夢のような充実感だが「最悪の」マナー問題も勃発! 昭和オヤジが経験した第一次アウトドアブームとは (1/2ページ)

夢のような充実感だが「最悪の」マナー問題も勃発! 昭和オヤジが経験した第一次アウトドアブームとは

ただの流行ではなくもはや定番化したキャンプ

 今回、編集部から突き付けられたお題は「オヤジ世代のキャンプ昔話」。最近のキャンプギアは「自宅で過ごすより快適なんじゃないの?」と思わせるほどの進化を遂げ、さらにはポータブル電源の登場により電化製品も使えるようになりました。キャンプブームと呼ばれていますが、すでに一過性のものではなく趣味のカテゴリーとして定着したと言っても過言ではありません。

最初のキャンプブームはバブル期に訪れた

 ちなみに最近のキャンプブームは「第二次キャンプブーム」と呼ばれ、1990年代には「第一次キャンプブーム」が吹き荒れたことをご存じでしょうか。このブームを覚えている人たちはオヤジ世代かその予備軍になると思いますが、当時は現在のキャンプブームを越える勢いがあり、バブルの崩壊とともに夜の六本木や青山から多くの人がキャンプ場へと活動の場所を移したのです。

 当時を振り返ると「週休二日制」が導入されたことや、RV、SUV、MPVと呼ばれるレジャー向けのクルマが登場したこともブームを後押しし、パジェロやハイラックス、テラノ、ビッグホーンに乗ってキャンプを楽しむのがトレンドになりました。驚くことにこの現象は現在と酷似しており、日本では「経済低迷×SUVブーム=アウトドア」という図式が成立するのかも知れません。

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オヤジ世代は林間学校で初めてのキャンプを経験

 オヤジ世代を元号で表現すると、昭和30年代、40年代になりますが、この世代にとって「キャンプ」はあまり良い印象がないのも正直な話。当時、小学生だった子どもたちは、「林間学校」や「校外学習」という名目で山奥の廃校や河原に強制連行され、『飯盒炊爨(はんごうすいさん)』や『登山』という過酷な苦行を強いられたのです。

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 当時、キャンプは本来の「野営」や「陣営」、「軍隊生活」の色が濃く、現在のようなレジャー的な要素は1ミリもありませんでした。林間学校の前準備として渡されたガリ版刷りのわら半紙には「ナップザック、ズック靴、雨具を用意」と書かれており、慌てて買ってきたペラペラのナップザックやズック靴は防水性やエアソールなどの機能はなし。ビニールのカッパは雨のなかではムンムン蒸れ蒸れとなり、首や袖口から雨が染み込んでしまいまったく役に立ちませんでした。

 夜になれば強制的にキャンプファイヤーへと参加させられ、好きでもない男子や女子でもしっかりと手をつながなければ先生から怒号が飛び、就寝はカビ臭い湿った布団。お風呂は看守(先生)に分単位で入浴時間を管理され、謎の昆虫(多分……カマドウマ)がピョンピョンと跳ね回る大浴場で泣きそうになった人も多かったのではないでしょうか。今、思い返すとその扱いは囚人か捕虜のようでもありました。

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大人になった第一次キャンプブームに歓喜

 そんなキャンプのトラウマが残る昭和オヤジたちにとって、第一次キャンプブームの快適さは目からウロコが落ちるほど楽しいもので、「キャンプ=レジャー=楽しい」という事実を大人になってから気付いたのです。

 1990年代の初頭、テントやキャンプ道具はまだまだ高価なものでした。グリーンに塗装されたコールマンのツーバーナーは憧れの的であり、ボクは自動車用のガソリンが使える銀色タンクの414と、ホワイトガソリンが専用の赤タンクで悩んだ結果、赤タンクの413を購入。コンパクトに折り畳めるフォールディングチェアはカッコ良く、海水浴場で使うサマーベッド(ボンボンベッド)しか知らなかった世代には輝いて見えたものです。

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 そんな憧れキャンプ道具を広げてノンビリ寛ぐ時間は、「都会での夜遊びをするのがカッコイイ」と憧れていた世代にはとても新鮮で、バブルの時代に高い飲み代を支払って始発電車が動くまで遊び狂っていた時代が、悪夢であったような充実感を与えてくれました。

 この原稿を書いているボクも同様で、ディスコの黒服に憧れていた妄想と決別するべく、書店で目についた「BE-PAL(小学館が発行するアウトドア情報誌)」を購入。愛読するうちにコラムを寄稿していた椎名 誠さんや野田知佑さんを勝手に師と仰ぎ、モンベルのファルトボートかカナディンカヌーかと悩んだボクはオールダウンのディスカバリー133Kを手に入れ、野池や湖にワシワシと出撃したものです。いつかはユラユラとユーコン川を下るのが夢でしたが、還暦に手が届く今もその夢は実現しておりません……。

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