過酷な86&BRZワンメイクレースが開幕!


スーパーGTドライバーも参戦!
強豪ひしめくプロフェッショナルシリーズ

2017年4月1〜2日にトヨタ86とスバルBRZだけで争うワンメイクレース「TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race」開幕戦が、栃木県・ツインリンクもてぎで行われた。
このレースには、国内A級ライセンスがあれば誰でも参加可能で、参加車両はナンバー付きに限られている。また、プロフェッショナルシリーズとクラブマンシリーズに分けられている。
今回紹介するプロフェッショナルシリーズには、スーパーGTに参戦する有名ドライバーも含まれ、まさに超激戦区となっているのだ。その速さは圧倒的だった。2017年のTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race開幕戦は、2016年のシリーズチャンピオン#1佐々木雅弘選手(小倉クラッチREVO86BS)が予選・決勝を通じて、ひとり飛び抜けた速さを見せつけて優勝を飾った。コースレコード付きのポールポジション、ファステストラップも当然ゲットしている。

今シーズンからレギュレーションがいくつか変更を受けたが、プロフェッショナルシリーズ最大のポイントが「マイナーチェンジ後車両に限定する」「公式予選・決勝レースに使用するタイヤは未使用タイヤに限定し、公式車検時にタイヤマーキングが施されるまで未使用状態を保つこと」の2点だろう。

全マシンが一新され新たな開発が必要
タイヤの加工禁止で同条件に徹底化

ビッグマイナーチェンジ後車両、つまり後期型(E型)に限定されたことで、プロフェッショナルシリーズの参戦車両は全て一新されることになった。
これまで熟成を重ねてきたマシンたちは姿を消し、全てのチームとドライバーはゼロから新しいマシンを仕立てなければならない。
後期型ではボディ剛性も変更され、ファイナルギヤレシオも低くなり、サスペンションで唯一ノーマルのまま使うことになるスタビライザーも変更されている。去年までのノウハウがそのまま生かせるものではない。

未使用状態のタイヤというのは、つまり一度もクルマに装着して走行していない、ということだ。
タイヤのトレッド面はオイルで黒光りし、製造時に出来てしまうバリが残った状態で、車検場まで台車で運ぶ必要がある。
これまでタイヤについては「加工しないこと」というレギュレーションは存在したが、グレーゾーンだった。走行したタイヤは当然磨耗し、そうした中古タイヤと加工したタイヤを明確に区別することは難しかった。そこでレギュレーションによって未使用に限定することで、加工することを完全に排除することにしたわけだ。

「加工」というのは、具体的に新品のタイヤを削ることだ。
市販車用タイヤはトレッド面が厚く、サーキット走行するとブロックの動きが大きく、発熱が大きくなる。その熱でオーバーヒートした状態になると、タイヤのグリップが失われてしまうのだ。つまりタイヤの発熱を抑えるために削る必要があるわけだ。

つまり、マシンもタイヤも、去年までのタイヤのデータやノウハウが、ほとんど役に立たなくなる。2017年シーズンは、リセットされた後の再スタートのシーズンといっていいだろう。

しかし、それでも昨年のチャンピオンは強かった。予選では2位#97近藤翼選手(神奈川トヨタ☆DTEC86R)に1秒085もの大差を付けて、コースレコードでポールポジションを獲得。
同じタイヤを履くとは思えないタイム差だ。ちなみに昨年の開幕戦では極めて対照的に、ポールポジションから1秒以内に18台が入るという予選だった。

大きな差はミスがなければ覆せない。「とにかく普通にやればいい、普通にやれば失敗しないはずだと、思ってスタートしました」という佐々木雅弘選手は、クリーンなスタートを決めた。
1周目で1秒200、2周目で1秒644、3周目には2秒526、4周目に早くもセーフティマージンである3秒641にまで、2位近藤翼選手との差を拡げていった。唯一の2分18秒台でファステストラップを獲得して、見事なポール・トゥ・ウインを決めた。
3位にはオープニングラップで#88井口卓人選手(CG ROBOT BRZ BS)を交わした#31青木孝行選手(ケーエムエスフェニックス86)が入った。

優勢なブリヂストン装着車に
ヨコハマタイヤで食い入る谷口選手

ブリヂストン勢の優勢は明らかで、予選では上位9位まで、決勝レースでは上位6位までを独占してみせた。

上位陣はそれほど大きな順位の変動なく、決勝レースを終えた。
その中で注目を集めたのは#82谷口信輝選手(KTMS 86)だった。全く開発の進んでいないヨコハマタイヤで、予選で2分18秒台へ入れ、ブリヂストンユーザー以外ではトップタイムをマーク。
このタイム自体、周囲の予想を上回るものだった。そして決勝レースでも見事7位を獲得。中盤に埋もれてしまった昨シーズン後半から、確実に上昇傾向にあるといえそうだ。

完全勝利をつかみ取った佐々木雅弘選手は自身の速さについて、「ボクは他の誰よりもクルマを走らせていますからね。1月からブリヂストンのテストを含めて、かなり走り込んでいます。その中でいろいろなことを試すことができたし、誰よりも後期のことを判っているんです」と自己分析してくれた。

そうした分析を裏付ける声もある。昨シーズンの後半戦で強さを見せた井口卓人選手は「まだまだ準備不足で、やるべきことはたくさんあります。そういう状況の中で5位でレースを終えることができたし、上出来だと思います」と明るい。これから先のマシンの煮詰めで、十分に佐々木雅弘選手を追い詰めることができると確信しているようだった。

TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 2017 第2戦は、大分県のオートポリスで5月7日(日)に予選・決勝レースが行われる予定だ。

なお、第1戦ツインリンクもてぎの模様は、MOTOR GAMES TV<http://www.motorgamesjapan.com/motor-games-tv.html>で、4月24日(月)21:00〜観ることができる。

 

TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race「第1戦ツインリンクもでぎ」Result

Pos.

No.

Driver

Time(Delay)

Car

Best Time

Tyre

1位1

佐々木雅弘

23’29.502

小倉クラッチ REVO86BS

2’18.770

BS
2位97

近藤 翼

(2.232)

神奈川トヨタ☆DTEC86R

2’19.214

BS
3位31

青木孝行

(4.313)

ケーエムエスフェニックス86

2’19.548

BS
4位770

山田英二

(5.888)

CUSCO BS 86

2’19.833

BS
5位88

井口卓人

(6.826)

CG ROBOT BRZ BS

2’19.764

BS
6位87

久保凜太郎

(7.553)

CG ROBOT BRZ BS

2’20.738

BS

*Fastest Lap:#1 佐々木雅弘 2’18.770 (2/10)

Driver’s POINT

Pos.No.DriverPoint
1位1佐々木雅弘22
2位97近藤 翼15
3位31青木孝行12
4位770山田英二10
5位88井口卓人8
6位87久保凜太郎6

(レポート:岡村神弥 撮影:服部真哉)

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