「遅くなる」「車検不通過」! 意外に難しい「GTウイング」装着

「遅くなる」「車検不通過」! 意外に難しい「GTウイング」装着

取り付けにはノウハウが必要

 一時に比べれば街なかで見る機会は減ったものの、サーキット派には変わらず高い人気を誇るGTウイング。だが選び方や使い方をひとつ間違えると、性能アップどころか痛い目に遭うこともあるという。使用する際に注意すべきポイントを失敗例とあわせて紹介したい。

 当初レーシングカーで採用されたGTウイングは、高い空力性能と見た目のインパクトにより、一躍ストリートでも人気のパーツとなった。初期はアルミ製でストレート形状の1枚羽が大半だったが、より優れた整流効果を求め2枚羽の製品が生まれ、現在はFRPやカーボンによる3次元形状が主流である。

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全日本GT選手権に出場していた日産スカイラインGT-R(R33)画像はこちら

 ナンバー付きのチューニングカーで流行し始めたころは、今までにない形状のエアロだったせいで法律が追い付かず、取り締まりでの対応が一貫せず困惑するユーザーもいた。しかし取り付け位置によっては後方の視界が妨げられたり、翼端板が歩行者にダメージを与える可能性が指摘され、今は車検をクリアするための明確な基準が設けられている。スバルインプレッサWRX STIに装着したGTウイング画像はこちら

 その流れを受けて誕生したのが「ローマウント」と呼ばれる、位置を低くしつつ幅やその他の形状も保安基準に合わせた製品だ。ダウンフォースこそ本来のGTウイングには及ばなくとも、車検対応の安心感や街なかで目立ちすぎないシルエットが人気を呼び、ストリート仕様では完全にコチラが主流になったといえるだろう。ローマウントされたGTウイング画像はこちら

 ちなみに流通しているGTウイングのほとんどは羽の角度が調整式で、また装着する高さを変えることで空力のセッティングが可能。また翼端板の形状やガーニーフラップでも味付けでき、パワーやタイヤのグリップに合わせてセットアップするのが正しい使い方だ。角度調整式のGTウイング画像はこちら

ダウンフォースが強すぎてタイムが落ちることも

 続いて上の基本を知らなかったことによる失敗例を挙げていこう。お約束はダウンフォースが強すぎてタイムが落ちてしまうケース。コーナーの安定感は高いものの立ち上がり加速、最高速とも効きすぎて逆効果になってしまい、羽を寝かせたり試行錯誤しても改善せず外しちゃった、なんて話はGTウイングの黎明期からよく耳にする。決して安い金額じゃないだけに、見た目や「大は小を兼ねる」で買わないよう注意すべし。

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GTウイングを装着してサーキットを走っているトヨタ86画像はこちら

GTウイングは規定が細かく決まっている

 続いては以前のクルマから流用したときに起こりがちな、保安基準をクリアしていると思ったら実はダメで違反になるケース。GTウイングはリヤバンパーの後端から出ておらず、車体の左右端から片側が165mm以内に収まっているなど、一般公道で使うための規定が細かく決まっている。後付けのGTウイング画像はこちら

 そのため取り付ける側の車体では合法だった製品が、一転して違法となることも往々にしてあり得るのだ。不安なら信頼できるプロショップで確認してもらい、どうしてもNGであれば別の製品に買い換えるしか手はない。

取り付ける位置によっては後方視界がゼロ

 次はウイングの取り付ける位置をミスって、後方の視界が狭まって安全に運転できないケース。街乗りでの危険さは説明しなくても理解できるだろうけど、サーキットでも1台ずつ走行するジムカーナ的な競技を除いては、後ろから迫るクルマを認識できないことは大きな事故に結び付く。なおローマウントならこの問題はほぼ考えなくてもいい。

ステーの固定はノウハウが必要

 最後はステーを固定する位置に関しての失敗。GTウイングが生み出すダウンフォースは想像しているより強く、何も考えずトランクにステーを装着すると、力を受け止め切れず凹んでしまう場合がある。自分で補強のステーを作って裏側に装着するのもアリだが、位置だけじゃなく加工や防水処理のノウハウも必要。自信がなければ『骨折り損のくたびれもうけ』とならないよう、信頼できるプロショップに作業を依頼するのが無難だ。GTウイングの取り付けにはノウハウが必要画像はこちら

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