セリカ好きのオーナーがあえてコロナクーペを選んだ理由とは?
富士スピードウェイで開催されたハチマルミーティングに、全国から数多くの’80年代の名車が集結した。その中でひときわ目を引いたのが、今では街中でも旧車イベントでもほとんど見かけなくなった「大人のセリカ」と呼ばれたトヨタ「コロナクーペ」のトップグレード、2.0GT-Rだ。かつてセリカに乗っていたというオーナーが、あえてこのクルマを選んだ理由を取材すると……。
コロナなのにGT-Rの名を冠したホットバージョン
会場を歩いていて発見したのは、側面から回り込むように続く大きく湾曲したリアウインドウが特徴的なコロナクーペだ。側面には「2.0 TWINCAM 16」の文字、そしてリアには「2.0 GT-R」のステッカーから判断すると、トップグレードのコロナクーペ2.0GT-Rだ。気になる詳細をオーナーの江川さんに伺ってみた。
「このクルマは1985年式のコロナクーペ2.0GT-Rで、今から7年前に入手しました。若い頃に同年型のセリカに乗っていたんですが、友人がドライブ中に事故をしてしまい、降りてしまったことがあるんです。そのためいつかまた乗りたいと思っていました。ある時このクルマが成田空港で展示されているのを見て、セリカの兄弟車であることも知り、ずっと気になっていたんです。本当はスポーティなクーペなのに、見た目は普通のクルマに見えるのも気に入っているポイントです」
北米仕様セリカクーペの国内向けモデルとして誕生
コロナクーペはFFとなった8代目T160型コロナから派生したクーペモデルだ。コロナという名前を冠しているものの、同時代のセリカやカリーナEDが姉妹車にあたる。国内向けのセリカはリフトバックのみの設定だったため、北米などに輸出されたセリカクーペのフロントフェイスを変更し、国内ではコロナクーペとして販売された。
セリカがリトラクタブルヘッドライトを採用したのに対し、コロナクーペは固定式ヘッドライトを採用。デザインも全体的に落ち着いた大人向けの雰囲気となった。エンジンはセリカと同様、トップグレードに2リッターの3S-GEを搭載し、グレード名も2.0GT-Rとした。こうした経緯から、当時のコロナクーペは「大人のセリカ」と呼ばれていた。江川さんによれば、コロナクーペはセリカリフトバックよりも軽量でボディ剛性も高く、あえてコロナクーペ2.0GT-Rを選ぶ人もいたそうだ。
最上級グレードにオプション満載の贅沢な1台
もともとこのクルマは群馬県内の納屋の中にあったものを発見し入手したそうだ。生産初期の1985年式で、この年のみドアミラーがボディ同色ではなくブラックになるのが特徴だ。最上級グレードの2.0GT-Rに、オプションのツートンカラーやサンルーフが備わるかなり高価な個体だ。14インチのアルミホイールも2.0GT-Rの標準装備となる。
側面は多くの部分を補修しているものの、ルーフなどはオリジナルペイントを保っているという。側面のステッカーはプロに再現してもらったという。そんなコロナクーペで江川さんが唯一個性を出しているのがオーディオだ。当時は高嶺の花だったナカミチのカセットデッキを装着し、中古で手に入れた誰かが編集したカセットテープを聴くのが何よりの楽しみだという。
