今や高額で取引されるようになった国産旧車たち
世の中、旧車流行りなのはご存知のところ。人気が高まっているだけでなく、価格も高騰中で、ちょっと前なら頑張れば買えたようなモデルでも、目玉が飛び出るほどの価格になっていることも珍しくない。たとえばハコスカのGT-Rは10年ぐらい前なら500万円を切るものもあったが、今では1000万円でも買えないほどだ。まさに“動く不動産”と言ったところだが、盗難となるとあまり耳にしない。レクサスやランクルが盗まれまくっていることを考えると、同じ高価格車として不思議である。
元々現存台数が少なく足がつきやすい
その理由としては、盗難してから捌きにくいというのはあるだろう。ちなみにただ盗むだけなら、超アナログなので簡単ではある。盗んだあと、車体番号まで改ざんして、それまでは存在しない新しいクルマとして販売することも以前はあったが、まず見つかりやすい。世の中に出回る台数が少ないので、販売店のホームページやネットのオークションに掲載されるだけでも目立つ。さらに車体番号などが変わっていても、旧車の場合、そのクルマならではの装備や改造、メンテ跡、さらにはキズや形状などが違うので、オーナーが見れば自分のクルマというのがわかりやすい。
パーツもしかりで、新品ならいざしらず、使い込んだ部品はシートやホイールなどの大物なら、オーナーに発見されやすい。中古部品専門店なら密かに換金できそうだが、最近は身分証明が必要なことも多いし、名車のものでもそれほど高くは買ってくれない。車両が高騰しているとはいえ、外したパーツの需要は物によってはあまりなく、いつ売れるかもわからないだけに、買い取りは安くなって当たり前だろう。さらにエンジンをバラバラにして、細かいパーツ単位でも同じ。デッドストックの新品ならいざ知らず、売れても安くて儲からないし、手間もかかるので、盗賊商売としてはかなり微妙だ。