ロータリーのような静かで力強いオーナー愛が注がれるオドメーター28万キロのRX-7
新潟県糸魚川市で開催された新たなイベント「第1回糸魚川クラシックスポーツカーフェスタ」。年式に厳密な縛りはなく、1980〜2000年ごろまでに製造された「ネオクラシック」と呼ばれるスポーツタイプのクルマであれば幅広くエントリーできるとあって、会場にはバラエティに富んだ古今東西の名車約50台がずらりと展示されました。今回はイベント会場で見かけたマツダ「RX-7」とそのオーナーを紹介します。
世界中のオークション会場で徐々に勢力を拡大する国産スポーツカーの存在と人気が爆上がり中!
話はいきなり脱線するが、海外では古くからヒストリックカーのオークションが盛んで、世界各地(その多くは欧米だが)で開催されるオークションには、毎回のように古今東西の歴史的な名車や希少車が出展される。
そんなオークションの世界で、かつてはほとんど見かけることのなかった日本車。日本と欧米、彼我のモータリゼーションの歴史を鑑みればある意味当然なのだが、しかし昨今ではその勢力分布にも変化が見られつつある。
とくに顕著なのがバブル期以降に生み出された国産車たちの台頭だ。R32以降の第2世代GT-R、ホンダ NSX、レクサス LFAなどのスター級のスポーツモデルや、WRCで一時代を築いたスバル インプレッサと三菱 ランサーエボリューション、あるいは根強い人気を誇るトヨタ ランドクルーザーなどは、各国のオークションの常連車種となっている。
ル・マンを制したマツダが世界に誇るロータリーピュアスポーツ「セブン最強モデル」が大人気!
そして、世界のオークションマーケットで高い人気を誇る国産車のひとつがマツダのロータリーロケットたちだ。なかでも歴代のマツダ RX-7は世界的にもファンが多く、とくに「セブン」としては最後のモデルとなるFD3Sは国内と同等かそれ以上に人気が高く、2025年11月にイギリスで開催されたオークションにも1996年式のFDが出品され、高額で落札されている。
ル・マン24時間を制した唯一のロータリーエンジンを生み出したマツダ。そのマツダが持てる力のすべてを注いで世に問うたロータリーピュアスポーツは、確かに20世紀の日本を代表する名車の1台に違いない。
最後のチャンスで手に入れた憧れの新車RX-7!
すでに四半世紀を共に過ごして楽しんできた相棒
「2002年に新車で手に入れて以来、ずっと乗り続けています」
と語ってくれたのは、2025年11月1日(土)に開催された同イベントの会場で出会った、2002年式マツダ RX-7のオーナー、Aさん。
かつてはAE86を2台乗り継ぎ、その後継として日産 シルビアの購入を考えていたそう。
「RX-7は自分にとっては雲の上の存在というか、かなり格上のスポーツカーという認識でした。ただ、ちょうどその頃RX-7が生産終了になると知りまして、ロータリーエンジンのピュアスポーツに乗れる最後のチャンスになるかもしれない、と」
そんな経緯からRX-7を手に入れたAさんは、それ以来四半世紀近くを共に過ごし、シャープな操縦性やロータリーならではのエンジンフィールを楽しんできた。
オドメーターが刻む「28万km」という愛情の証
新車当時のオリジナル風情を残す希少な個体FD3
歴代RX-7はいずれもリアルスポーツだけに、ハードに扱われたりチューニングやドレスアップされたりする個体も少なくないが、AさんのFDは新車当時のオリジナルの風情をよく残した好ましい状態だ。
「細かく見ればそれなりに傷んでいる箇所もあるのですが……」
と謙遜するAさんだが、その走行距離を聞いてびっくり。2025年の春に11回目の車検を終えたというAさんのFDのオドメーターの数字は、もうすぐ28万kmに届こうとしていた。
RX-7に対するAさんの静かな、しかし熱い想い。それは愛車のオドメーターに刻んできた、その数字がすべてを物語っているようだ。
