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名前は凄そうだけど最近聞かない「スーパーチャージャー」とは? 最近のクルマに採用されなくなった理由

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TEXT: 佐藤幹郎  PHOTO: トヨタ自動車/日産自動車/スバル/Auto Messe Web編集部

低速域を補ってきたスーパーチャージャーの役割をいまは電気が担う

 ではかつてのマーチスーパーターボのようなツインチャージャーはもう生まれないのだろうか? 自動車レースの最高峰F1でも、ガソリンICE(内燃機関、エンジン)とMGU-H(熱エネルギー回生システム)&MGU-K(運動エネルギー回生システム)のハイブリッドじゃないか! という声が聞こえてきそうである。だが、市販車でもガソリンエンジンと電気のハイブリッドなど、低回転域をモーターでアシストして高回転域などのパワーが必要な場面ではエンジンが力を発揮する、欧州車に多いマイルドハイブリッドや、日本勢が得意とするシリーズ式やパラレル式の電動ハイブリッドがそれに相当する。Honda F1 RA615Hパワーユニット

 そう考えると市販車の世界でもすでにツインチャージャーのようなハイブリッド機構は周囲に溢れており、環境問題が叫ばれる現在は低回転域では電気が補っていく時代なのだ。

懐かしのネオクラ世代のモデルはこぞってスーパーチャージャーを採用

 かつて日本車ではトヨタMR2やレビン&トレノをはじめ、スバル・レックスやヴィヴィオ、三菱デボネアなどに使われたスーパーチャージャーだが、やはりターボに比べればマイナーな存在だったといえるだろう。AE92型スプリンタートレノ

 参考までにAE92型レビンの動力性能を記すと、スーパーチャージャー付きの1.6L 4A-GZE型が145ps/6400rpm、19.0kg-m/4400rpm、NAの4A-GE型が120ps/6600rpm、14.5kg-m/5200rpmだった(前期型)。結果、1.6Lながら2.0L並みの性能が得られたことから、効果は決して小さくはなかった。ただ、ターボや電気のほうが現在では手っ取り早いというワケだ。

じつはスカイアクティブXでもスーパーチャージャーと同じ機構を採用

 そんなスーパーチャージャーだが、じつ現在も活躍している。かつてユーノス800のミラーサイクルエンジン(オットーサイクルやディーゼルサイクル、アトキンソンサイクル同様のエンジンの方式のひとつ)で、ミラーサイクル+リショルム式コンプレッサーを商品化したマツダが、現在の最先端技術であるHCCI(予混合圧縮着火)のスカイアクティブXがそれで、スーパーチャージャーを「高応答エア・サプライ」として使っているのが面白い。SCYAVTIV-X

 スーパーチャージャーを補助的な空気取り込み装置としていることから、HCCIを成立させるためのアイテムであり、出力向上のための過給器としてのスーパーチャージャーとはいえないのかもしれないが、今後新たな使い方が出てくるのではないだろうか。電気やハイブリッドと声高に叫ばれる現在だが、ICE(内燃機関:ガソリンやディーゼルのエンジン)にとって最後の開拓地と呼ばれるHCCIだけに、新技術が出てくれば楽しいだろう。HKS製電動スーパーチャージャー

 機械的なメカニカルスーパーチャージャーは市販車では終焉を迎えようとしているが、チューニングの世界ではまだまだ現存しているようだ。ターボほどの高出力化こそ難しいが、それでもNAエンジンでは叶わない高出力&大トルク化が叶うはず。興味がある方は試してみる価値はまだまだあり、現在では希少な大排気量モデル並のエンジン性能が味わえるはずだ!

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