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「将来、値上がりしそうだから」とスケベ心で手を出すのは危険! 意外なほどシビアな「マイナー旧車メンテナンス 」事情

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TEXT: 近藤暁史(KONDO Akifumi)  PHOTO: ステランティス/Auto Messe Web

仮に手に入らない部品を作ったとしても……

 旧車業界でよく聞く、ない部品は作るというのはもちろん可能。ただし、莫大な費用と手間、時間がかかるし、そもそもマイナー車でそこまでするかというのはある。購入価格が高いとはいえ、実質は不人気車だ。しかも、価格が高かったから、程度がいいというわけではなく、あちこちに不具合が出ることもあり得るわけで、冗談抜きで「捨てたほうがいい」という結論になりかねない。捨てるのは言いすぎとしても、使えるパーツは外してネットオークションで売ったほうがいいかもしれないが、入札状況を見ていると不人気車では落札されず、そのまま再出品もされないという例も多い。

純正部品などのイメージ と、身も蓋もない絶望的な話しをしてきたが、どうしても他人が乗っていないようなマイナー車や、激渋の低グレード車がいいという場合は、可能な限り、程度がいい車両を選ぶこと。さらに車両購入前に部品取り車を確保したり、パーツの流用状況を確認しておくといい。まったくお手上げなら、買うのは諦めよう。

輸入車なら部品供給が充実している車種も多い

 さらに輸入車というのも手だ。そもそも欲しいクルマがないというなら仕方がないが、旧車の味や雰囲気を楽しみたいなら、輸入車がオススメで、純正パーツは日本車よりもかなり長く供給されるし、社外品もあったりする。マイナー車でも世界のどこかに専門店があることも多くて、パーツを通販で購入することも可能だ。リーマンショック以降、純正パーツの供給状況はかなり悪化しているものの、日本車よりは数段増しではある。

 パーツさえ手に入ればメンテしてくれるところはなんとか見つけられるだろう。筆者はレストア専門店から頼まれてパーツの手配をすることがあるが、例えば今までで驚いたなかでは、戦争前後に作られていたオペルのオリンピアというモデルだ。まず専門店があって、ほぼすべてのパーツが手に入ることにビックリ。最初はナメて最小限の部品しかないと思い、「あれはあるか、これはあるか」とやり取りしていたが、「いちいち聞くな。パーツカタログあげるから、そこに載っているものはすべてある」と言われて、旧車文化の懐の深さに驚いたことがある。

 また自分ではFIAT500(今のではない)を30年以上所有しているが、イタリアンなクオリティは別にして、パーツに困ったことはない。ドイツやスイスにはお馴染みのショップもあって、基本的にはすべて輸入でパーツは揃えている。とくにスイスのショップはトッポリーノと呼ばれた初代FIAT500も扱っていて、加工の跡が生々しいオリジナルパーツも含めて、ほとんどのパーツが手に入れられる。

フィアット500

 いずれにしても、後先考えずに旧車を購入するのは絶対に避けるべきで、メジャーモデルでも買ってからのメンテなどは確認してから買うのが鉄則。よく見かける人気車種でも苦労したり、費用がかかったりするだけに、マイナー車には独特の魅力があるのはわかるが、買うというのは相当の覚悟が必要ということは忘れないでほしい。

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  • 整備のイメージ
  • 純正部品などのイメージ
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  • 旧車ズラリのイメージ
  • フィアット500
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