レアなオフローダーと街道レーサー
異なる味付けで2台のアルトを調律
KカージャンルにLUXスタイルをいち早く取り入れるなど、常に新しい手法を見せてくれる「KLC」。
スズキ・アルト(36系)のカスタマイズ手法においては、昨年中旬に上質でオトナ感溢れる“Premium GT”を提案するなど、注目のカスタムブランドだ。
そんな同社が2017年に贈り出す2台がコレ。イメージは街道レーサー&オフローダー。コンセプトがまったく異なる両車だが、どちらも「KLC」の持つブランドセンスを感じることができる。
では、その味付けをじっくりとみてみよう。
古き良き時代のテイストを最新マシンにインストール
「ケーエルシーY’s」とネーミングされた、赤いシャコタン仕様。
おそらくミドル世代の方は、このマシンのモチーフをすでに察したのではないか? そう、70年代の街道レーサーやツーリングカーレースのハコスカGT-Rスタイルをアレンジしたものだ。
「でも若い世代はこういったカタチを知らないからヤン車と思うんじゃないかな。そこで頭文字をとって”Y’s”という名前にしたんです(笑)」とは、KLCの川原さん。遊びゴコロも忘れないところが氏らしい。
NAグレードにワークス用の前後バンパーを流用し、前方にせり出した形状のチンスポイラーをセット。リアにはオーバーフェンダーと若干カチ上げた形状の新作ウイングをおごる。また、ウインドウ枠のクロームメッキモールもクラシカルを盛り上げるための大切なアイテム。実に芸が細かい。
もちろん外装のみならず、室内にもヤンティックなテイストを導入。ダッシュボードやシートカバーには、昭和のカスタムカーやバニングカーの内装生地で定番だった“チンチラ”を採用する。
ステアリングやシフトノブはあえてノーマルだが、すべてに旧車のカスタム要素を取り入れずスッキリと構築。絶妙なさじ加減で構築したクラシカルスタイルは「KLC」のワザが光る1台である。
オバフェン内は”7.5J”ホイールを呑み込む
ホイールはクラシカルメッシュを採用した15インチのスターロード製『GROWSTER』。リム幅はフロント7.0J、リア7.5Jを装着する。
リアでは7.5J幅の深リムホイールを装着するため、足回りは「J-LINE」製アクスルによって、ハイキャンバー仕様に。サスペンションキットは「シュピーゲル」製で、ハードなシャコタンながらも快適な乗り心地を確保した。
ゴールド色のアクスルは魅せるアイテムとしても威力を発揮。ちなみに車高の設定はタイヤ外径とダウン量の双方から見直しをかけ、しっかりとストロークしてくれるようだ。
モチーフとしたハコスカGT-Rと同様に、オーバーフェンダーもリアのみ装着。取り付けは両面テープでOK。ダミーのビスも付属。
フロントのチンスポイラー&リアウイングで武装
ターボRS及びワークス用のバンパーに対応するフロントのチンスポイラー。タッピングビスによる固定方式によりクラシカルなルックスを表現した。
立て気味のリアウイングは旧車の“板っ羽根”を連想させる絶妙ライン。硬派な印象のビス止め仕様はダミービスによるもので、両面テープでの装着が可能だ。
細目のパイプを切り落としたようなデュアルテールが素敵な“Y管”。中間タイコも備え、ご近所さんの迷惑にもならない程よいサウンドに抑えられている。
他にもレーシングラインやゼッケンサークルは、70年代ツーリングレースカーを手本にした。パーツメーカーのステッカー類もクラシカルなロゴでアレンジ。芸が細かい。
チンチラ仕様にクロスバーで街道レーサーをアピール
ダッシュボード&シートは“チンチラ”生地のカバーで統一し、ルームミラーからはサイコロクッションを下げた。瓶のコカコーラは雰囲気作りのオブジェクト!
リアウインドウ越しに見える補強パーツはNeXT製のミラクルクロスバー。スパルタンなルックスだけでなく、リアの剛性を飛躍的に向上させる。
【KLC Y’s HA36S ALTO】
Y’sチンスポ ¥40,000
Y’sフェンダートリム ¥28,000
Y管 ¥75,000
ドアモール ¥18,000
シートカバー 価格未定
足回り Spiegel車高調/Jラインアクスル
タイヤ PIRELLI DRAGON(165/45)
ホイール GROWSTER(F:15×7.0 R:15×7.5)