同じベース車とは信じがたい「凶暴」さ! サソリマークの「アバルト」は「フィアット」の何なのか? (1/3ページ)

同じベース車とは信じがたい「凶暴」さ! サソリマークの「アバルト」は「フィアット」の何なのか?

フィアットをベースに高性能モデルを生み出した

 ある特定のメーカーを得意とするチューニングメーカーというのは多く存在するが、フィアットであればアバルトだ。創始者、カルロ・アバルトの星座に由来かるサソリのエンブレムだけでも刺激的だし、実用車をベースにしてチューニングするという手法は世界中のクルマ好きの心を捉えてやまない。

 詳しい歴史を語りだすといくら字幅があっても足りないので、概要だけにとどめおくが、もともとはオートバイでレースをしたり、メカニックとしてマシン製作をおこなったりしていた。ちなみにイタリア人ではなく、オートスリア人である。第二次世界大戦が勃発した頃に、イタリアへと移住した。カルロ・アバルト(中央)と当時の車種ラインナップ

 終戦直後は幻のメーカーであるチシタリアで働き、1950年頃にアバルトを設立して、独立。チシタリア時代に設計した車両でミッレミリアに参戦し、好成績を収めたことで一気にその名前は広がった。チシタリア202スパイダーのエンブレム

 また、スポーツマフラーのメーカーとして名を上げ、マルミッタ(イタリア語でマフラー)・アバルトは高性能で高い人気を誇るとともに、メーカーとしての基盤を築きあげることに成功している。ちなみにマフラーはフィアットに吸収後の1970年代まで作られていて、ミニやビートルなど、他メーカー向けも多く作っていた。フィアット・アバルト750レコルトモンツァに装着されたマルミッタ・アバルト

 そのマフラーで得た利益で、車両そのもののチューニングや各種パーツをリリースしたり、レース活動を行なうようになっていく。手頃だったフィアット車を好んでベースとしていて、フィアット社とはフィアットベースの車両がレースで勝つたびに、報奨金が支払われるという契約を結んでいる。イタリアのモンツァサーキットを走るフィアット500エラボラツィオーネ・アバルト・レコルド

 これにより、さらに経営は安定しつつ、フィアットのチューニング、レースと言えばアバルトというイメージが出来上がり、アバルトマジックという言葉もあったほど。正確にはオリジナルのエンジンを積んだプロトタイプもあったが、実際のところ、フィアット車をベースしたモデルは多く、チューニングキットやパーツもフィアット用が多かった。1965年のコル・バイヤール峠を走るフィアット・アバルト1000TCベルリーナ

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