アメリカ・オハイオ州のコレクターから譲り受けた
アメリカ発祥のホットロッド&カスタムカー・バイクのパーツ・アパレルを扱う「ムーンアイズ」主催のカスタムの祭典「ストリートカーナショナルズ」には、ジャンルを超えてさまざまな車両が集まりました。そんななかで、40代以上の人にとって非常に懐かしい『刑事スタスキー&ハッチ』に登場するフォード「グラントリノ」を発見しました。白いストライプの入った赤いボディは、当時のドラマを見ていた人にとって思い出の1台。今回はそんなグラントリノを紹介します。
有名カーアクションドラマに登場した劇中車
アメリカ車はほぼ毎年のようにマイナーチェンジを行っており、ファンは「1969年式のカマロが欲しい」とか「この世代のマスタングが好き」と、車名だけでなく年式も限定するケースが多く見られる。とくにマイナーな車種では、ピンポイントで映画やドラマで活躍した年式や車両が人気となることが少なくない。
ここに紹介するホワイトストライプが入る赤いボディのフォード グラントリノは、1975〜1979年までアメリカ(日本では1977年から)で放映されたTVドラマ『刑事スタスキー&ハッチ』でふたりの主人公が乗る車両として活躍した、1974年から1976年のモデルである。さっそくオーナーの下出さんにお話を伺った。
「このクルマは2004年に放映された劇場版で実際に撮影に使用された劇中車のうちの1台で、1974年式になります。一説によると当時、撮影用の車両が6台用意され、そのうち2台しか現存していないそうです。このクルマはそのうちの1台で、アメリカ・オハイオ州のコレクターが手放すタイミングで譲り受けました」
スタントに使用したハイパワーエンジン搭載車
真っ赤なボディに大きな白いベクトルストライプが入り、5スロットスタイルのホイールを履いた特徴的な外観は、オリジナルTVシリーズで主人公のハッチが呼んだことから、ファンの間では「Striped Tomato(ストライプ・トマト)」の名で知られている。
現存する2台の劇中車のうち、下出さんが手に入れたのは、劇中でカーチェイスや後輪がタイヤスモークを上げるようなスタントドライブなどに使用されていた車両のようだ。エンジンはオリジナルの351ci(約5.7L)から408ci(約6.7L)に載せ替えられているほか、車体の各部にカメラを固定したと思われるテープの跡が、そこかしこに残っていたという。また、劇用車としての役目を終えた後、一時期ドラッグレースにも参戦していたようで、ラインロックや特殊なシフターが装着されていた。実際に走ってみても、かなりの速さを持っているという。
ディスプレイやグッズ展示にもこだわるリアル世代オーナー
世界的にも珍しい車両を手に入れた下出さんだが、少年時代にリアルタイムでTVシリーズを観ていて、「いつかこんなクルマに乗りたい」と思っていたそうだ。まさに夢を叶えたことになる。
入手時の状態を尊重しつつ、より劇中のスタイルに近づけるため、当時の映像を元に劇中で使用していたアメリカ製の無線機を探し出してセンターコンソールに設置したり、劇中に何度も登場する赤色回転灯を用意したりと、イベント参加時のディスプレイにも余念がない。また、劇中で主人公ふたりが使用していた銃(当然レプリカ)や警察手帳、バッジなどのグッズに加え、当時の新聞の切り抜きや撮影時のスナップなどをまとめて展示している。
「当時の新聞記事は、このクルマを購入した際に前オーナーから一緒に譲り受けました。本物を所有していてレースも楽しんでいるということで新聞に取材され、クルマ自体も有名な存在だったそうです。そんな個体を手に入れることができたのは、本当に嬉しいですね」
