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21歳大学生のスズキ「カプチーノ」は父親の納屋物件だった! 1年かけて親子で直して路上復帰…初めてのサーキット走行にチャレンジ

スズキ カプチーノ:初サーキットでコースを覚えるまではおっかなびっくりの走行だったが、どんどん走りが良くなってくるのはさすが若者

「アバルトカップ」は「走り好き」なら車種を問わず参加OK!

千葉県のナリタ・モーターランドで年間4戦が開催されている、タイムアタック形式の走行会「アバルトカップ」は、「走り好き」ならアバルトに限らず、車種や年式を問わず参加OK。そこにスズキ「カプチーノ」で参加していた“海”さんは21歳の大学生。これが人生初のサーキット走行だといいます。彼がカプチーノに乗るようになった経緯を聞いてみました。

アルバイト先のガソリンスタンドで主催者から誘われて参加

「バイト先で声をかけられて初めて参加したのですが、以前からサーキットにも興味があったので今日は楽しみです」

というのは、スズキ「カプチーノ」で「アバルトカップ」にエントリーしていた21歳の大学生“海”さんだ。

学生生活の合間にガソリンスタンドでアルバイトをしている“海”さん。ある日のこと、フィアット・アバルト「124ラリー」でやってきたのが、アバルトカップを主催する佐々木さんだった。

「携行缶にガソリンを入れようとしゃがんだら、マグネシウムのワタナベのホイールだったので、レアなホイールですね! って声をかけたんです。しかもタイヤを見ると溶けていたので、サーキットを走ってるんですね!? と聞いたら、アバルトカップに誘ってくれたんです」

そうした偶然の出会いから、愛車カプチーノで初のサーキットでのタイムトライアルに挑戦することに。ちなみにアバルトカップには学生割引があり、エントリーフィー半額というのも嬉しい。

父と一緒に1年半かけてカプチーノを公道復帰

じつはこのカプチーノは乗り始めてまだ半年くらいという“海”さんだが、これまでの愛車はスバルGC8型「インプレッサ WRX タイプRA STi」や、4台を乗り継ぐほど気に入っているスバル「ヴィヴィオ」NA仕様では夜な夜な峠道に繰り出しているそうだ。

家にはクルマ好きの父親が持っている漫画『頭文字D』があり、その影響で幼少期よりクルマに興味を持ち、峠好きになったという“海”さん。

カプチーノは父親が当時新古車で買って18万kmほど乗っていたものだが、“海”さんは乗った記憶もなければ、父がカプチーノを持っていることも知らなかったそうだ。

「祖母の家の片付けを手伝っていた時に、このカプチーノが納屋で眠っていたんですよ。それで“乗りたいんだったら、一緒に起こそう”と、父と一緒に直し始めました」

ターボ車ということもあり、熱害で割れたホースなどを交換し、他車の部品などを流用。また、カプチーノはフレーム内に水が溜まりやすいと言われているが、そうした部分には防錆処理も施したりして、仕上がったのは約半年前のこと。1年半かけて父子で直したカプチーノが公道復帰した時には、大きな喜びと充実感たっぷりだったという。完成したのが嬉しくて、下道を使い京都までドライブしたことは、とくに印象に残っているそうだ。

初めてのサーキット走行はおっかなびっくり

今回“海”さんがアバルトカップに参加したナリタモーターランドでは、パイロンを使いコースをアレンジしていくつかのパターンを作れるため、コースを覚える必要がある。先行車の走りとコース図を睨めっこしていた彼に出走の番がやってきてコースインする。

「対向車がいないので、思い切って踏んで行けたのですが、曲がらなきゃいけないパイロンを行き過ぎちゃってミスコースしてしまいました」

そのせいか2本目の走りはおっかなびっくりという感じで間違えなかったものの、タイムが出ない。そして、お昼休みを挟んでの3本目もミスコースをしてしまう。

「いや~、アタマ悪過ぎて嫌になっちゃいますよ。コースばかり気にしてしまい、ちゃんと走れませんでした」

このアバルトカップ、走行後には3本のベストタイムからハンデなどを加味し、順位が決定されるのだが、表彰式までの間は計測なしで自主練習ができる。

もちろんコースへ出てアタックする“海”さん。タイム計測のプレッシャーがなくなったからかミスコースすることなく、スライドするテールをうまくコントロールしながら、プシュープシュと先ほどまでは聞こえなかったブローオフ音を響かせて快走している。

「コースを覚えたらやっと楽しく走れました。次回はタイムアタックから、この走りができるようになりたいですね」と笑顔を見せてくれた。

今後は、エンジンを含めた各部のオーバーホールなどを施してこのカプチーノと長く付き合っていきたいという、大学生の“海”さんだった。

* * *

2025年度のアバルトカップは、4月6日(日)のラウンド1を皮切りに、ナリタモーターランドにて4回開催の予定だ。サーキットで過ごす1日、エントリーフィーは1万2000円となっているが、半額になる学生割引もあるので、未経験の方もこの機会にぜひ楽しんでみてはいかがだろうか。気になる方は、124ssk65@gmail.comまで問い合わせていただきたい。

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