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新型フェラーリ「アマルフィ スパイダー」日本初公開! 背反するふたつの顔を持つ最新フェラーリGTを徹底解説!!

新型フェラーリ「アマルフィ スパイダー」徹底解説! V8ツインターボ640psの新型オープンモデルの実力とは…!?

2026年3月24日、東京・恵比寿のウェスティンホテル東京でフェラーリ「アマルフィ スパイダー」のジャパンプレミアが開催されました。プレゼンテーションを担当したフェラーリのプロダクト マーケティングマネージャー、マッティア・メッジョリン氏が語ったのは、先代「ローマ スパイダー」からの大幅な進化です。最高出力640psを誇るV8ツインターボ、制動距離を先代比10メートル短縮した新ブレーキシステム、物理ボタンが復活したインテリアなど、走りから快適性まであらゆる面で磨き上げられています。いったい何がどう変わったのか、アマルフィ スパイダーの進化点を詳しくレポートします。

640psにパワーアップしたV8ツインターボエンジンと新ブレーキシステムで走りが劇的に進化!

2026年3月24日、東京・恵比寿のウェスティンホテル東京で、新型フェラーリ「アマルフィ スパイダー」のジャパンプレミアが開催された。プロダクトプレゼンテーションに登壇したフェラーリ プロダクト マーケティングマネージャーのマッティア・メッジョリン氏が、先代ローマ スパイダーからの進化を詳しく語った。エンジン、ブレーキ、インテリアと、変更点は多岐にわたる。

エンジンは先代「ローマ スパイダー」と同じ3,855cc・V8ツインターボを搭載するが、今回の進化はその中身にある。2基のターボを独立制御する新しい制御マップにより、最大タービン回転数は171,000rpmに到達した。各気筒列(シリンダーバンク)に専用の圧力センサーを追加したことで、アクセルを踏んだ瞬間のレスポンスも鋭くなっている。軽量カムシャフトの採用などでカムシャフトは4本で計1.3kg、エンジンブロックも再設計され約1kgの軽量化が図られている。

最高出力は先代比20ps増しの640psを実現。0〜100km/hは3.3秒、最高速度は320km/hに達する。このパワーと軽量化によって乾燥重量ベースのパワーウェイトレシオ(車重と出力の比)は、クラス最高水準の2.42kg/psとなっている。

制動性能も大きく進化した。電子制御ブレーキシステム(ブレーキ・バイ・ワイヤ)と高度なABSシステム「ABS Evo」を組み合わせた新システムにより、200km/hからの制動距離は先代比10メートル短縮の119.5メートルを実現した。ペダルストロークが短く、踏んだ分だけ素直に応えるフィールは、ドライバーとクルマの一体感を高める。

また、フェラーリ特有の走行モード切替スイッチ「マネッティーノ」にも変更が加えられている。ウェット・コンフォート・スポーツ・レース・ESCオフ(WET/COMFORT/SPORT/RACE/ESC OFF)を切り替える際、カチカチという明確な金属的なクリック音と抵抗を与えているが、5ポジション制はそのままに、スポーツとレースは先代ローマ スパイダーよりもオーバーステア傾向が強くなり、より刺激的なセッティング方向へ振られている。一方で各モード間のつながりは滑らかになり、街乗りでの扱いやすさも増した。

空力面ではリアに3段階可変のアクティブウイングを搭載し、250km/h時に最大110kgのダウンフォースを発生させる。オープン時でもボディ各部の空力デバイスによって、高効率な空力性能が維持される。

走行中にも操作可能なZフォールド機構を採用したソフトトップと電動ウインドディフレクターで快適性確保!

スパイダー特有の性能として注目したいのが、Z字型に折り畳む「Zフォールド機構」を採用したソフトトップだ。開閉はわずか13.5秒で完了し、60km/h以下の走行中でも操作できる。収納時の厚さは220mmと極めてコンパクトで、荷室容量はルーフクローズ時で255L、オープン時でも172Lを確保している。一般的なLサイズのスーツケース(約100L)と中型のボストンバッグを積んでもなお余裕があり、週末の旅行にも十分対応できる容量だ。

5層構造のファブリックは、格納式ハードトップと同等の遮音性・断熱性を実現した。開閉状態にかかわらず、キャビンの快適性は高い水準に保たれる。オープン走行時の風の巻き込みに対しては、リアシート背面に内蔵された電動風防デバイス(ウインドディフレクター)が対応する。ボタン操作で展開し、最大170km/hまで使用可能で、キャビン内の乱流を効果的に抑制する。

操作音や感触でブラインドタッチでも分かる物理ボタンの復活と3スクリーン構成が生んだ新世代コックピット

インテリアにおいては、ステアリングホイールの物理ボタン(実際に指で押し込み、カチッという手応えやクリック感を感じることができる機械式スイッチ)が復活した。近年のフェラーリはタッチ式の操作系を採用していたが、アマルフィ スパイダーでは触れればわかる物理スイッチを再採用した。640psのパワーが解き放たれる高速域では、一瞬たりとも視線を道から外せない。そんな場面でこそ、ブラインドタッチで手の感触だけで操作できる物理スイッチにより、押した瞬間に「カチッ」と振動や音が返ってくるため、操作が完了したことが確実にわかりという価値は、ドライビングに集中しているドライバーには嬉しい機能だ。「視線はロードへ、手はステアリングへ」というフェラーリ伝統のコンセプトを改めて形にした判断でもあり、デジタル化の潮流に対するフェラーリなりの回答といえるだろう。

一方で、中央に配置された10.25インチのタッチスクリーンを中心に、15.6インチのデジタル計器パネル(インストルメント・クラスター)と8.8インチの助手席用ディスプレイ(パッセンジャーディスプレイ)という3スクリーン構成を採用。車内のデジタル化を進めた。陽極酸化(アノダイズド)加工アルミの無垢削り出しによるフローティング型センタートンネルが室内を広く見せ、スポーティさと上質感を同時に演出する。

地中海に位置する「アマルフィ」の街の名にふさわしい背反する顔を持つGTスパイダーの真骨頂とは!?

メッジョリン氏はプレゼンテーションの最後をこう締めくくった。「このクルマには、目に見えるものから隠されたものまで、実に多くのテクノロジーが搭載されており、それがこのクルマを比類なく魅力的なドライバーズカーたらしめています。このクルマはまさに、オーナー一人ひとりのためだけに存在するのです」

ちなみに車名の「アマルフィ」とは、イタリア・カンパニア州アマルフィ海岸(Costiera Amalfitana)のことで、ユネスコの世界遺産にも登録されている、断崖絶壁にカラフルな家々が並ぶ絶景で知られている港街が由来となっている。

大地をえぐり取る地中海の力強さと、穏やかな港町の営みが隣り合うこの地のように、アマルフィ スパイダーも背反するふたつの側面が共存している。アクセルを踏み込んだときのV8エンジンの咆哮と強烈な加速、風を受けて優雅さに包まれる至福の時間。そのギャップこそが、このクルマの本質であり、最大の魅力なのだろう。

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