純正維持の愛車から一転して旧車改造の道へ!? 夫婦で挑む260kmのクラシックラリー競技を楽しみ尽くす
2026年で35回目の開催を迎えた長野県小海町のヒストリックカーラリー「コッパディ小海(小海杯の意味)」。そのコッパディ小海の会場で目についたのは、濃いブルーのボディカラーが美しいポルシェ「356B スーパー90」で参加した鳥越さんご夫妻だった。15年連れ添った愛車から憧れのクラシックカーへと乗り換え、アメリカ発のカスタム思想を取り入れて名物ラリーを心ゆくまで楽しむ、素敵なカーライフのエピソードを紹介しよう。
15年間の思い出が詰まった「964」から憧れの「356B スーパー90」へ
「歴史のあるコッパディ小海は、以前から写真やイベントの動画などを見ていたので、ぜひ参加したいと思っていたイベントです」
晴れ渡った空によく映える濃いブルーのボディカラーをまとったポルシェ「356B スーパー90」で、コッパディ小海に参加していたのは鳥越さんご夫妻だ。
「ずっとポルシェは好きで、空冷エンジンの964型に乗っていたのですが、クラシックカーのラリーイベントに参加したくて、長年憧れていた356への乗り換えに踏み切りました」
15年間をともにし、大切にしてきた愛車を手放すのは寂しかったというが、さまざまな思い出と引き換えに手に入れたポルシェの“ご先祖さま”は、1963年式のポルシェ 356B スーパー90。当時のラインアップで最強を誇ったモデルである。ソレックス製のツインキャブレターにより90馬力を発揮することからネーミングされたスペシャルモデルだ。入手後は「GO! GO! ラリー in 東北」へ参加し、さっそく念願のクラシックカーラリーを体験した。
純正主義から一転! エモリーの「アウトロー」思想に共感する
それまで乗っていたポルシェ 964は、エアコンのエバポレーター交換と、7万kmを走った段階でダンパーをビルシュタイン製に変えたくらいで、純正のまま「素」の状態を楽しんでいたという。しかし、ポルシェ 356ではまったく別の楽しみ方をしているようだ。
鳥越さんの愛車は、革製のボンネットストラップを追加し、マーシャル製フォグランプに砲弾型ミラーをセレクトしている。インテリアをのぞくとローバックタイプのバケットシート、さらには車体剛性を高めるロールケージも備わっている。本人いわく「カフェレーサー風」とのことだが、ヒストリックレーサーの雰囲気が漂う本格的なモディファイが施されているのだ。
「アメリカにロッド・エモリーという有名なレストアラーがいるのですが、彼のYouTubeを見て感化されたというか。自分と同じ考え方のモディファイは、いろいろと後押しをしてくれました」
忠実な再現から顧客の要望に応じた魔改造までをこなす、エモリー率いる「エモリー・モータースポーツ」。そのなかでも「アウトロー」と呼ばれる、「もし1965年以降もポルシェが356を生産していたらどう進化したのだろうか」といったコンセプトに共感し、これまでの純正主義とは真逆のクルマ遊びを楽しんでいるそうだ。
オイルの匂いや暑さもご愛嬌? 夫婦の絆を深めるラリー競技
「古いクルマはうるさいし、オイル臭いし、暑くて寒くて……」
と笑いながらも、約260kmの道中をコマ図(ルートを指示する略図)の指示に従ってナビゲートし、しっかりとコ・ドライバー(助手席で指示を出す役割)の役目を果たしたのが、妻の琴予さんだ。
夫婦で一緒にラリーを楽しみ、無事に完走を果たした2日間の長丁場。
「夫婦で一緒にラリーを楽しめたこと、素敵な方々との出会いもあり、とても良い週末でした」と微笑む琴予さんの姿からは、名車を通じて夫婦の絆を深める、豊かで満ち足りた時間が伝わってきた。
