【STI名車列伝その4】好評を博した「LEGACY tuned by STI」はこんなクルマだった

BP/BL世代に3度も設定された
STIのベストセラーコンプリート

WRCラリージャパンの開催を記念した特別仕様車として誕生。
「レガシィが培った走りを、より気持ちよく味わえる。そういうクルマにしたかった」という当時のSTI社長・桂田勝さんの願いを受け、STIの高橋保夫さんが入魂チューニングしたモデル『Tuned by STI』に迫る。

 

このクルマの「神ポイント」
●BP/BL1世代に1800台も販売
●STIコンプリートカーの裾野を拡大
●低価格ながら他の限定車に劣らぬ高品質

 

ワゴンとセダンの両方に設定され、ATとMTが選べるなど、限定車ながら選択肢が多いことも好評だった。現在は中古車市場で他のSTI限定車同様に高値傾向が続いている。

 

毎回予想を大幅に上回るペースで完売したモデル

4代目レガシィに設定された「Tuned by STI」は、STIのコンプリートカー人気の裾野を劇的に広げた大きな功績を残した名シリーズだ。「S」のような超絶系のハイパフォーマンスカーではないが、同社の専用パーツを各部に装着してレガシィ本来の運動性能を高めつつ、大人っぽい上質感もアップ。玄人好みする甘美な乗り味やスペシャル感は、後付けパーツを装着しただけのチューニングカーでは得られない魅力にあふれ、STIコンプリートカーの人気を不動のものにした。

ブレンボキャリパーは前輪に異径ピストンの対向4ポット、後輪にオフセットピストンの対向2ポット、ローターは楕円リブ形状で前輪17インチ30㎜厚、後輪17インチ20㎜厚のビッグサイズを採用。

徐々に値上がったとはいえ、コンプリートカーとしては比較的低価格だったこともあり、設定された600台は毎回予想を上回るペースで完売。BP/BLの1世代に3度も設定され(3度とも600台)、のちの「tS」シリーズの礎を築いた。
全車とも当時のトップスポーツグレードである2.0GTスペックBをベースにSTI製のスポイラーや18インチアルミ、専用スプリングやタワーバー、スポーツマフラーやブレンボブレーキなどで武装したほか、大量生産車では難しい「チューニングの隠し味」が施されることで、特別感の強い甘美な乗り味を実現。
たとえば、ブレンボのブレーキは絶対的な制動力や耐久性を上げるためだけではなく、踏み始めはもちろん、踏み込んだ後のコントロール性の高さにより、減速時に身体に感じる前後Gの変化が穏やかになるように、運転がしやすくなることを追求。一般的なチューニングカーとは明確な一線を画すフィーリングが人気を押し上げたのであった。

スプリングレートは前後とも40〜50%近く高められたがコンフォート性は犠牲にされず、乗り心地はベース車よりも快適。アルカンターラ張りのフロントシートはSTIの刺繍入りとするなど質感も高い。

 

「STI偉人列伝④」元STI車体技術部高橋保夫さん

tuned by STI成功の立役者

元全日本ラリードライバーだった経験を活かし、富士重工業時代は実験部に所属。レガシィやインプレッサなどの開発車両の走行実験を担当後、2003年からSTIに出向。
常に栃木のテストコースを走り込み、インプレッサS203から2回目のレガシィtuned by STIまで、STIのトップガンとして活躍した。その後は富士重工業に復帰。

 

[リポート:マリオ高野]


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