美しいグラフィックをまとったレース仕様のEGシビック
1991年にデビューしたホンダの5代目EG型「シビック」は日本だけでなく海外にもファンが多く、JDMブームと相まって今なお多くのカスタムカーが製作されています。今回は鮮やかにラッピングが施されたレース仕様のEGシビックを紹介。じつはルックスや雰囲気重視のドレスアップではなく、シビックのワンメイクレースに参戦している現役のマシンなのでした。
シビックワンメイクのレースで活躍する現役のEGシビック
大阪オートメッセ2025(OAM)の、他のイベントにはあまりない名物といえば、大阪環状族にルーツを持つ派手なグラフィックの古いレーシング・シビックたち。今年のOAM会場にも色鮮やかなカスタム・シビックが数多くエントリーしていた。
そんな中で気になった1台が、この鮮やかなグラフィックがボディ全体に入ったホンダEG6型「シビック」だ。車内には本格的なロールケージが入る競技専用車両のようで、美しいグラフィックとは裏腹に後部の内装は取り払われ、なにもない状態だ。気になる内容を、SAMURAI代表の大東さんに伺ってみた。
「このクルマはセントラルサーキットや岡山国際サーキットなどでシビックオンリーのワンメイクレースをしている現役の競技車両です。レギュレーションがあるので、エンジン本体はほとんどノーマルで、ボディも大幅な形状変更はしていません」
ノーマルのシルエットに近いシンプルなボディが魅力
ベースとなったのはEG6型シビックSiRで、外観は純正フロントバンパーにカーボンリップを装着し、純正フロントフェンダーの後部を加工、さらに純正よりも若干大きなカーボン製のルーフスポイラーを装着している程度で、ほとんどノーマルのシルエットをキープしている。
ただし軽量化のために、フロントフードやルーフパネル、リアゲートなどはカーボン製に置き換えているほか、ドアも純正のスチール製ながら、ビームを抜いて軽量化しているそうだ。
ちなみに元色は濃いレッドだったそうが、ボディ全体に入るグラフィックは、ラッピング部門を持つ自社でデザインから施工まで全てを行っているそうだ。完成度の高いグラフィックにはちゃんと理由があったのだ。
足まわりからブレーキまであらゆる部分に手が入る
足まわりはゼロファイターの車高調を装着したサーキット走行用のセッティングとなっているそうで、さらにフロントブレーキにはENDLESSのキャリパーを装着している。これにホイールは15インチのボルクレーシング TE37Vの10周年記念モデルで、競技用の195/55R15サイズのDIREZZA 03Gタイヤを組み合わせている。
前述のとおり、搭載されるB16Aエンジンは1.6Lのままカムの交換とバルタイ調整程度ながら、吸排気系や冷却系などさまざまな部分に手が入れられている。トランスミッションも純正のギア比のままながら、ファイナルをローギアード化したうえでLSDを組み込んでいる。
こうして中身は本気のレースカーながら、美しい外観を持つEG6が完成したというわけだ。この車両は今も現役でレースに参戦しているそうで、SHOW & RUNを実践する1台なのだ。
