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4WDの先駆者アウディが威信をかけて開発した幻のWRカー「アウディ スポーツクワトロ RS002」

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田了,AUDI AG

期待のミッドシップ対抗モデルは700馬力だったが…

 そこでアウディは、グループBをより先鋭化させたグループS車両を開発するプロジェクトを立ち上げました。プロトタイプとしてアウディ・クワトロをベースにエンジンをボディ後半部に載せた“ミッド・エンジン・クワトロ”も施策されていましたが、本命として完成したモデルがスポーツ・クワトロRS002でした。スポーツ・クワトロRS002

 その風貌は、ラリーカーというよりもコンパクトなレーシングマシンに似たもので、リアの巨大なウィングが目立っていました。コクピットの後部に、アウディの得意としてきた直列5気筒エンジンを縦置きに搭載、パワーを前後に配分して4輪を駆動するというレイアウトとなっていました。スポーツ・クワトロRS002リヤビュー

 ターボ・チューンを施されたエンジンは700馬力を絞り出しており、約1tの車両重量に対しては十分なパフォーマンスが期待されていました。ただし、グループSのプロジェクトの前提となっていたグループBでのアクシデントが続出したことでグループBとグループSは、カテゴリーそのものが姿を消すことになり、この究極のラリーマシンが実戦で鎬を削ることは敵わなくなってしまいました。

 もちろん安全は尊重されるべきですが、この究極のマシンが戦う様を見たかった、というファンも少なくなかったと思われます。ちなみに、僅かに1台のみが製作されたRS002は、インゴルシュタットのアウディ本社に併設されたAudi Museum Mobile(アウディ自動車博物館)に収蔵され、企画展などで展示されているようですが、何度か訪れた際には展示されてなく、出会いは果たせていません。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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