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リフレッシュついでにターボチューンで200ps!? 北米仕様マツダ「MX-5 ミアータ」が30年乗ってもトラブルフリーな理由とは?

マツダ「ミアータ」:左ハンドルだけでもレアなのに、エンジンはターボ&メカチューン。レストアから6年が経過しても内外装は新車のような美しさを維持

ロータリー乗りが惚れ込み30年! 200馬力に進化し父から子へ受け継がれる左ハンドルの「ミアータ」

福島県で開催されたオープンカーの祭典に、ひときわ目を引く1台が登場しました。玉上雅英さんが30年以上所有し続ける愛車は、北米仕様となる左ハンドルのマツダ「MX-5 ミアータ(NA系ロードスター)」です。フルレストアを経て200psへと進化を遂げ、なんと30年間ノートラブル! 平成から令和へ、そして父から子へと受け継がれる特別な1台の軌跡に迫ります。

ロータリー乗りを魅了した北米仕様「ミアータ」との出会い

元々はマツダ「コスモ」など、生粋のロータリーエンジン車乗りだったオーナーの玉上さん。オープンカーという点に惹かれ、マツダ車のなかでもロータリーエンジンを搭載しない初代「ロードスター(NA系)」に興味を持ったことが、今の愛車との長い付き合いの始まりだ。

新車で販売されていた当時、ロードスターの北米仕様であるマツダ「MX-5 ミアータ(NA8C)」と出会うことになる。左ハンドルのモデルは当時でもかなり珍しく、すぐに新しい相棒として迎え入れることが決まった。ちなみに「ミアータ(Miata)」とは、古高ドイツ語で「贈り物」や「報酬」を意味し、北米市場で親しまれることを念頭にネーミングされたという。

パワー不足を解消するボルトオンターボの装着

自分好みに仕上げるため、玉上さんはカスタマイズにも着手した。まずはタイヤ&ホイールやサスペンションなどを社外品に交換。続いて不満だったパワー不足を解消するため、HKSのボルトオンターボキットを装着した。

「極端なパワーこそ望めないものの、燃料系は純正のままでも大丈夫でした。幸いなことに、カスタムパーツの大半は国内の右ハンドル仕様と共通だったのです」と玉上さんは当時を振り返る。

じつは、NA8C型に搭載される1800ccのBP型エンジンは、もともとマツダ「ファミリアGT-R」などの強烈なターボモデルを前提として設計された強靭なシリンダーブロックを持っている。そのためエンジン自体の剛性や耐久性が非常に高く、後付けのボルトオンターボとの相性が抜群に良いという隠れたメリットがあったのだ。

このキットには、エンジンの燃料噴射量や点火タイミングを補正する「サブコン」があらかじめ専用データ付きで付属していた。インタークーラーも不要で、価格も非常にリーズナブルだったという。

平成から令和へ! フルレストアと200馬力化で蘇る

一通りのカスタマイズを終えたあとは大きく手を加えずに乗り続けていたが、車齢が20年を過ぎると劣化が目立ち始めた。かといって乗り換える気もさらさらなかった玉上さんは、思い切ってフルレストアを決意する。

内装も外装もいったん丸裸にしてサビをすべて落とし、ボディカラーは元の赤から、現行ND型ロードスターの純正色「セラミックメタリック」へと変更した。

「あわせてエンジンの仕様もバージョンアップさせました。タービンは三菱重工業製のTD04HLに換装し、以前よりもハイパワー化を実現しています」

インジェクターや燃料ポンプの容量も増強し、ターボとの相性を考えながらエンジン内部にもメカチューンを施した。当初は装着していなかったインタークーラーも取り付け、耐久性を重視したセッティングながらノーマル比70ps増となる200psを達成している。この大がかりなフルレストアは、奇しくも平成から令和へと切り替わった2019年に実施された。

30年間ノートラブルの秘訣と、お助けセットの常備

驚くべきことに、玉上さんが所有してからの約30年間、大きなトラブルは皆無だという。

「NA系ロードスターの弱点を徹底的にリサーチしたうえで、予防整備に手間をかけているからです」と玉上さんは分析する。

しかし古いクルマだけに、急なトラブルに見舞われる可能性も少なくない。そこでトランクには、ブースターケーブルや牽引ロープに加え、ドライバーセットなど基本的な工具を常備している。これは何か起きても可能な限り自分で対処するための備えであると同時に、ツーリングに出かけた仲間たちを助ることにも直結する。実際この日も、会場で玉上さんの「お助けセット」が大いに役立っていた。

そんな玉上さんが今後見据えるのは、愛車の継承だ。イベントへ一緒に参加することも多い息子の柊真さんに受け継いでもらうため、これまでにも増して入念なメンテナンスを心がけ、コンディションを維持したいという。

ドイツ語で「贈り物」を意味する名を与えられたミアータ。30年ものあいだ深い愛情を注がれ、父から子へと引き継がれるこの名車にとって、玉上家の家族の一員であり続けることこそが、なによりの「報酬」なのかもしれない。

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