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便利すぎるスライドドア! プロが感じた「思わぬデメリット」とは?

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TEXT: 青山尚暉(AOYAMA Naoki)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

スライドドアのデメリット:非電動タイプは開閉に腕力が必要

 とはいえ、スライドドアにデメリットがないわけではない。国産のミニバン、プチバン、スーパーハイト系軽自動車の多くにはパワースライドドアが用意され、繰り返すけれど、車内のスイッチ、ドアオープナー、そしてリモコンでも自動開閉が可能でラクラク。

 だが片側パワースライドドアの非パワースライドドア側、ルノーカングーやシトロエン・ベルランゴといった欧州車の非パワーのスライドドアの場合、スライドドアが大きく重いため、操作はけっこう重い。細腕女性ならずとも、かなりの力が必要なのだ。非パワースライドドアのクルマは開閉自の扉が重く半ドアもしやすい

 しかも、パワー、非パワーのどちらのスライドドアも、パタンと一瞬で開閉できるヒンジ式ドアと違い、完全にドアを開く、閉めるのに時間がかかるのが普通。緊急時や急いでいるときなど、特に降車時はイライラする人もいるかも知れない(せっかちな人!?)。

 細かい点では、同じ車幅のクルマの場合、ヒンジ式ドアよりスライドドアのほうが、室内幅が狭まってしまう例もある。これはスライドドアのほうがドアに(パワースライドなどに関わるさまざまな機構が内蔵されるため)厚みが必要だからだ。もっともこれに関しては、同じクルマでヒンジ式ドア車とスライドドア車を比べる機会がなければ、あまり気にするほどのことではないだろう。スライド式ドアとヒンジ式ドアの集合写真

 が、スライドドア化すれば開口部周りの補強、パワースライドドアならヒンジ式ドアでは必要のないモーターやレールなどが付加されるため、重量がかさみ燃費面で不利になるのは否めない。

スライドドアのデメリット:経年変化によるガタツキの可能性アリ

 最後に、ある意味決定的なスライドドアのデメリットとして、経年変化によるガタツキの原因になるという弱点がある。そもそも大開口に大きく重いドアを張り付けるのだから、比較的軽く、取り付け部剛性も確保しやすいヒンジ式ドアに比べて走行振動などによって、時間や走行距離がかさめば、ガタつきが出ても不思議ではない。スライド式ドアの案内

 ただそれが、走りの質感、静粛性などに影響することは事実。実は最近、某スライドドア車を試乗した際、まだ新車から半年、走行5000km程度にもかかわらず、リヤスライドドアからのガタつきが認められ、走りの快適感に大きく影響した事例があった。自動車専門誌の試乗レポート中のことだけに、メーカーに原因の解明をお願いしたところ、取り付け部のガタではなく、ドア開口部周りのゴムモールのズレ(一部剥がれ)が原因だったと判明。

 しかし一般ユーザーがそうしたクレームをディーラーに進言したとしても、どこまで丁寧に調べて対処してくれるかは分からない。たまたま整備士が試乗した際、現象が出ずに原因不明として対処してくれない可能性もあるのだ。

 この点については、急のつく操作をしない、ボディが大きく(自然に)ゆがむような荒れた路面はなるべく走らない、定期的にスライドドア周りの点検を行う、ガタつきの症状が出たら早目に対処する(放置するとますます悪化する。保証期間中に対処すれば修理費用も掛からない)などの気遣いが必要だろう。

 ただし、以上のパワースライドドアの少なくないデメリットは、特に子育てファミリーや高齢者、妊婦さん、そしてペットの乗降での便利さ、快適さと天秤にかければ許せる範囲。デメリットを上回るメリットがあると納得できる人が多いはずである。

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