悲惨な「ペダル踏み間違い」は「MT車」を選べば 解決する! 「思わぬ副産物」も事故防止に効果的だった (1/2ページ)

悲惨な「ペダル踏み間違い」は「MT車」を選べば 解決する! 「思わぬ副産物」も事故防止に効果的だった

高齢者の事故防止に有効な方法とは?

「高齢者によるペダルの踏み間違い事故」という言葉がニュースで聞かれるようになって久しい。運転免許更新時の「高齢者講習」や「免許返納」など、運転する運転者側の対策は近年充実してきているように思う。クルマ側に対しても「踏み間違い防止装置」や「サポカー補助金」など、あらゆる手段が講じられている。

【関連記事】ダイハツ・トールに助手席への乗り降りをサポートする福祉車両「シートリフト」を設定し発売

前方不注意で追突した事故画像はこちら しかし新しいシステムやルールだけでなく、近年絶滅しつつあるマニュアルトランスミッション(MT)車もまた、高齢者の事故防止につながるのではないかとも思う。その理由について考察していきたい。

高齢者にとってATよりMTのほうが馴染みやすい

 毎日のように高齢者の踏み間違い事故が報道されます。そしてそれらの多くはAT車で起きています。そもそも現在の日本ではクルマのほとんどがATとなっていることもあり、多くの人がAT車を運転しているような状況です。

 振り返れば、普通自動車の「AT限定免許」が登場したのが1991年のこと。すでに30年以上が経過しています。しかし現在の高齢者と呼ばれる層は、AT免許が普及する前に免許を取得した人がほとんどでしょう。そうしたなか、ひとつの仮説が出されています。それは「MT車ならば高齢者の踏み間違え事故を防止できるのではないか?」ということです。

【関連記事】ダイハツ・トールに助手席への乗り降りをサポートする福祉車両「シートリフト」を設定し発売

1991年に登場したAT限定免許画像はこちら

 私はこの説は非常に理に適った説だと思っています。まず、40年以上前ならばMT車が主流であり、教習所での教習もMT車でしたし、運転免許試験場の試験で使われるのもMT車でした。AT車が普及してからは「AT車教習」が行われるようになり、教習所で免許を取る人はMT車免許の人もAT車の取り扱いを習いましたが、それ以前はAT車には触れることなく教習を終えています。

高齢者が免許取得時は教習所でもMTが主流だった画像はこちら

 そのころの考え方は「MTが運転できればATは運転できる」だったわけです。しかし、ATにはATの運転の仕方があり、それを間違えると事故が起きます。

発進と減速時が事故の多いタイミング

 ペダル踏み間違え時の事故は発進時、もしくはブレーキング時に起きています。いずれもブレーキペダルを踏もうと思って、アクセルペダルを踏んでしまったというものです。アクセルペダルを踏んでしまったことに気付き、ふたたびブレーキペダルを踏み直せばいいのですが、事故に至るときは本人は「ブレーキペダルを踏んでいる」という意識なので、減速しないでさらにアクセルペダルを踏み続けてしまいます。

ブレーキとアクセルの踏み間違いが事故の元画像はこちら

 減速のためのブレーキング時の操作はATもMTも変わりません。停止時の操作ではMTの場合、停止直前でクラッチを切るためにクラッチペダルを踏み込みます。一方、発進はプロセスが異なります。

 AT車の発進プロセスは次のようになります。まずブレーキペダルに乗せていた右足の踏力を弱めて、クリープでクルマを動かし始めます。つまり、最初にクルマが動き始めるときにはアクセルペダルの上に足はおかれていません。クルマが動き出してから、足を右にずらしてアクセルを踏みこみます。

マニュアルトラン主ミッション(MT)車の運転画像はこちら

 一方、MT車は発進時に右足はアクセルペダルの上にあり、左足はクラッチを踏んでいます。アクセルペダルをゆっくりと踏み、エンジン回転を調整しながらクラッチをつないで発進します。

画像ギャラリー