新たに立ち上がったネオクラシックイベントで輝きを放つ前輪駆動の二代目ロータス エランって!?
古くからいくつものヒストリックカーイベントが開催され、「クラシックカーの街」として知られているのが新潟県糸魚川市です。そんな糸魚川市で2025年11月、1980年代から2000年代の「ネオクラシック」を中心とした新しいイベント「第1回糸魚川クラシックスポーツカーフェスタ2025」が初開催されました。時代の移り変わりとともに変化する旧車趣味の現在地と、会場でひときわ異彩を放っていた1992年式ロータス「エラン」のオーナーに迫ります。
時代とともに変化する「クラシックカー」の定義とネオクラシック&ヤングタイマーの新たな台頭
我が国でヒストリックカーイベントが急速に盛んになり始めた1980年代。当時「旧車イベント」といえば、1960〜1970年代のクルマがその主役であった。
しかし今や西暦2025年。2000年式のクルマでも、すでに25年も前に製造された計算になる。時代の流れとともに、昨今では「ネオクラシック」などと呼ばれる、1980〜2000年ごろまでに製造されたクルマが参加できるイベントも増えてきた。
そんな旧車趣味界隈の状況にも則したかたちで今回初の開催となったのが、この「第1回糸魚川クラシックスポーツカーフェスタ2025」というわけである。
初代以上に希少なFWDを採用した2代目ロータス エランの心臓はいすゞジェミニの1.6ℓDOHC!
年式の縛りは緩やかではあるが、イベントの名称からもわかるとおり、参加車両は基本的にはスポーツカー限定だ。とはいえ、セダンから派生したハードトップやクーペであっても、主催者が認めたものであれば純粋なスポーツカーでなくとも参加が可能となっている。
そんなバラエティに富んだエントラントのなかで目に止まったのは、1台のロータス エランだ。エランといっても、1962年にデビューした有名な初代(タイプ26)ではない。いまや初代以上に目にする機会が少ないのではと思われる、1990年にデビューした2代目エラン。「M100」と呼ばれるFWD(前輪駆動)のほうである。
さらに特筆すべきは、その心臓部だ。当時のGM傘下という時代背景もあり、いすゞ製の1.6L直列4気筒DOHCエンジン(ジェミニなどに搭載された4XE1型)をロータスが独自にチューニングして搭載するという、旧車ファンの知的好奇心をくすぐる数奇なバックボーンを持っている。
スポーツカーとオープンが好きなオーナーの車歴は「すべて屋根なし」車という偏愛旧車ライフ!?
「趣味のクルマはこの1992年式のエランSEと、フォルクスワーゲン ビートル1303のカブリオレの2台です。このイベントは年式の縛りがないので、エランでエントリーを果たせました」
そう語るのは、オーナーの後藤大洋さん。このエランを手に入れたのは4〜5年ほど前だそうだが、それまでの車歴を伺うと、かつては初代NAロードスター、ジムニーやパジェロにも乗っていたとのこと。
「すべて屋根なしですね。スポーツカーとオープンが好きなもので」と後藤さんは笑う。
じつは後藤さんは、今回のイベントにも協力した地元の「糸魚川クラシックカークラブ」の主要メンバーのひとりだ。毎年9月に開催される恒例のイベント「日本海クラシックカーレビュー」でも、長年運営スタッフの一員として活躍されている。
FR至上主義の時代に生まれたFFハンドリングカーM100エランは当時「もっとも安全に速く走るクルマ」!
「9月の日本海クラシックカーレビューでは毎年手伝いで忙しく、そもそもM100エランは年式的にもエントリーできませんでしたから、今日は晴れて堂々の参加です」と後藤さんは語る。
M100エランのデビュー時、自動車評論家筋からは「公道上のA地点からB地点まで、もっとも安全に速く移動できるクルマ」と、そのハンドリングに対する評価は非常に高いものだった。しかし当時はまだ、「スポーツカーといえばFRに限る」といった考えが根強かった時代でもある。
それでも後藤さんは、「前輪駆動のスポーツカーということには、とくに抵抗はありませんでした。実際に乗ってみると、ともかく楽しいクルマですよ」と、エランとの生活を満喫している。
そんなM100エランもすでにデビューから30年以上が経過した。その希少性だけでなく、十分に「クラシックスポーツカーフェスタ」の主役級の1台であることは間違いないだろう。
