サイトアイコン AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

「2000万円で売ってほしい」オファーを即答で拒否。新車から34年乗り続けるR32 GT-Rの圧倒的オーラ

日産 スカイラインGT-R:新車購入から34年目を迎えるHideチャンさんの愛車。未再塗装のオリジナルボディが奇跡的な美しさを放つ

新車から34年乗り続ける日産「スカイラインGT-R」。初代TE37を履く極上R32

「R32には敵わない」。その思いから1992年に新車で購入し、2026年で34年目を迎える生粋の日産「スカイラインGT-R」オーナーがいる。走行距離は4万キロ未満、オリジナル塗装を美しく保ち、足元には生誕30周年を迎えるレイズの「初代TE37」が輝く。2000万円の買取オファーも即座に断るという、奇跡的なコンディションを維持し続ける極上R32の実態だ。

20ソアラから乗り換えて34年。未再塗装の極上ボディを維持し続ける

かつてトヨタ「スプリンタートレノ」(AE86型)でゼロヨンをしたり、ハードなチューニングにもハマっていたというオーナーの“Hideチャン”さん。その後、少し落ち着こうとトヨタ「ソアラ」(20系)を買ったものの、いくらお金を掛けてイジっても当時の日産「スカイラインGT-R」(R32型)には敵わないという思いから、このGT-Rの新車購入を決意したのだという。

1992年に新車で購入し、2026年で34年目に入るという生粋のR32 GT-Rオーナーである。実は一度車検を切った時期もあり、約10年の空白期間も存在したが、そこから見事に復活させた執念の1台となっている。

外観で分かるカスタムポイントとしては、トラスト製のインタークーラー、ニスモ系パーツ、そしてホイールの存在感が際立つ。低くキマった足回りはクスコ製の車高調(以前はZEELの車高調を入れていたという)によるものだ。

驚くべきことに、ボディはオールペン(全塗装)未施行のオリジナルのままである。新車当時の塗装が美しく保たれた、本当に希少なR32 GT-Rだ。当時のニスモ製トランクスポイラーは経年劣化してしまったため、FRPで再生産されたニスモ製トランクスポイラーへと装着し直している。マフラーはコクピット館林のオリジナルモデルを採用しており、音が静かな点がお気に入りだという。

室内に目を向けると、ステアリングはナルディ・クラシックを装着している。シートはコクピットオリジナルのレカロSRIIIを選択。リアトレーに埋め込まれているオーディオのスピーカーは、自身でDIYして取り付けたものだ。さらにエンジンルームには、HKS製のエアクリーナーやSPATS(スパッツ)製のタワーバーが装着されており、当時のチューニングの香りを色濃く残している。

30年間ガリ傷ゼロ。美しすぎる「初代TE37」のディテールを紐解く

そして、この車両における最大のハイライトとも言える存在がホイールである。実はこのホイール、GT-Rの新車購入当時から少し遅れて導入した“30年選手”なのだ。

足元にはレイズの誇る鍛造スポーツホイール「ボルクレーシング TE37」がおごられる。

このTE37がとにかく美しい。購入以来「一度もガリっていないですね」と“Hideチャン”さんは語る。隣で微笑む奥さまも「変な駐車場には入りませんから」と教えてくれた。このR32 GT-Rには、最初はパナスポーツのG7(17インチ)を装着していたが、次にこのTE37を買って以来、今日までずっと履き続けているのだ。普段履きもこなしながらのこのホイールコンディションは、まさにお見事の一言に尽きる。

TE37の装着サイズは18×9.5J インセット12。購入当時の日産「スカイラインGT-R」(R33型)用サイズだったそうで、フェンダーとの干渉を避けるためにフロントは足回りのキャンバー角を3度ほど寝かせて収めている。

R32 GT-Rの純正ホイールサイズは16インチ(8J インセット30)であり、R33用などのチューナーサイズである18インチ(9.5 インセット12)をそのまま装着すると、フロントフェンダーから確実にタイヤがはみ出し、フルバンプ時にインナーフェンダーを破壊してしまう。これを回避するためには、アッパーアームの交換等でキャンバー角をネガティブ(ハの字)方向に3度ほど寝かせる緻密なアライメント調整が不可欠となる。単に太いホイールを買うだけでなく、足回りのトータルジオメトリーを理解していなければ成立しない、極めて玄人好みのフィッティングである。

色は当時レギュラー設定されていたホワイトとブロンズのうち、ブロンズを選択した。当時スポークに貼られていたデカールは「RAYS」の部分のみ、長い年月とともに剥がれてしまったとのことだ。

実はTE37は2026年で生誕30周年を迎える、レイズの中でも最も歴史ある6スポークの原点と呼べるモデルである。現在も脈々と同じ6スポークのカタチを継承し、生産が続いている記念碑的ホイールだ。

“Hideチャン”さんが履いている初代TE37と現在のTE37を見極めるポイントは、かなり微細でマニアックな部分に宿っている。それはスポークの立ち上がりの部分だ。ウェルと呼ばれる面からスポークが立ち上がる初代に対して、現行型はウェルとリムの両方から立ち上がっている。さらに、外からは判別できないが、スポークの裏側がフラットな初代に対し、現行の最新モデルは裏側の見えない部分まで軽量化を求めて極限の肉抜きが施されているのである。

走行4万キロ未満の奇跡。2000万円のオファーを断り一生モノとして愛し抜く

カスタムポイントをひと通り見せてもらった後、次なる目標があるのかを尋ねた。

「現状の姿で満足していますね。あとは壊れないことを祈るだけです。自分はこのR32のカタチが好きなので、R33やR34には乗り換えなかったですね」

走行距離もまだ4万キロに届いていないというから、かなりの極上コンディションである。実は雨の日の運転も「この20年以上していないですね」と語るほど、徹底して大切に維持されているのだ。

普段はこういったGT-Rのミーティングやクルマのイベントには出向かないそうだが、今回は「どうせ当たらないだろう」と気軽に応募してみたら偶然当たったため参加してくれたとのことだった。

“綺麗なR32に乗っている人がいる”と界隈で話題になり、「2000万円で売って欲しい」といった高額オファーもこれまで数々あったそうだが、すべてキッパリとお断りされてきたのだという。このR32 GT-Rのお宝度はもちろんだが、コンディションを保った初代TE37の美しさだけでも、その値打ちは計り知れない。

いつまでも大切に維持していって欲しいと心から願う、至高のR32 GT-Rであった。

モバイルバージョンを終了