アマチュアクラスが大盛況!86&BRZワンメイクレース開幕


前期型と後期型が混走するクラブマンシリーズ
タイヤチョイスなど勝利への方程式は未知数

2016年のビッグマイナーチェンジによって、トヨタ86&スバルBRZが進化を果たした。
6速MT車は207psへとパワーアップしたエンジンと、4.100から4.300へと低められたファイナルギヤレシオが与えられた。
当然、トヨタ86&スバルBRZのワンメイクレース「TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race」用のベースマシンも同様な変更を受け後期型となったのだが、そのレースへの参戦解禁は2017年以降となっていた。

アマチュアドライバーで競い合う「TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race」 クラブマンシリーズの2017年シーズンは、その前期型と後期型の混走となる。

果たして200ps+4.100ファイナルの前期型と、207ps+4.300ファイナルの後期型で、どのような戦いになるだろうか??  スペックだけでいえば前期型に勝ち目はないだろう。7psのパワーアップよりも、約5%低いファイナルギヤレシオの効果のほうが大きそうだ。

しかし、物事はそれほど単純ではない。実際に前期型に4.300ファイナルを与えたマシンをテストした結果、富士スピードウェイではギヤ比がマッチする4.100ファイナルのほうが速く、おそらく鈴鹿サーキットでも同様な結果になることが予想されている。

プロフェッショナルシリーズのような「未使用タイヤ限定」といったレギュレーションは、クラブマンシリーズには採用されていない。
これは自走でサーキットに来るドライバーが少なくないためで、走って来たタイヤでそのままレースに出場することが可能になる。つまり、参加者の負担を増大させないためだ。

クラブマンシリーズのタイヤは、2015年の開幕からブリヂストン・ポテンザRE-71Rが圧倒的な性能を誇り、大部分がRE-71Rを使用してきた。
しかし2016年後半戦に、ライバルであるヨコハマタイヤがアドバンA052を登場させた。後発であるA052は、当然RE-71Rよりも高い性能を追求している。
結果として、ドライバーの多くはテストしてみてA052が好評だったが、しかしレースではRE-71Rが2016年の最終戦まで勝利を重ねていた。

前期型 vs 後期型、ブリヂストン vs ヨコハマタイヤ。その対立図式がどうなっていくのか?? それがシーズン当初の注目ポイントである。

クラブマンシリーズには58台が参加
プロ顔負けの激しいレース展開

2017年4月1〜2日。栃木県ツインリンクもてぎで開催された「TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race」 第1戦のクラブマンシリーズにエントリーしたマシンは59台。予選は2組に分けて実施され、上位45台が決勝Aレース、下位14台が決勝Bレースへと進む(上の写真はBレースの表彰式)。

ドライバーラインナップを見ると、2016年のシリーズチャンピオンを獲得した松原怜史選手の名前がない。そうなると常にトップグループで戦ってきた#600小野田貴俊選手(ネッツ東埼玉ワコーズED86)がチャンピオンの本命に違いない。
しかし昨年シリーズランキング2位となった#75手塚祐弥選手(栃木スバルBSBRZ P.MU)、そして今シーズン、プロフェッショナルシリーズからクラブマンシリーズへと鞍替えした#38神谷裕幸選手(N中部ミッドレススノコ86)、レース参戦2年目となるジムカーナ界のレジェンド#771菱井將文選手(CUSCO BS 86)も間違いなく上位争いに絡むに違いない。
#703花里祐弥選手(埼玉トヨタ・エンドレスYH86)や#121今橋彩佳選手(トミカネッツ兵庫86R)といった昨年の新人も、今年はさらにレベルアップしていることだろう。

1分19秒台のコースレコードを記録
ポールシッターが逃げ切りを果たせるか

しかし、予選前から注目されたのは#84橋本洋平選手(カーウォッチBS86REVO)だった。
昨年までの完全なプライベーターとしての参加とは異なり、今シーズンはプロフェッショナルシリーズの2016年シリーズチャンピオンである佐々木雅弘選手とチームメイトとなった。元々ドライビングやセッティングなどについてコーチングを受けていたが、その関係がさらに深まった形だ。
実際、佐々木雅弘選手のセッティングデータを参考にすることで、橋本洋平選手は速さを見せていた。

公式予選1組、単純にカーナンバー順に交互に振り分けた結果、強豪ドライバーが集まった。
橋本洋平選手はただひとり1分19秒台のコースレコードをマークし、トップタイム。2位の神谷裕幸選手との差は0秒989という、大きな差となった。3位に菱井將文選手、4位が手塚祐弥選手と並んだ。

公式予選2組では、予想通り小野田貴俊選手がトップタイムとなったが、そのタイムは2分20秒131。橋本洋平選手との差を単純に比較すれば1秒050のビハインドとなった。2位に花里祐弥、3位には#333古田岬選手(R-SPEC姉崎ルブテック86)が入った。

この結果、予選1組が奇数グリッド、予選2組が偶数グリッドとなった。橋本洋平選手のポールポジション獲得は昨年の第2戦岡山国際サーキット以来、約1年ぶりだ。

決勝レースのスタートは、ほぼグリッド順で周回が始まった。
ポールポジションの橋本洋平選手が1周目で0秒832の差を付け、このまま抜け出すのかと思われた。しかし2周目には0秒111と、小野田貴俊選手にピタリと背後に着かれた形に。
強いプレッシャーをかける小野田貴俊選手に対して、巧みにブロックする橋本洋平選手。その超接近戦は緊張感あふれるものだった。

しかし8周目、5コーナーからの立ち上がりで橋本洋平選手が痛恨のシフトミス。小野田貴俊選手だけでなく、神谷裕幸選手にも抜かれて3位へ。何とか挽回しようとアタックしたものの、レースはその順位でフィニッシュとなった。
4位にはファステストラップを出していた花里祐弥選手が入るものと思われていたが、ファイナルラップの最終コーナー立ち上がりでスピン。7位へと順位を落した。また手塚祐弥選手はエンジンコンピューターのトラブルによってパワーを失い、13位でレースを終えている。

小野田貴俊選手は昨年は未勝利だったので、2015年第6戦以来となる1年半ぶりの久々の優勝。この勝利はヨコハマタイヤにとっては、2015年に始まったクラブマンシリーズ初の優勝となった。

注目された前期型と後期型の戦いは、トップ10では小野田貴俊選手をはじめとした5台が前期型となり、今のところは五分五分となっている。これから熟成が進むはずの後期型に、前期型はどこまで対抗することができるのだろうか??

小野田貴俊選手はこう分析する。「レース前から、前期型と後期型はどっちが速い?? みたいな話しになっていましたが、マシンの差は感じないですね。タイヤに関しては、ボクも神谷選手もまだ余裕があったと思います。ブレーキも、導風板が導入されたことで、楽になりましたね。去年まで中盤以降は大変でしたから」

そういう意味では、2017年のレギュレーション変更は、ドライバーにとってもレースを楽しめる方向へと進化させたようだ。

TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 2017 第2戦は、大分県のオートポリスで5月7日(日)に予選・決勝レースが行われる予定だ。

なお、第1戦ツインリンクもてぎの模様はMOTOR GAMES TV<http://www.motorgamesjapan.com/motor-games-tv.html>で、4月24日(月)21:00〜観ることができます。

TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 2017 第1戦 クラブマンシリーズ 決勝A

Pos.No.DriverTime(Delay)CarBest TimeTyre
1位600小野田貴俊23’40.778ネッツ東埼玉ワコーズED862’20.424YH
2位38神谷裕幸(0.650)N中部ミッドレススノコ862’20.501YH
3位84橋本洋平(1.472)カーウォッチBS86REVO2’20.864BS
4位771菱井將文(3.044)CUSCO BS 862’20.631BS
5位333古田 岬(8.581)R-SPEC柿崎ルブテック862’21.331
6位710朝日俊光(10.087)ラルグ水戸862’21.328

Fastest Lap #703 花里祐弥  2’20.228 (3/10)

Pos.No.Driverpoint
1600
小野田貴俊21
238神谷裕幸16
384橋本洋平14
4771菱井將文11
5333古田 岬9
6710朝日俊光7

TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 2017 第1戦 クラブマンシリーズ 決勝B

Pos.No.DriverTime(Delay)CarBest TimeTyre
1位12五賀貴男24’18.058SYMS・楡クリ自動車BRZ2’24.583BS
2位564加藤尚之(2.532)岡崎ルネサンス・らんパーク86
2’24.324BS
3位175吉田政美(29.872)YMS☆シティオート862’26.847

(レポート:岡村神弥 撮影:服部真哉)

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