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プロ顔負けの10年掛けたDIY内装! オーナーの愛情こもったメルセデスベンツ「190SL」とのストーリー

メルセデスベンツ 190SL:芝生広場に集まった名車のなかでも、ひときわエレガントな存在感を放っていた

秘密は10年がかりのレストア作業! 名車の弟分に注がれたオーナーの深すぎる愛情

南アルプス市のフモット南アルプス内にある芝生広場で「クラシックカーミーティング in 山梨南アルプス」が開催され、会場には100台を超える旧車が集結しました。今回はそんな会場のなかから、流麗なボディを持つオープン2シーター、メルセデスベンツ「190SL」を紹介します。プロ顔負けのDIYで内装を仕上げ、15年間乗り続けているオーナーの愛情がたっぷり詰まった1台をレポートします。

10年越しのレストアで輝きを再生させたメルセデス・ベンツ190SLとオーナーが歩んだ15年の軌跡と愛情

クラシックカーミーティング in 山梨南アルプスには、国産旧車だけでなく数多くの外国車が集まった。そんななかで気になったのが、美しいボディを持つ丸目ヘッドライトのメルセデスベンツ 190SLだ。

最近はイベントでもあまり見かけなくなってきた貴重な車両ながら、ボディや内装も含めてピカピカな状態だ。さっそくオーナーの松沢さんにお話を伺ってみた。

「このクルマの前に、このあとのモデルになるW113型の250SLに10年ほど乗っていたのですが、あまりボディの状態は良くなくて。その反動でボディの状態が良い車両を探すことにして、今から15年ほど前にこの1960年式の190SLに乗り換えました。購入してから最初の10年間くらいは内装の張り替えや各部のパーツのリクロームなど、レストア作業に費やして今の状態になりました。仕上がりにはかなり満足しています」

ガルウイングの元祖「300SL」の弟分として誕生し北米を魅了、歴史を彩ったベンツ190SLの気になる系譜

メルセデスベンツの「SL」は、ドイツ語のSuper Leicht(超軽量の意味)の頭文字で、現在ではオープンカーのイメージが強いが、1954年に発表された初代モデルはガルウイングドアを備えたクーペボディのW198型 300SLからスタートしている。

この300SLはレースで活躍したマシンをベースに当時の最先端技術を詰め込んでいたため、非常に高価だった。そのことから、同時に一般向けに1900ccエンジンを搭載したオープンボディのR121型 190SLがリリースされた。この190SLの誕生に大きく貢献したのが、当時北米市場で絶大な影響力を持っていたインポーターのマックス・ホフマンだ。「陽光あふれるアメリカ西海岸では、絶対にこの手のオープンカーが売れる」という彼の強烈な働きかけにより市販化が実現したという歴史的背景がある。

今回紹介するのは、このR121型 190SLの1960年式となる。外観はW198型を彷彿とさせるボディラインを採用しつつ、中身は既存のW121型のコンポーネントを使い、1900cc直列4気筒と4速マニュアルトランスミッションを搭載。価格を抑えたことで、W198型よりも商業的には成功したと言われている人気のモデルだ。

オーナーが10年掛けて愛を注ぎ込んだプロ顔負けのDIYのブラウン内装は「世界にひとつ」だけの190SL

もともと松沢さんが入手したときは赤い内装だったそうだが、ブラウンレザーの内装キットを入手してDIYで張り替えている。このキットはシートやドアパネルはもちろん、ダッシュやトップカバーなども含まれたフルキットとなっている。また、シートは裏からステッチ部分を引っ張るなど本格的な作業をすることで、プロ顔負けの仕上がりとなっている。

ちなみにダッシュ下の吊り下げ式クーラー吹き出しユニットは、本来黒のプラスチック地となるが、内装に合わせてブラウンの近似色でペイント。違和感なくダッシュと一体化した雰囲気となっている。

「古いメルセデスベンツは高いですがパーツも手に入るし、修理もできるので、今でも趣味としていい状態で乗ることができるのが最大の魅力ですね。今の状態には満足しているので、今後はこの状態のままずっと維持していきたいです」

松沢さんが10年という歳月をかけて自らの手で縫い上げたブラウンレザーのインテリア。それは、どんなに高価なプロのレストアにも勝る、世界にひとつだけの特注品だ。当時のメルセデスベンツが掲げた「SL(Super Leicht=超軽量)」というコンセプトとは裏腹に、この190SLには松沢さんの計り知れないほど「重い」愛情が、たっぷりと詰め込まれているのである。

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