フェラーリより低いボンネットで話題に! デートカー「3代目プレリュード」実は中身もスゴかった (2/2ページ)

軟派なデートカーのイメージが先行するもシャーシ性能はピカイチ!

 バブル真っ只中、1987年に登場した3代目は、日本のデートカーやパーソナルクーペ、スペシャリティカーなど、さまざまな敬称を体現したモデルであり、この時代のホンダ車の象徴となる一台であった。特徴は世界初の舵角応動型4WSや4輪ダブルウィッシュボーン式サスペンション、新ABSなどだが、まずはスタイリングから見ていこう。

【関連記事】「カウンタック」が過疎化を食い止める!? 子どもたちにクルマ文化をアピールする埼玉県・皆野町の試みとは

3代目プレリュード画像はこちら プレリュードらしいロー&ワイドのフォルムは、低い全高はそのままに先代モデルよりも全長85mm、全幅を5mm拡大。エンジンを18度後傾して搭載したことでボンネット中央部の高さも先代比で30mm低下させ、リトラクタブルヘッドライトの継承により低くてカッコよく、バブル期のトレンドを確立した。3代目プレリュード(サイドシルエット)画像はこちら さらにトランクリッドをスポイラー形状としてエアロ効果を高めたほか、整流効果の高いボンネットディフレクター、フラッシュサーフェイス化も進められてCD値0.34を実現。 

 インテリアも細いピラーによってワイドなガラスエリアを確保したほか、大型センターコンソール付きのインストルメントパネル、機能的なメーターレイアウトで先進性をアピール。シートも運転席にはメモリー機能付きリクライニングやランバーサポート&サイドサポート調整機能を備えており、高められた遮音性もあって快適な室内としていた。3代目プレリュード(シート)画像はこちら 前述の通り、サスペンション形式はホンダのお家芸の始まりとなる4輪ダブルウィッシュボーン式。それに加えて、世界の主要国で200以上の特許を取得した4WSシステムは、ステアリングの舵角に対して後輪を同位相から逆位相させるホンダ独自の舵角応動タイプが採用された。3代目プレリュード(4WS)画像はこちら その機能は、高速走行時などでは後輪を同位相に操舵、車庫入れなどの低速走行時では後輪を前輪と逆位相とすることで、俊敏で安定した操舵特性と高い小回り性を両立。システムは前後輪をメカニカルで直結した信頼性の高い機械式連結作動とすることで、素直なクルマの動きを生み出していた。3代目プレリュード(AWS車庫入れ)画像はこちら ほかにもブレーキはすべての仕様で4輪ディスク式となったほか、3チャンネル・デジタル制御のABS(当時の呼称はALB)も用意されて、安全性も飛躍的に高められた。

エンジン屋のホンダゆえ? PGM-FIとキャブモデルをラインアップ

 エンジンはすべて2.0L直4B20A型(ボア×ストローク:81.0×95.0mm)で、先ほど18度後傾して搭載したと紹介したが、ホンダはこのレイアウトによって抵抗の少ない吸排気系が設計できたと説明している。可変式デュアルポート吸気マニホールドを採用したDOHC16バルブは、圧縮比9.4で最高出力145ps/6000rpm、最大トルク17.8kg-m/4500rpmを発揮。SOHC12バルブが圧縮比9.1で110ps/5800rpm、15.5kg-m/4000rpm(すべてネット値)となっていた。3代目プレリュード(B20A PGM-FI)画像はこちら 面白いのはDOHCが電子制御燃料噴射のPGM-FIを採用することに対して、SOHCは2連キャブレター式を用いていること。この時代、他社は新開発や世界初などを売りにしたモデルが多く、プレリュードも4WSなどがこれに相当するが、ことエンジンに関してはキャブレターを残すなど、差別化が図られていた。

 おそらく2輪でキャブレターの実績も豊富だったホンダだけに、キャブレターでも十分な性能が得られるという技術の蓄積があると踏んでいたのだろう。タイヤも仕様に合わせて165SR13〜195/60R14と細かく採用が分かれており、車種だけではなくひとつひとつのグレードの最適化が追及されていたことが伺える。

TCVなどの先進装備がさらに充実! 幅広い世代から愛されるモデルに成長

 こうして洗練された都会的な2ドアクーペとして若者垂涎のモデルとなったプレリュードは、1989年のマイナーチェンジでさらに製品力を向上。トラクションコントロールとビスカス式L.S.D、4WSの3チャンネル・デジタル制御ALB(ABS)を組み合わせた新システムのTCVを設定して「走る、曲がる、止まる」を強化する。本革ステアリング採用などの内外装の充実もあって、一段と魅力を高めるのである。3代目プレリュードSi TCV画像はこちら そしてリトラクタブルヘッドライトやグリルレスが特徴のプレリュードに、異色のモデル「inx(インクス)」も登場。こちらはリトラではない薄型ヘッドライトにフォグランプ付きグリルを装着してボンネットも専用の量感あるデザインとなり、バンパーも専用デザインとしていた。また、本革巻きステアリングはエアバッグ付きとなったほか、フルモケットシート、布張りのルーフライニングやサンバイザーを装備したことで、より幅広い年齢層へと訴求するモデルとなっていた。3代目プレリュードinx画像はこちら モデル末期の1990年には2.1Lエンジンと全幅1715mmの「Si States」を発売。3ナンバーボディとなる次期型のリサーチ? と思われる特別仕様車が発売された。なお型式は4WSなしがBA4型、4WS付きがBA5型、3ナンバー仕様がBA7型となっていた。B21A型直4DOHC画像はこちら こうしてプレリュード史上もっとも売れた3代目は、当時シビック/アコード/インテグラと並ぶホンダを代表するモデルとなっていった。現在、40代〜50代の団塊ジュニア世代の人たちは、さぞかし2&3代目のプレリュードに一家言ある方が多いに違いない。

 

■ホンダ・プレリュードSi(BA1型)SPECIFICATION

〇全長×全幅×全高:4375mm×1690mm×1295mm

〇ホイールベース:2450mm

〇トレッド 前/後:1470mm/1470mm

〇車両重量:1040kg(ABS付きは1050kg)

〇乗車定員:4名

〇最小回転半径:5.1m

〇室内長×室内幅×室内高:1670mm×1390mm×1055mm

〇エンジン:B20A型直列4気筒DOHC16バルブ

〇総排気量:1958cc

〇最高出力:160ps/6300rpm

〇最大トルク:19.0kg-m/5000rpm

〇サスペンション 前/後:ダブルウィッシュボーン式/ストラット式

〇ブレーキ 前/後:ベンチレーテッドディスク/ディスク

〇タイヤサイズ 前後:195/60R14

 

■ホンダ・プレリュードSi(BA5型)SPECIFICATION

〇全長×全幅×全高:4460mm×1695mm×1295mm

〇ホイールベース:2565mm

〇トレッド 前/後:1480mm/1470mm

〇車両重量: 1130kg(ABS付きは1140㎏)

〇乗車定員:4名

〇最小回転半径:4.8m(4WSなしは5.3m)

〇室内長×室内幅×室内高:1695mm×1420mm×1060mm

〇エンジン:B20A型直列4気筒DOHC16バルブ

〇総排気量:1958cc

〇最高出力:145ps/6000rpm

〇最大トルク:17.8kg-m/4500rpm

〇サスペンション 前/後:ダブルウィッシュボーン式(前後とも)

〇ブレーキ 前/後:ベンチレーテッドディスク/ディスク

〇タイヤサイズ:前後:195/60R14(前後とも)