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「クラウン以上セルシオ未満」のVIPカー! 平成のオヤジセダン「クラウン・マジェスタ」を振り返る

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TEXT: 佐藤幹郎  PHOTO: Auto Messe Web編集部

クラウンと差別化されたエンジン

 もちろんエンジンでの差別化もなされ、社用であれ一般向けであれうれしい差別化が図られている。

 英語のマジェスティ(MAJESTY:威厳)から命名されたマジェスタのトップモデルは4.0Lの1UZ-FE型、V8エンジンを搭載しており、最高出力260psと最大トルク36.0kg-mを誇る。新開発の3.0Lの2JZ-GE型は230ps/6000rpm、29.0kg-m/4800rpmを発揮。マジェスタに搭載されるのは3.0L以上のエンジンで、クラウン・ロイヤルサルーンにも2JZ-GE型の搭載はあるものの、新開発の2.5L直6の1JZ-GE型(180ps/6000rpm、24.0kg-m/4800rpm)はクラウンのみ。いつかはクラウンの次のクラウンがマジェスタなのだ。トヨタ・クラウン・マジェスタ

 トランスミッションは、当時先端の電子制御4速ECT-iで、豊なトルクをもとにゆったりとした走りを得意として前後席とも快適に過ごせる性能を持っていた。

音質を向上させるオーディオも10スピーカーを採用

 装備も充実しており、運転席のポジション記憶機能はクラウンにも用意されるが、マジェスタのみの装備としてシートベルトアンカーの位置も記憶できるようになっていた。そのほか、GPS機能でマップマッチングを行なうナビや、ABSやトラクション・コントロール、超音波雨滴除去機能付きドアミラー、電動シートや後席左側のバイブレーター、シートヒーターなどの後席VIPシートなどが多くの仕様で標準装備となっており、快適装備も満載。デジタル処理で音質を向上させるオーディオも10スピーカーはマジェスタのみで、クラウンは多くても8スピーカーなので、細かな差別化が図られていたといえる。トヨタ・クラウン・マジェスタ

 ライバルである日産セドリック&グロリアやクラウン系VIPシートなどの名称から、日本のチューニング界でのVIPカーというジャンルが生まれたのだと思うのだが、日本のVIPカーというカスタムは、日本の会社が持つ細やかな上下関係に見事に対応して作り出したクルマが生んだ、世界的に珍しいカテゴリーだと思う。

 そんなクルマのなかでもマジェスタは日本らしい、きめ細やかな気配りのような上下関係をくみ取った存在として、差別化を加速させたともいえるだろう。これもひとつの日本の自動車文化だと思う。

 そして、マジェスタ2代目ではリヤを縦型のコンビランプとして、一段とクラウンとの差別化を図り、その地位を盤石なものとする。トヨタ・クラウン・マジェスタ

 マジェスタは2018年にその歴史を終える。次期型クラウンもフォーマルなセダンではないという噂が流れている。しかし6代目まで続いたマジェスタは、わかりやすい日本のVIPカーだと思う。

■トヨタ・クラウン・マジェスタ Cタイプ(S141型)

全長×全幅×全高:4900×1800×14200mm
ホイールベース:2780mm
トレッド:前/後 1535mm/1520mm
車両重量:1670kg
乗車定員:5名
最小回転半径:5.5m
室内寸法:長×幅×高=2030×1545×1180mm
エンジン:1UZ-FE型V8 DOHC
総排気量:3968cc
最高出力:260ps/5400rpm
最大トルク:36.0 kg-m/4600rpm
タイヤサイズ:215/65R15(前後とも)
ブレーキ:ベンチレーテッド・ディスク(前後とも)
サスペンション:ダブルウィッシュボーン式エアサスペンション(前後とも)

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