30日間の北海道一周で得た経験を反映。収納、水回り、電源まで磨き上げたリアルな旅仕様を紹介
「もう毎日テントを張るのはやめよう。」
トヨタ「ランドクルーザープラド(150)」で北海道を30日間、約4300km旅した経験が、オーナーである“amatsujin”さんのクルマづくりを大きく変えた。テント設営の手間、林道で感じたタイヤへの不安、愛犬との旅で必要になる収納や水回り──。実際に走ったからこそ見えてきた課題を、ひとつひとつ解決した先に完成したのが、このトヨタ「ランドクルーザー250」だ。
北海道4300kmの旅が、すべての始まりだった
“amatsujin”さんがランドクルーザー250(ファーストエディション)へ乗り換えた理由は、単なる新型への憧れではない。
150プラドで北海道を約30日かけて一周し、4300kmを走破した経験があったからだ。
フェリーで苫小牧へ渡り、礼文島にも足を延ばしながら北海道を巡った30日間。その旅は「楽しい」の一言では語り尽くせないほど充実した時間だった一方で、毎日のように繰り返すテントの設営と撤収、林道で感じたノーマルタイヤへの不安など、多くの課題も見えてきた。
「遊ぶ時間を増やすには、設営時間を減らさなければならない。」
その答えが、ランドクルーザー250の車中泊仕様だった。
テントから車中泊へ。旅のスタイルを一変させたベッドキット
ランドクルーザー250で最も力を入れたのは車中泊環境だった。
ベッドキットは愛知県の工房リンクスへ実車を持ち込み、一から型取りして製作。当時はランドクルーザー250用の設定がなかったため、ワンオフで仕上げてもらったという。
現在では、この型をベースに製品化されている。レザー素材を採用したベッドは掃除がしやすくクッション性もいいから、愛犬・桃太郎くんの足にも優しい。荷室には冷蔵庫を組み込み、サイドラックには寝袋やキャンプ用品を効率よく収納する。オーニングは150時代から使い続けるライノラック製。タープを張る手間がなくなり、旅先での設営時間を大幅に短縮できた。
「ホテルを予約しなくてもいい。それに疲れたら道中の道の駅で休める。その安心感は大きいですね」とオーナーの“amatsujin”さんは笑って応える。
2年でさらに進化した収納とワンコ仕様
2024年の取材時点でも完成度は高かったが、2026年の仕様はさらに実践的になっていた。
ラゲッジ左右にはIPF製サイドパネルを装着し、Helinox製ボックスを固定。電装品や衣類、小物類を用途別に整理して収納している。
天井の収納ラックにはシュラフや難燃マット、枕、電装品などを積載。
さらにリアゲートに積むロトパックス製ウォータータンクには自作の蛇口を追加し、散歩後に桃太郎くんの足を洗えるよう工夫した。
こうやってひとつひとつを確認していくと、収納を増やすだけではなく、「使いやすさ」を徹底して追求していることが分かる。
夜のキャンプを支える電源と照明
夜間の使い勝手も、ランドクルーザー250の見どころだ。
IPF製マグネットライトはバックドアへ自由に取り付けられ、ポータブル電源から給電するため車両バッテリーを消費しない。好きな場所へ持ち出せるため、夜間の調理や荷物整理でも活躍する。
さらに夏場はEcoFlow製ポータブルエアコンを搭載。窓からダクトを出して使用することで、エンジンを停止したままポータブルバッテリーで車内を冷却でき、愛犬との車中泊でも快適な環境を確保している。
見た目より”旅性能”を重視したカスタム
足まわりは意外にも純正車高のままだ。リフトアップは行わず、275/70R18のBFグッドリッチ オールテレーンタイヤで走破性を向上。ホイールにはENKEI・ALLROAD RPT1(18×8.5J)をチョイス。そこにジャオスのオーバーフェンダーを組み合わせた。
排気系にはガナドールのマフラーを装着し、サブコンとしてTDI Tuningも追加。オーナーによればふたつを掛け合わせることで30〜40馬力ほど向上し、発進時のもたつきも改善されたという。
さらにボンネットダンパーやIPF製LEDライトなども装着されているが、どれもドレスアップのためではなく、「旅で使いやすいこと」が選択基準になっている。
経験が、このランクル250を育て続けている
このランドクルーザー250には、流行のパーツを並べたような印象はない。
北海道4300kmの旅で感じた不便さをひとつずつ解決し、そのたびに装備を見直し、必要なものだけを積み重ねてきた結果が、現在の姿だ。収納、水回り、照明、電源、そして車中泊環境…。そのどれもが、愛犬・桃太郎くんともっと快適に旅を続けるための答えだった。
そして次の目的地は、ガイドブックには載っていない景色。旅を続ける限り、このランドクルーザー250もまた、経験とともに進化を続けていく。
