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トヨタ以外にも「水素エンジン」はあった!「ほぼ」幻に終わった「ロータリー搭載車」9選

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TEXT: 片岡英明  PHOTO: Auto Messe Web編集部、マツダ、日本自動車工業会

東京モーターショーと共に振り返るロータリーエンジン発展史

 クルマ好きにとって今なお根強いファンが多いロータリーエンジン。2013年にマツダRX-8が生産終了して以来、ロータリーエンジンを搭載した市販車は登場していない。だが、ロータリーの発展、進化は日本のモータリゼーションとともに、日本の自動車史と切っても切り離せない。

 2021年5月22日、23日に富士スピードウェイで行われた「スーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook第3戦 NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース」で、「ORC ROOKIE Racing」は、レシプロエンジンをベースに水素を燃焼させるパワートレインを搭載した「カローラスポーツ」を走らせた。各メディアはこの話題を取り上げているが、そもそも「水素を燃料とした内燃機関」はマツダのほうが早かった。1990年代から水素を燃料とするロータリーエンジンの研究を行っていたのだ。随時その成果は東京モーターショーで発表されており、「水素ロータリー」という言葉を耳にしたことがある方も多いはずだ。

 そこで今回、東京モーターショーに登場したロータリーエンジン搭載車をプレイバックしつつ、水素ロータリーも併せてモータージャーナリスト片岡英明が振り返る! 

マツダRX500

 マツダの前身、東洋工業は1960年代になってすぐにNSU社とバンケル・ロータリーエンジン(RE)の技術提携について正式調印を行なった。そして1964年秋の第11回東京モーターショーにコスモスポーツのプロトタイプを参考出品し、1967年5月には正式発売にこぎつけている。パワーユニットは世界初の2ローターRE、10A型だ。
 その年の秋に開催された第14回ショーには「RX85」と「RX87」を出品した。これはファミリアロータリークーペとルーチェロータリークーペの名でカタログモデルとなっている。
 マツダは1970年代をREの時代と意気込み、「ロータゼーション」のスローガンを掲げた。そして1970年の第17回ショーに鮮やかなイエローのボディカラーをまとったミッドシップのスポーツカーを参考出品している。これが未来社会におけるスピードと人間性の調和をテーマに開発された「マツダRX500」なのだ。マツダRX500
 社内呼称は「X810」である。開発コードがあることから分かるように、これはコスモの後継モデル開発プロジェクトだったのだ。ウエッジシェイプにロングルーフを組み合わせ、エアロダイナミクスを徹底追及した。ノーズ先端にはリトラクタブルヘッドライトを組み込み、ドアは跳ね上げ式のガルウイングドアだ。マツダRX500
 ボディはFRP製で、ドアなどにはABS樹脂にポリカーボネートを混ぜたポリマーアロイを使う。車幅いっぱいに並べられたリヤコンビランプは加速しているときは緑のランプ、アクセルを戻すと黄色、ブレーキを踏むと赤いランプが点灯した。インテリアも洒落たデザインだ。インパネのメーターは、速度によって指針が変わる個性的なものだった。気になるパワーユニットは、コスモやファミリアロータリークーペと同じ491cc×2ローターの10A型REである。レース仕様と同じペリフェラルポートで、燃料供給は2基のウェーバーキャブだった。最高出力は250ps以上/8000rpmと発表されている。計画段階では3ローターや4ローターのマルチロータリーの搭載も検討された。
 1978年春、マツダRX500はSA22C型RX-7の発表会場に参列するために、ボディカラーをシルバーに塗り変えている。ヘッドライトを固定式の角型タイプに変更したのもこのときだ。

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