わずか50kmだが緻密な駆け引きが必要なレース
日本国内で2010年よりシリーズとして開催を続けている日本電気自動車レース協会(JEVRA)の全日本電気自動車グランプリ・シリーズが記念すべき10シーズン目を迎えた。2020年は、従来より1戦増やした全7戦を開催。レース距離は50kmを基本としつつ、複数回開催サーキットではレース距離を増やすという。
地球の温暖化、台風の巨大化といった昨今の地球環境問題に対する意識改革の推進、そして電気自動車(EV)の進化・普及促進を目指して設立されたJEVRA。これまで、さまざまな電気自動車が参戦してきた。
参戦車両は、コンバートEV(エンジン車両をベースにモーターとバッテリーを搭載した自作EV)、三菱iMiEVや日産リーフといった市販国産EV、テスラ ロードスター、テスラ モデルS、BMW i3といった市販輸入EV、BMW i3REXのようなエンジン出力を発電用として、駆動に使用しないPHEV、さらには市販前の実証中のEVなどだ。
レースではクルマのタイプなどによってクラス分けされ、市販車クラスでは、モーター出力によって分けられている。今年はレギュレーションが変更となり、EV-1(201kW以上)/EV-2(151kW以上201kW未満)/EV-3(101kW以上151kW未満)/EV-4(101kW未満)と変更された。
わずか50kmのレースだが、限られたエネルギー量(バッテリー)をいかに効率よく使うか、が重要。電力のセーブの仕方はもちろん、モーター、バッテリーといった機器から発生する熱にも注意を払う必要があり、季節や天候にもレース展開は大きく左右される。30分ほどのレースでありながら、耐久レースのようなサバイバルレースにも展開するケースも多く、非常に面白い戦いが毎回繰り広げられている。
【2020年 EVレース カレンダー】
第1戦
4月12日(日) 筑波サーキット/50Kmレース(25Lap)
第2戦
5月30日(土) 袖ケ浦フォレストレースウェイ/50Kmレース(21Lap)
第3戦
7月5日(日) スポーツランドSUGO/50Kmレース(14Lap)
第4戦
8月1日(日) 筑波サーキット/55Kmレース(27Lap)
第5戦
9月12日(土) 袖ケ浦フォレストレースウェイ/55Kmレース(23Lap)
第6戦
10月4日(日) 筑波サーキット/60Kmレース(30Lap)
第7戦
11月14日(土) 富士スピードウェイ/50Kmレース(11Lap)