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「初めて買った愛車にもう一度乗りたい」メルセデス・ベンツ「S600L」を現代仕様で蘇らせた夢

メルセデス・ベンツ S600L:フロントまわり。ロリンザー製バンパーとBBS「スーパーRS」が、W140の重厚な面構えに現代的な表情を加えている

初めての外国車をもう一度。現代仕様で蘇らせたメルセデス・ベンツ「W140 S600L」

ビジネスで成功を掴んだオーナーが、若き日に人生で初めて手に入れた1台へもう一度乗りたい。その夢を叶えたのが1994年式のメルセデス・ベンツ「S600L」だ。5987ccのV12を積む当時の頂点を、福岡県福岡市のECスペックが威厳を保ったまま現代の楽しめる姿へ仕立て直した。手をかけた1台が語りかけてくるものとは。

1994年式W140型メルセデス・ベンツ「S600L」はどんなクルマなのか

妥協なき開発のためなら高コストも販売価格の高騰もいとわない。「最善か無か」という社是を徹底していた80〜90年代のメルセデス・ベンツが、いま改めて注目を集めている。その象徴が今回取り上げるS600L(W140型/1994年式)だ。

搭載するのは排気量5987ccのM120型V12気筒エンジン。当時のSクラスで頂点に立つ最高グレードだった。W140型は「最善か無か」という理念のもとで造られた最後のモデルと評される。 後継のW220からは、品質とコストの狭間での苦悩が見られるとされ、W140こそが妥協を排したメルセデスの終着点といえる。全長5mを超える堂々たるボディに、当時最先端の技術と装備が惜しみなく注ぎ込まれた1台である。

ECスペックがオーナーの夢を叶えた車両探しからモディファイまで

この個体は、オーナーの強い思いから始まった。若かりしころ、ビジネスに集中し、その成功の証しとして人生で初めて手に入れた輸入車。あのクルマにもう一度乗りたい。その夢を叶えるために動いたのが、30年以上にわたって欧州車に携わってきたECスペックだ。

車両探しから整備、モディファイまでを一貫して手がけた。車両プロデュースを担当したのは代表の井口さん。単に程度のよい個体を見つけるだけでなく、S600Lが本来もつ威厳と上質感を保ちながら、現代でも気持ちよく走らせられる状態へと組み上げた。単なるレストアではなく、オーナーの記憶と趣向を1台に落とし込む作業だった。

ロリンザーとBBS、ビルシュタインで仕上げたW140型S600Lのモディファイ内容

外装の骨格を決めているのはロリンザーだ。フロント、フェンダー、リアバンパー、そしてマフラーカッターまでをロリンザーで統一している。 すでに絶版となっているため、当時人気だった社外品の入手は年々厳しくなっている 。それだけに、フルセットでまとめた価値は高い。

ホイールにはBBS「スーパーRS」を採用。フロントが20インチ×8.5J、リアが20インチ×9.5Jというサイズだ。ただしこのホイールはP.C.D.114.3の現行国産サイズで、メルセデス純正のP.C.D.112とは規格が合わない。そこで特注の変換アダプターを製作して装着した。センターキャップはオーナーの自作である。

足まわりはビルシュタインとザックスのサスペンションを併用してローダウン。全長5mを超える重厚感を損なわない絶妙な低さを追い込んだ。今後はKW製「V3クラシック」への変更も予定している。ブレーキはブレンボへ換装し、フロントに380mm、リアに355mmのローターを組む。

内装は年式相応の劣化が見られたため、大幅にリファインした。天井やドアの内貼りはアルカンターラで張り替え。経年劣化していた純正本革シートは2種類のレザーを使って仕立て直し、センター部にはダイヤカット柄のパンチングメッシュを採用した。木目パネルは純正のウォールナットからブラックバーズアイへ変更し、内装全体の色合いを引き締めている。純正カセットデッキは取り外し、代わりにモニターを設置した。

1994年式のS600Lという素材に、井口さんとオーナーの美意識が丁寧に重ねられている。オリジナルの威厳を崩さず、それでいて現代の道具として楽しめる1台へと磨き上げられた。手をかけた分だけ、クルマは応えてくれる。30年越しの夢を形にしたこのW140型は、これから先もオーナーとともに時間を重ねていくのだろう。

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【ECスペック】

■住所:〒810-0064 福岡県福岡市中央区地行3丁目26-62
■TEL:092-406-1414
■HP:https://www.ec-spec.jp

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