕之さんが今回のコ・ドライバーを務めた。

大学生時代に乗り始めた日産R30型「スカイラインRS」。コニーのショックアブソーバーで足まわりを硬め、フジツボのタコ足、マフラーに交換し、首都高速や大垂水峠に夜な夜な出没して走る楽しさを覚えたという。その後も日産S13型「シルビア」、ランチア「デルタ インテグラーレ エボルツィオーネII」と、スポーツ路線のクルマを選び続けてきた。

さらにスパルタンな“走るためのクルマ”、ケータハム「スーパーセブン」・ヴォクゾール「レーシング」に乗り始めたことが、ひとつの方向転換のきっかけとなる。

現在も年2回行われるSHCC大磯ミーティングで、スーパーセブンとクラシックミニのクラスは年式不問のため、パイロンスラロームを楽しんでいた内野さんは、会場に並んだ他の参加車両のヒストリックカーを意識するようになった。乗っていたのがスーパーセブンだったため、一番興味を持ったのは当然ロータスだ。その後ロータス・エランに乗り換えてからは、どんどん旧いクルマへとハマっていったという。

「以前からアバルトにも興味があり、このダブルバブルは、高齢になって手放されるオーナーさんがいるという友人からの紹介で、2019年11月に譲ってもらいました」

このコッパディ小海のコースは標高差が2000メートル近くある山岳コースだが、しっかりと整備されたダブルバブルは、2日間の走行で調子を崩すことなく楽しむことができたそうだ。

仕事と趣味をつなぐモータースポーツの力

そんな内野さんだが、じつは自動車メーカーの試作品や、国内外の2輪・4輪のさまざまなレーシングチームのギア製作に携わる会社の経営者だ。ヒストリックカーやモータースポーツの趣味は、そうした取引先との共通言語にもなり、仕事先でも大いに盛り上がるという。

「メーカーの人も海外チームのエンジニアも、やっぱり皆さんクルマが好きなんですよね。趣味の話から色々なことが良い方向に向かうことも多いですね」

欧米では、会社のトップはもちろん、自動車産業に従事する中で、自らステアリングを握り、週末のレースを趣味として楽しむ人は多い。内野さんのヒストリックカーやレース参戦の趣味は、必然的に良い関係を構築できる要素にもなっているのだろう。

「旧い葉巻型のフォーミュラカーレースは、仲間同士で和気藹々とやっています。ホンダN-ONEのワンメイクレースや、昨年からはシビック・タイプRでスーパー耐久といったレースにも出場しているのですが、スーパー耐久はまだまだ腕を磨く必要がありますね」という。

仕事で知り合った相手も同じ趣味ということで、友人関係になるなど、クルマは人生を楽しくするかけがえのない趣味になった。

「このダブルバブルでは海外のイベントにも行ってみたい」と内野さん。

各国にいる仕事と趣味の仲間たちが、きっと歓迎してくれることだろう。

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