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オリンピックに実用化は間に合うか?! ANAとSBドライブが羽田空港で「大型の自動運転EVバス」を実証実験

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TEXT: Auto Messe Web編集部  PHOTO: Auto Messe Web編集部

静粛性が高く、制限区域内なので安心

 実際の試乗だが、今回の実験では、第2ターミナル内の北乗降場からスポット65(乗降口)間の往復約1.9kmの距離を移動、速度は直線路でも時速20キロまでと低速走行で行なわれた。

 乗車した感じは、普通の大型バスとかわりなく、とても安定していたのが印象的。動力が電動モーターのため、ディーゼルエンジンなどを搭載した一般の大型バスと比べ、車内はとても静かだ。

 車内も広く、空港内でターミナル間を走るリムジンバスとほぼ同様。海外からの旅行者など、大きな荷物を持った人たちが数多く乗るとさすがに窮屈になるだろうが、広さ自体は問題ないレベルだ。

 ちなみに、シートはビニール製表皮で、モケットシートなどを装備したリムジンバスと比べるとややチープな感じがしたが、速度が低いこともあり、座り心地自体はさほど悪い印象でもない。

 制限区域内での走行だったため、自動運転車で特に問題となる、他の車両や歩行者が急に車両の前に飛び出してくるといった心配は当然なかった。ルート上には、荷物などを運搬する作業車なども走行していたが、右左折時や一旦停止がある交差点など、他車両との混合交通も問題なくクリア。この辺りは、一般道と違い、乗っている側の安心度もかなり高いと言える。

 今回のルートでは、Uターンをする地点があったり、タイトな右左折のコーナーもあったが、これらの走行も自動運転で問題なく走行。特に、Uターンは、過去2回の実証実験では車両安定性の問題でドライバーがハンドル操作を行なったらしいが、今回はシステム側できちんと制御して自律ターンを実施。自動運転技術自体もアップデートされていることが分かった。

 

一般道より導入時期は早い?!

 ANAは自動運転バスについて、前述の通り、2020年内に実用化することを目指しているが、今回のような制限区域内での運用であれば、一般公道と比べ法規などクリアすべき問題も少ないため、より早期に実現する可能性は高いだろう。

 ただし、人手不足という問題に対しては、今回のレベル3の自動運転では、運行管理者や添乗員など逆に人員が増える結果となる。危険回避なども含め、完全にクルマが自律走行するレベル4以上の自動運転が導入されない限り、(人手不足という)課題の解決にはならないだろう。

 実際にいつ実用化になるのかは、今回の実験結果を待たねばならない。だが、レベル3の自動運転で制限区域内という条件付きならば、早ければ7月からの東京オリンピック・東京パラリンピックで、海外からの観光客などが乗り換えを行なう際などの輸送手段に使うことは可能かもしれない。

 当然、ANA側としても、海外から多くの注目を浴びるオリンピック・パラリンピックに、「未来のクルマ」導入を間に合わせたい意向はあるだろう。ただし、乗客の安全に関わることだけに、実施時期ありきではなく、十分な検証や対策などを慎重に行った後で実用化に踏み切ることを望みたい。

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