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暑い時期も油断大敵!バッテリー上がりが夏場でもなぜ起きる?

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TEXT: 髙山則政  PHOTO: Auto Messe Web編集部

季節を問わず路上トラブルのトップ

 バッテリー上がりによるトラブルは、冬場に多いイメージだが、実は夏場にも意外と多い。ファミリーで行楽地へドライブに行こうと朝クルマを出そうととした時などに、エンジンが始動しなかったりしたら最悪だ。では、なぜ夏場もバッテリーは上がりやすいのか? その原因と対応策を紹介する。

 今も昔も路上トラブルのキングに君臨し続けるのがバッテリー上がり。JAFが発表した昨年のロードサービス救援依頼の統計をみても、一般道で3割超を占めていることから、トラブルを予防したり、予兆を察知するのが難しいパーツだということがわかる。バッテリートラブル件数は季節変動も少なく、JAFのシーズン別の統計を見ても、年末年始、ゴールデンウィーク、お盆のどれをみてもトップだ。

 一般的な自動車用(鉛)バッテリーは、化学反応で電気を溜めたり放電したりする。そのため、気温の低い冬は活性が悪くなり、電気を出し入れする性能が低下してしまう。また、エンジンオイルも粘度が高くなるので、始動の際には夏よりもスターターの回転力が必要で、より多くの電力を必要とする。このため、冬に始動不能となるのは納得しやすいのだが、実際は夏場でもトラブルは多い。

 

電動ファンが回ると消費電力が増える

 その理由はいくつか考えられるが、まずは、夏は水温が上がりやすいことがある。エンジンを冷却するためのラジエータには、電動ファンが付いていて、水温がある温度(クルマによるが85~100℃の間が多い)に達すると電動ファンが回って、ラジエータに冷却風を強制的に流している。

 電動ファンはその名の通り、モーターを回しているのでかなりの電気量を消費する。40km/hとか60km/hのスピードで走行していれば、フロントグリルから入ってくる走行風でラジエータは冷却されるので、電動ファンはまわらない。

 ところが、渋滞にハマると、走行風が流れて来ないので水温が高くなり、電動ファンが回りだす。夏場はその頻度がとても多くなり、ともするとファンが回りっぱなしという状況にもなる。最近の電動ファンは、昔のようなオンかオフではなく無段階制御するようになっているものも多く、連続回転も低速にもできるので以前より消費電流は少なくなっているが、それでも冷却が追いつかなくなれば、高速回転になって消費電流が増える。

 

エアコンの消費電力は大きい

 エアコンも大きなファクターになる。カーエアコンは、コンデンサーという放熱器(用語からいえば凝縮器)がラジエータの前にあって、キャビン内の熱をコンデンサーに循環させて放熱している。つまり、キャビンを涼しくするためにエアコンを入れると、エンジンルームの電動ファンが回りだすのだ(昔のFR車はエンジンのベルトから回すタイプもあり、その場合は電動ファン自体がない)。

 こちらも、ラジエータのファンと同程度のサイズなので、消費電流80W~150Wと多め。ハロゲン式ヘッドランプを点灯させておるくらいになっている。ちなみに、電動ファンは、ラジエータ用とエアコンコンデンサー用をそれぞれ持つタイプと、1つで兼用しているタイプがある。当然、2つ回れば消費電流も2倍になる。

 エアコンを点けると、車内でも送風用ファンが稼働。これもフルで回すとけっこう電気を食う。エアコンを「オート」にすると、設定温度に早く近づけようとエアコンが頑張り、エンジンルームのコンデンサー用電動ファンとキャビンのブロワーファンがペアでフル稼働し、バッテリーには大きな負担となる。

渋滞路では発電しても消費量が上回ることも

 渋滞路などでの低速走行時は、エンジンがアイドリング回転に近いので、発電量も小さくなっている。オルタネーターと呼ばれるクルマの発電機は、フルパワーになるのがエンジンが2000rpm以上のとき。状況によってはバッテリーへ充電ができなくなり、放電していることもある。

 つまり、エアコンで大量に電気を消費するところに、発電量の低下と、渋滞時のブレーキランプ点灯、さらに夜間ならヘッドライト、雨ならワイパーにも電気が使われたら充電量より放電量が上回ってしまうわけだ。

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