「人馬一体」感を車いすユーザーにも! 手動運転装置つきの「MX-30」を体験してみた (2/2ページ)

欧米で一般的なリング式のアクセル操作を採用

 この「MX-30」用の手動運転装置は、ステアリングホイールの内側に「アクセルリング」を配置したことが最大の特徴となる。

 従来は上記のロードスターのように、左手のグリップでアクセル/ブレーキを操作する方式が国内では一般的だったが、つねに右手だけでステアリングを操作するカタチだった。こちらの「アクセルリング」方式だと、両手でステアリングを握って、内側のリングを押し込むことでアクセル操作できるため、高速走行時などによりリラックスしたドライブが可能となる。

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ステアリングホイールの内側に「アクセルリング」画像はこちら

 一方、減速の操作は左手の「レバーブレーキ」を押し込むことで操作。これは、しっかりブレーキをかけられるように、肩を支点にして力を入れやすい形状とレイアウトにしているという。

 さらに、「MX-30 SeDV」では、手動運転と通常運転の切り替えをカンタンに行うことができる。レバーブレーキを押し込んだ状態でイグニッションをONにすると手動運転モード、フットブレーキを踏んだままイグニッションONなら通常運転モードとなるので、このクルマを家族や友だちなどに運転してもらうことも用意というわけだ。

 乗り降りに際してはいつも、「移乗ボード」を展開して折り畳むという動作が必要になるので、メインユーザーは車いすの人ということになるが、ドライバーチェンジしながら遠出できるというだけでも、活動の幅が大いに広がることだろう。

レバーブレーキは押し込みやすい設計画像はこちら

コーナリング中の操作にもギクシャク感なし!

 ステアリングホイールでアクセルをコントロールする方式の手動運転装置で懸念されるのが、コーナリング中の操作だ。マツダのブースでは「MX-30 SeDV」のドライビングシミュレーターがあったので、こちらでバーチャル体験させてもらった。

 結論からいうと、コーナーにアクセル開度を一定にキープするのが想像以上にカンタンで、すぐに慣れることができた。これは、アクセルリングの反力を最初から最後まで同じではなく、途中で少し反力が強くなる段差を設けているために、ドライバーが操作中にアクセルリングをどれだけ押し込んでいるのか把握しやすくしているのだそうだ。

 ステアリングを大きく回しながら持ち替えるような、交差点や駐車場といったシーンでも、ギクシャクせずスムースな運転ができるだろう。

 記者のような、現時点で手足の動作に不自由がない「健常者」が「手動運転装置」でのドライブに慣れることができるのかどうか不安だった。だが、考えてみれば、TVゲーム世代はゲーム機のコントローラーでゲーム上のクルマを操作することに慣れているので、「足を使わない」運転にはそれほど違和感がないのだった。

 むしろ、ペダルまでフルセットの「ハンドルコントローラー」を除けば、ゲーム機のコントローラーなどよりはるかに安定して加減速とステアリングを制御できることに正直ビックリ。むしろ「手動運転装置」をベースにしたゲームコントローラーも発売してほしいと思ってしまった。

 これほど「自然な」ドライブフィールを手動運転装置で実現したマツダ開発陣の努力がうかがわれると同時に、「MX-30 SeDV」を皮切りに、さらに採用車種が増えていくことに期待したい。

MX-30 SeDVシミュレーター画像はこちら

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