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車酔いはなぜ起こる? 同乗者に負担を掛けさせない運転方法とは

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TEXT: 御堀直嗣(Mihori Naotsugu)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

運転中の目線が近すぎることが原因

 理由の第一は、運転中の目線が近すぎること。多くの運転者が、前を走るクルマの後ろ姿を見て、車間距離を維持する操作をしている。したがって、車間距離が少しでも縮まればブレーキペダルを踏む、広がればアクセルペダルを踏むことを繰り返す。 前を走るクルマの運転者も同じような操作をしているので、どちらのクルマも速度が上がったり下がったりを繰り返すことになるわけだ。そのため同乗者は、体が前のめりになったり、後ろへ反ったりして、落ち着いて座っていられない。 そこで運転するときは、数台前のクルマの様子を視野に入れながら遠目を見るように心がけ、交通の流れを意識するようにすると、速度を安定しやすくなる。目の前がトラックなどの大型車でも、カーブなどで車間の隙間から遠くを見通すことができる。もちろん、目の前のクルマを無視するということではない。 武道では、これを『遠山(えんざん)の目付(めつけ)』という。あたかも遠い山を見るかのように、前方の景色を全体的にとらえるという意味だ。しかし、ぼんやり眺めているのとも違う。そこに意思を働かせる必要がある。それでなければ、敵に切られてしまうからだ。

 このやり方で運転中に先の様子を見ていると、クルマの流れをつかむことができ、何台か前のクルマがブレーキランプを点灯させれば、いずれ目の前のクルマも減速するので、早めにアクセルペダルを戻しはじめる準備ができる。前のクルマがブレーキを踏んだから、慌ててブレーキをかけるのではなく、まずはアクセルを戻し、ゆっくりと減速すれば同乗者も前のめりになりにくいだろう。 加速のときも同じ。いつでもブレーキを踏めるようにしておきながら、ペダルから足を離しておき、数台先のクルマが速度を上げはじめたら、いつでもアクセルペダルを踏めるよう準備しておく。そうすれば、目の前のクルマが加速してから慌ててアクセルペダルを踏む操作がなくなり、ジワリと速度を上げていく加速ができる。そうなれば、同乗者が体を反らせることもなくなる。

 同じく遠くを見ることは、カーブを曲がる際にも有効。あらかじめ、カーブのきつさを予測できるからだ。しかし、目の前を走るクルマばかり見ていると、カーブに気付くことが遅れ、カーブの深さもわからずハンドル操作をはじめるので、まず遅れ、遅れるので慌てて切り込んで、今度は切り込み過ぎてしまう。

 そこで、切り込みすぎたハンドルを戻す操作をカーブの途中で行うことになる。カーブで外側の車線をはみ出しそうになる様子はまさに、ハンドルの切り遅れを示しているのだ。

 一つのカーブを曲がるだけなのに、何度もハンドルを切ったり戻したりすれば、同乗者は左右に体を振られ続け、体は安定しない。さらに、カーブの出口を見るくらい遠くを見る癖をつけておけば、カーブの終わりが近づいたところでハンドルを戻しはじめることを意識すると、滑らかに直線へ移行できるだろう。

 このように唐突な加減速やハンドル操作の繰り返しを減らすことで、車酔いも起きにくくなるはず。そもそも、発進する際も、クリープで前に進もうとする力が急にクルマに掛からないようにするため、ブレーキペダルから足をパッと離すのではなく、戻すようにしてからアクセルペダルに踏み換えるといい。

 その後もアクセルペダルを踏みこむのではなく、ブレーキペダルを離すとクルマが動き出すクリープを利用し、タイヤが1回転するくらい動いてからアクセルペダルを踏みこむようにすれば、急な加速にならず、同乗者への負担は減る。

 ブレーキの際も、停車する寸前に軽くペダルを戻し気味にすれば、カックンとクルマが停車せず、同乗者の体が前のめりになりにくい。

 単に運転操作をゆっくりやればいいというのではなく、クルマの機能を活かし、また道筋を意識しながら操作をすれば、おのずと滑らかな走りとなるのである。

 そのうえで、発進の際のアクセルワークは、燃費向上にも役立つ。遠くの信号を見ながら速度調整をする運転であれば、信号の直前でブレーキを使って減速し過ぎたり、停車してしまったりする前に、徐行の段階で信号が青になるかもしれず、そうすればクルマが動いているうちに再加速できるので燃費向上に効果がある。クルマの燃費は、発進するときにもっとも悪化するからだ。 同乗者に快適な運転は、相手の為だけでなく、燃料代の節約という自分の懐具合も温かくしてくれるかもしれないのだ。

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