RZ34フェアレディZの伝統を尊重しつつチタンとカーボンで現代に昇華させたエアロプログラム
「影絵でもフェアレディZだと分かるように」。そんなコンセプトから生まれたのが、アーティシャンスピリッツ・ブラックレーベルによるRZ34型フェアレディZ用のボディキットである。半世紀を超えるカスタムの歴史を土台に、チタンやカーボンといった現代の素材で締めくくった。真紅のデモカーが語る“モダンクラシック”という新たなスタイルを提示する。
アーティシャンスピリッツがRZ34フェアレディZに込めた“モダンクラシック”とは
ひとつのクルマには、その車種だけが積み上げてきたカスタムの系譜がある。アーティシャンスピリッツが真紅のRZ34型フェアレディZで示したのは、その歴史への敬意だった。制作の経緯を取材すると、開発を率いた丹後さんはこう切り出した。
「Zのカスタマイズには歴史があり、その中でフロントスポイラー、ワークスフェンダー、マフラーという具合にカギとなるパーツが生まれてきました。そういった流れを大切にしつつ、いかに私たちらしさを出していくかを考えながら作り込んだのが今回のプログラムです」
掲げたテーマは“モダンクラシック”である。半世紀以上にわたるカスタムの年表を尊重しながら、時代に合わせた技術や素材を取り入れる。この気概のもとで完成へと進めた。丹後さんが語る「時代に合わせた」の部分は、フロント・サイド・リアの各ディフューザーに用意したカーボンタイプのラインアップ、そしてZ432へのオマージュとなる縦型レイアウトのマフラーにチタンを採用した点に表れる。
フロントからリアまで、RZ34フェアレディZ用ボディキットの作り込みを解剖する
個々のパーツの完成度と全体のバランス、その両立こそがこのキットの妙味である。顔まわりはフロントスポイラーとフロントアンダーディフューザーの二段構成とした。立体感を演出するだけでなく、万一の補修面も考慮し、あえて別体としている。
曲線が際立つフェアレディZのボディラインに対し、直線的なディフューザーを組み合わせて安定感を加えた。端から端までをカバーするトランクスポイラーは、違和感が生じないよう形状に注力している。小ぶりながら効果的に働くリアサイドディフューザー、そして片側縦2連のマフラーは、チタンブルーの発色とともに強い印象を残す。
オーバーフェンダーは、かつての「セミワークスフェンダー」を思わせるデザインに仕上げた。片側でフロント30mm、リア50mm厚を確保し、ワイド感もしっかりと引き出している。丹後さんはデザインの狙いをこう説明する。
「Zにはならではのアウトラインがあるので、全体的な意匠に関しては影絵でもこのクルマだと分かるモノにしたいと思いました」
ホイールにレイズTE37SAGAを選んだRZ34フェアレディZのホンモノ志向
足もとに何を履かせるか。その選択にも、時代性を重んじる姿勢が貫かれている。装着したのはレイズのボルクレーシングTE37SAGAである。丹後さんは選定の理由を語る。
「コンケーブという強度解析の技術が進んだ現代だからこそできるデザインのモデルを履かせたいと思いました」
過去の名作を単純に踏襲するのではなく、現代の技術が可能にしたデザインを選ぶ。ホンモノ志向だからこその判断である。キットは組み合わせも整理されており、フロントスポイラー・フロントアンダーディフューザー・サイドアンダーディフューザー・リアサイドディフューザー・トランクスポイラーで構成する「エアロコンプリートキット」を基本に、オーバーフェンダーを加えた「ワイドボディコンプリート」、さらにフルチタンエキゾーストシステムまで含む「コンプリートキット」の3段階を用意する。各ディフューザーとトランクスポイラーにはカーボンタイプも選べる。
Zのアイコンとなるパーツを重視しながら、そこへ自社ならではのオリジナリティを溶け込ませる。装着すれば愛車の雰囲気は確実に変わる。“過去”と“今”という2つの軸を両輪として、丹後さんたちはフェアレディZという1台のクルマと真正面から向き合った。歴史を継ぐことと時代を映すこと、その両立を諦めなかった作り手の姿勢が、真紅のボディにそのまま宿っている。
