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「ハコスカ」に「R32GT-R」エンジンを搭載! 解体寸前から救ってセダンをバンに改造しました

猫のマークのマーシャルのヘッドライがヤンチャな印象だ

ボロボロのハコスカに一目惚れして購入

解体寸前のハコスカに一目惚れして思い切って購入したという藤波太祐さん。ボロボロの状態から、ハコスカのセダンをバン仕様に改造したというオーナーに詳しく話を伺ってみたので紹介しよう。

セダンをバンに大胆チェンジ

現在、37歳の藤波太祐さんは、自宅のそばに置いてあったハコスカを見て一目惚れ。ただ、旧車は昔から大好きだけど、トラブルが怖いし、キャブのセッティングとかも良く分からなくてめんどくさそう……と思っていた。

そんな時に、たまたま解体寸前のボロボロのハコスカを発見。それを眺めながら色々と考え、レストアついでに、エンジンをL型キャブからインジェクション仕様のRBエンジンにすれば、ラクに乗れて楽しめるクルマが作れるかもと、そんな想像を膨らませたら、実際にやりたくなり、朽ち果てそうなハコスカを思い切って購入。自分が考える新たなスタイルを目指して製作をスタートさせた。

テーマは懐かしさと速さと使い勝手の両立だった。だが、ベースは思っていた以上にボロく、リアも朽ち果てる寸前。そこで、ボディ修復からはじめるわけだが、どうせ作り込むなら、ちょっと珍しいハコスカバン仕様にした方がセダンよりも使い勝手が良くて便利かも……と思い立つ。そこで、大胆にもセダンをベースにバン化を進め、ドンガラのボディに大幅な加工を加えてハコスカバンを完成させてしまった。

バン化に伴って装着させている部品については、様々な業者からかき集めた純正品をセット。あえてアフターパーツにするのではなく、見た目はなるべく純正スタイルとして製作した。

一番大変だった箇所は、すべて見えない部分にあるとのこと。とくにマニアックなポイントがサイドシルで、旧車の場合はサイドシルが丸見えなのが普通だが、このハコスカバンの場合はF50シーマ純正用を加工してつなぎ合わせているため、サイドシルが見えない。おそらく、同じハコスカ乗りでも気が付かないかもしれないが、「実はこういう細かいこだわりがこのクルマにはたくさんあるんです」と藤波さんは説明してくれた。

GT-Rのエンジンを搭載

また、エンジンはRBユニット搭載を決めていたが、どうせ載せるならRB20/25ではなく、GT-R搭載のRB26DETTが良いと考えた。

古いクルマゆえに、パワーがあるエンジン搭載はクルマにかかる負担も大きくなるが、そこはしっかりボディ補強を加えて積むことを決意。RBシリーズ最高峰のターボエンジン搭載はやはり魅力的。そんな理由から、エンジン、トランスミッションはGT-R用を流用し、その他、駆動、パワートレインについても、この仕様に耐えうるだけにマージンを与えた強化パーツを組んでいる。

エンジン本体は2.6Lのままだが、タービンはIHI製RXタービンに交換。純正ツインターボからビッグシングルターボ仕様となったことで、インジェクターも大容量タイプに変更し、もちろん燃料ポンプも含めてアフターの強化パーツを使い、エンジンマネージメントは、HKS製F-CON V Proで制御させている。パワーは正確に測ったことはないが約450ps以上は出ている計算だという。

インプレッサの足まわりを流用

また、パワーアップに伴って、走りについても純正サスペンションのままでは不安定なので、こちらも現代仕様にグレードアップ。組み合わせたのは通常サスペンションではなく、加工を加えて装着させたインプレッサ用の社外サスペンションキットというから面白い。あまり聞かない組み合わせなので、おそらくこのクルマ専用設計ということになるだろう。

それ以外では、あくまでも趣味のクルマとしての作り込みなので、フロアには純正同様にカーペットを敷いてダッシュボードも純正を補修してセット。前後シートはBRIDE生地を使って張り替えているのもポイントだ。

今後の予定は、夏場でも普通に乗れるようにエアコン搭載仕様にすること。また、ブレーキもパワーに対して不安があるので、キャリパー&ローターも強化する予定とのことだ。

それにして、ハコスカセダン改バン仕様のRB26DETTエンジン搭載とは、旧車好きならずとも注目の1台だ。

外装も綺麗に作り込み、見事に復活させたハコスカバンにはオーナーの情熱を強く感じる。藤波さんに普段はどのような使い方をしているのか尋ねてみた。

「もともと普段乗りするために作ったので、街乗りもしますが、たまにキャンプ道具を載せて旅にも出かけます」とのこと。ハコスカバンでのアウトドアライフ!!  それもまたお洒落でカッコ良すぎるライフスタイルだ。

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