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千葉県・大規模停電「筆者が感じた災害時に役に立つアウトドアグッズ」実体験レポート

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TEXT: 猪狩清十郎  PHOTO: 猪狩清十郎

4日間続いた停電に猛暑が襲う

 9月9日未明に関東を直撃した台風15号は東京湾を北上、進行方向の東側にあたる千葉県全域に未曾有の被害をもたらしました。千葉県民である筆者はまさに被災者となったわけですが、今回の大停電を振り返りつつ、役に立ったグッズを紹介したいと思います。

 まず概略ですが、9日のピーク時には千葉県全域で約90万世帯、本稿を起稿している18日現在でも5万軒以上が停電しています。通電と同時に解消が見込まれる断水もまだ解消していない地域があり、南房総では家屋の被害が相次ぎ、山間部では倒木の撤去さえ手付かずの地域が残されています。

 今回の台風で被災者を苦しめているのは、長期停電、猛暑、情報の入手困難という3つ。これに断水、家屋損壊、倒木による交通遮断といったより大きな被害を受けた地域もあります。幸い、筆者の住む地域は12日深夜に電力は復旧しましたが、丸4日間電気なしの生活を余儀なくされました。

 

パンツ一枚、うちわだけのローソク生活

 筆者の住む町の正確な気温データはありません。停電で測定結果が失われてしまったのでしょう。千葉市のデータでは9日から11日まで連日32℃(最高34.7℃)を記録。最低気温25℃を上回る熱帯夜となり、湿度79%を記録しています。夜間でも窓を全開にしパンツ一枚にもかかわらず汗が流れタオルで拭き続けなければならないほどの猛暑。無風状態で”うちわ”を扇ぐ手が疲れ、右と左で交代しながら扇ぎ続けました。ときおり吹く微風がとても涼しく感じたほどです。

 停電のためテレビも役立たず。千葉県の現状、近隣の状況などはわかりません。そこで活躍したのがラジオ。かなり古めかしいナショナル(現パナソニック)のAMラジオですが、懐中電灯を点灯するチカラもなくなった使い古しの単三電池でも、付けっぱなしでまったく電力不足になりません。脅威の低消費電力でありながら非常に有益な情報をもたらせてくれました。

 11日以降は「NHK-FM千葉放送局」がライフラインに関する生活情報を放送。ランタン(電球)で消費した単一電池をラジカセに再利用しFM放送も受信しました。さらに筆者のガラケーはワンセグが映るため、バッテリーの消耗とトレードオフではあるのですが、ニュースの時間には30分ほどテレビ放送も観ることができました。

 たしかに、ラジオのほうが細かな報道がされていますが『千葉県全域で90万世帯が停電しています』といわれても、自分の住む地域がいつ復旧するのかわからないのですから、あまり価値のない”ニュース”としての情報に過ぎないのです。

 筆者は、友人に「東電のホームページやSNSなどで復旧情報があったら教えて欲しい」とCメールを送信。それでも、かなり大雑把であいまいな情報しか入手できませんでした。

 

行動力で災害をサバイバルしてみる

 そこで、近隣がどうなっているのかマイカーで調査。近所は倒木どころか空爆でもされたかのような惨憺たる状態で、スーパーやコンビニは軒並み営業をとりやめています。当然ながら交差点の信号機も停電しているため、クルマは徐行し互いに譲り合っている状態。ガソリンスタンドには給油待ちの長蛇の列といった状態でした。

 ところが、隣町へと行くと信号機は機能しており、スーパーやショッピングセンターも営業していることがわかりました。筆者は、お湯でできるパスタとレトルトのパスタソース、冷蔵庫代わりのクーラーボックスと氷を購入。レジのおばちゃんたちの会話で停電しなかった地域もあることがわかりました。

 しかし、氷に関しては翌日には品切れとなり入手困難な状態に。少し離れた場所にある大手ショッピングセンターの食品コーナーに行くと購入できましたが、冷蔵庫内の食べ物や冷凍食品は氷だけで品質維持することができず、ほとんど廃棄となってしまいました。

 3日目ともなると、今度は携帯電話が不通。基地局のバッテリー切れで電波状況を示すアンテナマークは「ゼロ」か「圏外」という状態でした。たまたま筆者はクルマのシガーソケットで充電できるアダプターを持っていたので、ガラケーを充電してワンセグを見るといったことには不自由しませんでしたが、テレビ報道では地域ごとの詳細な情報は発信されるはずもなく、ニュースで全域の状況を知る程度。ラジオばかりだと気が滅入ってくるので、テレビ慣れした脳に”映像”は安心感をを得ることができたのです。

 

災害時に役だつアウトドアグッズを日常的に活用

 今回の停電で格別に役立ったのは、「またこんなもの買って」と身内の評判のよくなかったアウトドアギアの数々。筆者の家ではガスと水道は通じていたため、食事にはそれほど不自由はありませんでしたが、情報を得るためのラジオ、ワンセグが映るケータイ、ランタンやローソクなどの灯り、クーラーボックスの4点は大活躍してくれました。

 そして、明かりといえば懐中電灯がピンと来ますが、頭に装着するタイプのヘッドランプは、調理や作業時に両手が使えるためオススメ。包丁などを使ったり、押し入れから必要なものを運んだり、暗がりの作業はケガの元ですので、両手がフリーになるヘッドランプが非常に有効でした。

 また、エアコンが使えないため窓全開。電気を使わない蚊取り線香も心強い存在でした。また、ガスが使えても電気がないと給湯器は作動しません。水シャワーを浴びましたが、制汗タイプの汗拭きシートが清涼感があって重宝したこともお伝えしておきましょう。

 さらに、お茶やカップラーメンのためのお湯を自室で沸かす時にはアウトドアのバーナーやカセットコンロが活躍。普段から生活に使えるものでもありますので、防災用と決めつけずに生活用品として購入し普段使いしてみることをオススメします。今回のような停電時は役に立ってくれるはずですよ。

 今回は夏でしたので出番はありませんでしたが、筆者宅では石油ストーブを暖房機器として利用。停電時にも関係なく暖がとれ料理もできること、燃料が灯油ランタンにも利用できることが理由です。今回暗がりを照らしてくれた灯油ランタンの燃料は昨冬購入した灯油の残りでした。

 最後になりましたが、被災者の皆様の一日も早い復旧と日常生活への回復をお祈りします。

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