日本への憧れや尊敬、日本車愛がハンパない!ドイツのアジア車イベント
ミュンヘン在住のモータージャーナリストの池ノ内みどりさんは、ドイツで開催されるアジア車のイベント訪問が、最近の毎年恒例行事になっているようです。今回はオッシャースレーベンという北東ドイツの小さな町のサーキットで行なわれた痛車とオタク文化の祭典『アジア・アレーナ』からのレポートです。
ドイツ北部の小さな町で開催された痛車イベントのボッチ日本人
オッシャースレーベンという北東ドイツの小さな町のサーキットで開催されたアツい3日間。アジア車のオーナーはもちろん、それに興味を持つメーカー車両のオーナーさんたちもウェルカムな『アジア・アレーナ』。第21回目を迎えたヨーロッパ最大のアジア車イベント『ライスブレンネン』とは雰囲気も少し違って、どちらも個性的で楽しいのです。両方のイベントでお会いするオーナーさんも多々いて、その違いを楽しんでいます。
『アジア・アレーナ』でも案の定、日本人は私以外は誰ひとりいないイベントです。それゆえ日本人の私はみなさんから覚えて頂きやすくて、声を掛けもらえるのも嬉しいですね。両イベントに参加して、本当にみなさんの日本への憧れや尊敬、日本車への愛が半端なく強いことです。
20~40代の参加者が多いと感じますが、日本のアニメやゲーム、映画で育った世代。幼少期に観た世界観をそのままに「大人になったら夢のクルマを買おう!」と日々節約して手に入れた愛車ですから、本当に大切にしている様子に心を打たれます。そして、その大半の方々がDIYで愛車を日々整備されているのですから驚きです。
楽しく健全な日本のヲタク文化と痛車文化の拡大が目標
この『アジア・アレーナ』の特徴は痛車コンテストやコスプレコンテストも平行して開催されるところ。中には日本の秋葉原での痛車のイベントに参加経験があり、日本のアニメや痛車を正しく健全にヨーロッパへ普及活動をする参加者もいるとのこと。まだまだドイツでは一般社会の『ヲタク文化』への理解が難しいのだとか。たまたまSNSで見掛けた痛車や改造車を真似だけして、ドイツの法規制を考えていない人もいるとあり、法を厳守し、健全な『ヲタク文化』を一緒に楽しもう!という目標を立てて、文化拡大を目指しているそうです。
基本的にコスプレーヤーで痛車や自動車を所有しているのは少数派。コスプレをするにも本当にお金が掛かりますから、両方を維持するのは大変ですよね。ママと一緒に仕上げたかわいらしいちびっこからプロの方の本格的コスプレまでじつに幅が広く、会場を練り歩く彼ら彼女らの力作を見るのも楽しいひと時です。
このオッシャースレーベンのサーキットは周りを広大な畑に囲まれているのですが、駅からコスプレーヤーたちが畑の道を歩いて会場まで来るシーンはなかなかシュール。田舎なのでバスの本数も少なく、自家用車の所有率が高い町にはタクシーもほとんど走っていませんので、コスプレーヤーのみなさんはイベントに参加するのにもひと苦労ですよね。
