日本の平和と安全を守る! 陸上自衛隊が誇る「軽装甲機動車」と「指揮通信車」【画像20枚】

日本の平和と安全を守る! 陸上自衛隊が誇る「軽装甲機動車」と「指揮通信車」【画像20枚】

大阪モーターショーでの展示車両に迫る

 大阪市・インテックス大阪で開催されていた「大阪モーターショー2019」の”はたらくクルマコーナー”では、バスやトラックに混じって、自衛隊の車両も出展されていた。ブースに配置された2台の車両は、めったに見かけることはできないだけに大人も子供も興味津々。1台はイラク派遣などでも活躍したという「軽装甲機動車」。もう1台は、有事の際、作戦の指揮や通信を行なうための「82式指揮通信車」という車両だ。

 どちらも人員輸送を目的とした中型トラックなどの「高機動車(過去記事:自衛隊の和製ハマー)」とは異なり、ヘビーデューティな車体には迷彩色にカラーリング。自衛隊ファンでなくても、一体どんな装備をしているのか? どんな場所で使用されるのか? など、興味は尽きないだけに、自衛隊「大阪地方協力本部」の長谷川裕一主任広報官にお話しを伺ってみた。

防弾装備を採用した機動性に優れる車両

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陸上自衛隊の「軽装甲機動車」と「指揮通信車」とは画像はこちら 幅広ボディにゴツイタイヤ、小さい窓など特徴的なボディを持つのが「軽装甲機動車」。通称”LAV(ラブ・Light Armoured Vehicle)”と呼ばれ、主に普通科部隊や偵察部隊に配備されており、移動や警備に使用されているそうだ。”軽装甲”と呼ばれるのは、小銃弾程度の防弾装備を備えているため。乗員は4名で、最高速度100㎞/hなので、高速道路を走行することもできるという。陸上自衛隊の「軽装甲機動車」と「指揮通信車」とは画像はこちら

 この軽装甲機動車を実際に使用した長谷川裕一主任広報官によると「軽装甲機動車は、平成17年に私がイラク派遣された時に、現地で活躍してくれた車両です。一般の隊員でも扱うことができ、イラク現地では、主に移動や警備時に使用していました。固有の搭載火器はないものの、車体上部に機関銃をセットすることが可能で上部ハッチから上半身を出して射撃することができるほか、ガラスも非常に厚みのある防弾仕様となっています。他にもパンクしても走れる特殊タイヤを装備していますね」。

 運転した感想を聞くと、車重4.5トンもあるので必ずしも機敏ではないものの力強く走ってくれるそう。国内では主に訓練で使用しているそうで、今回の車両は陸上自衛隊の伊丹駐屯地(兵庫県)に所属する個体だ。

「ボディサイドにある”トラ”のイラストは 伊丹駐屯地の第36普通科連隊・第5普通科中隊の軽装甲化機動車化中隊を表しています。5本のラインは第5普通科中隊を意味しており、伊丹周辺ではよく見かける車両ですが、今回の会場となった大阪で見る機会はほとんどないと思います」。陸上自衛隊の「軽装甲機動車」と「指揮通信車」とは画像はこちら

 軽装甲機動車は、東日本大震災の時には原発汚染地域の偵察活動にも使用されたそうだ。装備に関しては機密事項が多いため詳しい話は聞けなかったが、マフラーの位置が通常のクルマより高い位置にあるのは、冠水路や泥水地での走行を可能とするため。ボディに偽装(カモフラージュ)を施すために、木の枝をくくりつけたりするためのフックが車体の随所に取り付けられていた。陸上自衛隊の「軽装甲機動車」と「指揮通信車」とは画像はこちら

 この軽装甲機動車、モーターショーなどのイベントや防災訓練、駐屯地で開催される記念イベントなどで拝見できるそうだ。機会があれば、ぜひチェックしてほしい。

<軽装甲機動車>
全長:約4400mm/全幅:約2040mm/車量:約4500kg/最高速度:100km/h/乗車定員:4名/製作:小松製作所

 

ゴツイボディの正体は指揮通信の作戦指令車

陸上自衛隊の「軽装甲機動車」と「指揮通信車」とは画像はこちら「82式指揮通信車」という、通称”CCV”(Command and Communication Vehicle)は、1982年に陸上自衛隊が初めて採用した国産の装輪装甲車(車輪付き装甲車で製作したのは小松製作所)。主な目的は、有事の際に指揮官が前線で戦闘指揮を行なうためのもので、まず普段お目に掛かることのない車両だが、自衛隊のパレードなどでは、師団長などが乗る車両としても使用されているそうだ。陸上自衛隊の「軽装甲機動車」と「指揮通信車」とは画像はこちら

 長谷川主任広報官によると「有事の際に、指揮官が作戦指令を立てたり、戦闘指揮を行なう時に使用します。車両後方は天井部を高く作られており、会議や指揮、通信ができるスペースが設けられています。公道は走れますが、災害派遣には使用されないので、皆さんの目に触れることが少ない車両と言えるでしょうね。なお、今回の個体は、第3師団司令部がある伊丹の千僧駐屯地に配備されているものです」。陸上自衛隊の「軽装甲機動車」と「指揮通信車」とは画像はこちら

 ぶ厚い装甲を持つ車体は耐弾能力は高く、多少の被弾でも耐えうることが可能。触ってみた感じは、まさに鉄の塊といった感じだ。今回の展示では窓をすべてハッチで覆われていたが、ハッチを開けて走ることもできるので、見た目よりは運転しやすいとか。また、こんなボディ形状のため死角になる部分が多いため、助手席の乗員が運転のサポートをするそうだ。

 我が国の平和だけでなく、国民の生命や財産を守ってくれる自衛隊。災害派遣時を含め、隊員の活躍には本当には頭が下がる思いだ。

<82式指揮通信車>
全長:約5720mm/全幅:約2480mm/全高:約2380mm/最低地上高:約450mm/車両重量:約13600kg/エンジン:水冷4サイクル10気筒ディーゼルエンジン(305馬力)/最高速度:100km/h/乗車定員:8名/製作:小松製作所

【詳しくはこちら】

なお、陸上自衛隊の関するイベント情報は、公式ウェブサイトに詳しい情報が掲載されているので要チェック(https://www.mod.go.jp/gsdf))

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