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父の愛車への憧れを胸に20歳からパーツを収集! 走行4万kmの初代日産「レパード」を入手

日産 レパード: 真正面から見たフロントマスク。傾斜したノーズに収まる異型ヘッドランプと、ボンネット上のエアアウトレットが、空力にこだわった初代レパードの個性を象徴する

父の愛車「初代レパード」への憧れを大人になって夢を実現させたオーナーの「覚悟の維持メンテ」術

40年以上前のクルマとは思えない極上の個体は、なぜここまでの状態を保てたのか。走行4万kmという初代レパードに出会った。子どものころに父が乗っていた1台への憧れを叶えたオーナーの増永さんに、出会いから維持への思いまでを取材した。この車内も外装もまるで新車のようなコンディションには、大切に守られてきた確かな車歴があった。

ハチマルミーティングで発見した1983年式の初代レパードは新車のような状態だった

富士スピードウェイのハチマルミーティング会場で、驚くほどきれいな状態を保った初代日産「レパード」を発見した。外装だけでなく、車内もまるで新車のようである。どういう車歴をたどれば、こんな状態のまま40年も保てるのか。オーナーの増永さんに、その疑問をぶつけてみた。

「このクルマは1983年式のレパードで、実はこの夏に手に入れたばかりなんです。初代レパードは私が子供の頃に父が乗っていて、子供心に『我が家のクルマはカッコイイ!』と思ってました。小学4年生の頃に廃車になってしまうんですが、大人になったらいつか乗ってやると決めてました。このクルマは倉庫でずっと眠っていたクルマで、今でも走行距離はたった4万kmです。おそらく新車の時からずっと甘やかされてきた個体ですね(笑)」

取材を通じて分かったのは、この個体が長く倉庫で保管されてきた経緯である。走行4万kmという数字が、その車歴を裏づけている。

2代目F31に隠れた初代F30型レパードは北米向けマキシマがベースだった

初代レパードは、日産910型「ブルーバード」をベースとした北米向けモデルがルーツである。レパードというと、ドラマ「あぶない刑事」で活躍した2ドアクーペが印象的な2代目F31型を思い浮かべる人が多い。初代F30型は、910型ブルーバードをベースにホイールベースを延長し、直列6気筒のL24E型を搭載した北米向けモデルの日産 G910型「マキシマ」をベースとして、1980年に国内向けで登場する。当初は北米輸出向けとして開発され、完成時期に北米市場が冷え込んでいたことから、日本国内専用車へと計画が変更された経緯を持つ。

Cピラー以降が内側に絞られ、クォーターガラスを含めて独特の形状を持つリアビューが特徴となっている。エンジンは6気筒のL型を中心に搭載され、登場当初は直列4気筒1.8LのZ18型、直列6気筒2.0LのL20E型、直列6気筒2.8LのL28E型をラインアップした。1981年7月にはL20ET型(直列6気筒2.0Lターボ)が追加される。1982年9月のマイナーチェンジでL28E型搭載の3ナンバー車は廃止となり、1984年6月にはVG30ET型(V型6気筒3.0Lターボ)を積む3ナンバーの300ターボグランドエディションが追加された。

増永さんが乗るのは、L20ET型を搭載するターボZGXスーパーエディションというグレードである。このグレードは1982年9月のマイナーチェンジで追加された最上級モデルにあたる。

子供の頃の夢を実現したオーナーの役目は奇跡的な状態を維持することにある

増永さんの目標は、この奇跡的な状態をできるだけ長く保つことにある。

「大人になったらいつかこのクルマに乗ってやる!」

彼はレパードに対する熱い情熱を持ち続け、20歳の頃から徐々にパーツも集めていたという。その努力が今、実を結んでいる。とはいえマイナー車種ゆえに部品は壊滅的な状況にある。大きな事故をしてしまったら、再生はほぼ不可能だという。そのため今は、このままの状態をできるだけ長く保つことが目標であり役目だと話す。

「最終的には、この素晴らしいコンディションを維持したまま自動車博物館に寄贈したいと考えています。でも本音を言えば、もしいじることが許されるなら、いつかマニュアルトランスミッションに換装してみたいですね。せっかくのターボエンジンなので、思いっきりスポーティに走らせてみたいという夢もあるのです」

父の愛車への憧れを20年以上抱き続け、ついに同じ初代レパードを手にした増永さん。その手のなかにあるのは、走行4万kmという奇跡的な1台である。いじって楽しみたいという本音を抱えながらも、次の世代へ残すことを役目と定めた姿勢には、1台のクルマと真摯に向き合う愛情がにじんでいる。憧れを叶えた先で維持へと心を切り替えたオーナーの選択が、この極上のレパードを未来へとつないでいく。

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