【工場見学】スプリングに魂をかける純国産の製造現場へ突入 (1/2ページ)

材料から製造まで一貫してこだわる
「タナベ」のメイド・イン・ジャパン

世界からモノづくり大国として一目置かれる、日本。そのプライドを胸に、国産メーカーは日々、モノづくりへ真摯な姿勢で取り組んでいる。
マフラーとサスペンション、ホイールなどの足まわり総合メーカー「タナベ」も、”メイド・イン・ジャパン”にこだわり続ける名門のひとつ。設計から使用する材料、製造までのすべての過程にこだわりを注ぎ込む「タナベ」のサスペンションは、いったいどうやって生まれるのか。
そのスプリングを生産する国内工場に、密着した。
*掲載サイトによっては写真が正しく表示されないことがあります。その場合は本サイトでご覧ください。タナベ TANABE スプリング 工場

 

【1.データ解析・車種別専用設計】

まずは純正ダンパーやスプリング、車重などの使用解析を行ない、タナベが積み上げてきたノウハウを加えて設計がスタート。
テスト品が完成すれば、車種ごとに実装着してフィッティングやダウン量、干渉などの不具合がないかを徹底的にチェック。モットーである安全・安心のみならず、スタイルや乗り心地が最もバランスされたところを追求する。納得のいく設計データが完成したら、いよいよ自社工場での製作へ。タナベ TANABE スプリング 工場

スポーティか、乗り心地優先か。微妙な味付けは、「タナベ」が培ってきた経験とノウハウが最も生かされる場面。安全・安心を確保しながら、求められる味付けを開発陣が数値化する。タナベ TANABE スプリング 工場

 

【2.鋼材】

スプリングにとって一番の要となるのが、鋼材。
強度と乗り心地とを確実に手に入れるためには、そもそもの強度が優秀な素材を使用することが前提となる。高周波誘導加熱処理が施された特別な国産バネ材は、引っ張り強度に優れたものを使用。タナベ TANABE スプリング 工場

 

【3.ハイパーコイリングマシン】

「タナベ」のスプリングは、常温のままで鋼材を成形する冷間成形方式で製造される。
そんな『冷間成形』を可能とするのが、自社工場に備えた「ハイパーコイリングマシン」。国内のアフターメーカーで自社導入しているのは、「タナベ」のみという。タナベ TANABE スプリング 工場

開発から上がってきた車種専用データをマシンへ入力。材料となる鋼材は、マシンのすぐ隣にあるストックヤードに保管され、成形が始まるとここから鋼材が引き出されていく。
毎回、天候や湿度にあわせてデータは調整される。タナベ TANABE スプリング 工場

引き出された鋼材は中枢部に到達し、スプリング状に成形され、強力な刃でカット。線径14mm以上の鋼材を巻けるほど強力だ。タナベ TANABE スプリング 工場

ちなみに、熱間成形はホイールで言えば鋳造、冷間成形は鍛造といったところ。
「タナベ」が採用する冷間成形は、高強度でヘタりにくく、初期反発がゆるやかなスプリングを生み出す。タナベ TANABE スプリング 工場

カットされたスプリングは、熟練の職人がノギスで実測してズレを検証。
気温などのさまざまな要因で生じるズレを解消するためのもので、寸法が決まるまで1本1本チェックし、誤差のあるモノは廃棄処分される。タナベ TANABE スプリング 工場

 

【4.焼きなまし】

スプリングのカタチとなった成形後は「焼きなまし」へ。
もともと1本の線を無理矢理スプリング状に巻いているため、鋼材は元へ戻ろうとするチカラが働く。これに熱を加えることで、固めて落ち着かせるのが目的だ。380度で40分、じっくりと焼きなます。タナベ TANABE スプリング 工場

ベルトコンベアに乗せられて「焼きなまし」が行なわれるマシンへ。炉の前半部分で高温で焼かれ、後半部分で冷却されて作業終了。1日約1000本が処理される。タナベ TANABE スプリング 工場

 

【5.研磨】

スプリングには天面を平らにしなければいけないタイプと、そのままでOKなモノがある。平らにする方は「焼きなまし」後、大型の研磨機にて1〜2時間ほど削られる。
研磨機は片側で一度に12本を研磨できる仕様。反対側にも砥石が備わるため、両側研磨にすれば最大24本を処理できる。

 

たかがスプリング、されどスプリング。
完成までの工程はまだまだ続く……。

【↓次ページに続く↓】


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