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「1000馬力」に「筑波1分切り」も単なるたたき台! HKSの新たなチューニングカー販売スタイルに注目です

新たなチューニングカーのあり方をHKSが提案

チューニング業界のリーディングカンパニーであるHKSが2024年1月12日~14日に開催された東京オートサロン2024に掲げたテーマは、「Tune the Next」。カーボンニュートラル、サステナブルといった社会的な課題と向き合いながら、新しいチューニングカーのあり方も提案してきた。

「おまかせ」で1台1台プロデュースしていく「THE HKS」プロジェクト

そのひとつが、「THE HKS」プロジェクト。これはHKSで手がけたチューニングカーの車両販売のプロジェクトだが、いわゆるコンプリートカーではなく、まずベース車両として提案し、それを求めるユーザーに合わせ、1台1台プロデュースしていくカタチで世の中に送り出していくスタイルだ。

対象は国内だけでなく、海外にも及び、各国の法規に合わせたチューニングカーに仕上げて販売する計画とのこと。

オートサロン2024のHKSブースに展示された日産R35「GT-R NISMO」(MY2024)とトヨタ「GR86」は、このプロジェクトのロールモデルになるマシンだ。会場で、HKSの水口社長はこう語っていた。

「このプロジェクトは、お寿司屋さんでいえば、お客さんから“おまかせで”といわれて料理を作るのに似ています。ユーザーから任されたとき、どんな提案ができるのか。それに挑戦していくプロジェクトです」

したがって展示されたデモカーも完成形ではなく、あくまでも叩き台。カスタマイズの出発点という位置づけだ。

1000馬力超のR35 GT-Rや筑波1分切りGR86も「叩き台」

とはいえ、そこはHKSなので、最新技術は惜しげもなく投入されていて、「HKS R35 NEO GT1000+ Concept」と命名されたR35は、HKSコンプリートエンジンVR4.3L STEP PRO+に新開発の大容量タービン・エキゾーストシステムを組み合わせ、合法チューンで1000psオーバーを実現。

「HKSが考えるカーボンニュートラルを国産最高峰のコンセプトカーとして表現」とうたっていた。

もう1台の「HKS GR86 GT400+ Concept」は、GR86のチューニングカーで、筑波最速レコードを持つ「レーシングパフォーマーGR86」で開発されたパーツやノウハウをストリート向けにリファインして組まれた仕様だ。

GT III-RSボルトオンターボキットを目玉に373psまでチューンされ、足まわり、エアロパーツまでトータルチューン。筑波で1分を切れるパッケージを提案している。

超ラグジュアリーな「走るドライビングシミュレータ」

この2台の脇には、レクサス「LM」をベースにしたコンセプトカー、「LEXUS LM HKS “e-Driving” Concept」もあった。こちらは、「Stylish & Comfortable space」がテーマだ。

HKSハイパーマックスパフォーマンスパッケージ(試作)で車高を下げ、20インチのADVAN Racing RZ-DF2ホイールで、ドレスアップも図られているが、カスタムのメインは、リアのパッセンジャーエリアに鎮座する、ドライビングシミュレータ「DRiVe-X」。

ショーファーカーのLMなので、LM専用のサスチューンで「快適性」を確保しながら、「完全プライベートな移動空間」に仕立て、休日、サーキットに移動する最中にドライビングシミュレータで練習を積み、サーキットに到着してからは、ガレージに保管しているスーパーカーで実走、といったアクティブなエグゼクティブを対象にした新しいスタイルを打ち出していた。

RB26DETTエンジン用の強化シリンダーライナーが登場

パーツ類に関しては、第2世代GT-Rの心臓部、RB26DETTエンジン用の強化ライナー「HIGH PERFORMANCE CYLINDER BLOCK RB26 2.8L STEEL LINER」に注目したい。

RB26はオーバーホールに欠かせない、純正シリンダーブロックが慢性的に欠品で、注文しても1~2年待ちが続いている。そこでHKSでは、中古のシリンダーブロックベースでもハイパワーチューニングを施せるよう鋼鉄製強化シリンダーライナーを開発。

これが完成すれば、中古エンジンブロックが再生されるだけでなく、強度アップによって高出力でのシリンダー割れを防止。さらなるハイパワー化も可能になり、同時にサステナブル=持続可能なチューニングが大きく前進する一例となるはずだ。

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