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日本では「斬新すぎて大失敗」したモデルも! バブル期に登場した「イケイケデザイン」セダン5選

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TEXT: 遠藤正賢  PHOTO: Auto Messe Web編集部,NISSAN,MAZDA,MITSUBISHI,SUBARU

忘れ得ぬデザイン 世界に誇れる日本のセダン

 1990年代前半にデビューした国産セダンの中には、グローバル展開を強く意識するとともに、バブル経済の名残を色濃く残しており、日本車離れの前衛的なデザインをまとったモデルが数多く存在する。その中から、とくにデザインコンシャスな5台を独断と偏見でピックアップし紹介しよう。

【初代トヨタ・アリスト】ジウジアーロ・デザインで話題に

 1989年より北米で展開を開始した高級車ブランド「レクサス」において、フラッグシップの「LS」(日本名トヨタ・セルシオ)と「ES」(日本名トヨタ・ウィンダム)の中間に位置するミドルラージFRセダンとして開発された「GS」を、当時レクサスブランドがなかった日本でも販売したのがこのアリストだ。初代アリスト 1991年10月に時を同じくしてデビューし、クラウンとして初めてモノコックボディを採用した初代クラウンマジェスタと多くのメカニズムを共用している。だが、ジョルジェット・ジウジャーロ氏率いるイタルデザインが手掛けたものをベースとしたそのエクステリアは、最低限の要素で美しくモダンながらスポーティに仕立てられており、歴代アリストおよびGSの中でももっとも完成度の高いデザインと評価できる。

 なお、初代クラウンマジェスタはサッシュレスドアを用いるピラードハードトップボディだったのに対し、初代アリストはサッシュの付いた通常のプレスドアを採用。エンジンは3.0L直6NAの2JZ-GE型と、後に追加された4.0L V8の1UZ-FE型がクラウンマジェスタと共通だったが、3.0L直6ツインターボの2JZ-GTE型はアリストのみで、しかもA80型スープラに先んじて設定されていた。

【ユーノス500】5ナンバーサイズながら流麗な曲線美を採用

 マツダは国内販売台数の倍増を目指して1989年より販売網の5チャンネル化を開始したが、その中でプレミアムブランドに位置付けられたのが「ユーノス」だ。この「ユーノス」という名称は、時を同じくしてデビューした初代ロードスターの代名詞的に扱われることを時折耳にするものの、ロードスター以外にも流麗なデザインを持つ名車がこのブランドから数多く輩出された。その筆頭格が、1992年2月に発売されたDセグメントFFセダンの「500」である。ユーノス500 5ナンバーサイズの中に流麗な曲線美を凝縮したボディに、K8-ZE型1.8LおよびKF-ZE型2.0LのV6エンジンを搭載(1994年3月のマイナーチェンジでFP-DE型1.8L直4を追加)。セダンとしての基本性能を満たしつつ、見た目のみならず音質や操作感などにも高い品質を追求したその思想は、時を経て現行マツダ3以降の各モデルに継承されている。

【7代目三菱ギャラン】曲線を多用したワイドとレッドボディ

「ギャラン」と言えばボクシーなフォルムに逆スラントノーズ、四角をモチーフにしたガンダムルックなど、三菱車らしいとされる要素をすべて詰め込んだスポーツセダンというイメージが根強いが、1992年5月に発売されたこの7代目は数少ない例外。

 前後1500mm超のワイドトレッドが与えられるとともに全幅が35mm拡大され、1730mmの3ナンバーボディとなったこのモデルは、従来のイメージを大きく覆す曲線的なエクステリアに。 エンジンもスポーツモデルの「VR-4」に搭載された4G63型2.0L直4ターボが外れるなど、新開発の1.8L(NAのみ)および2.0LのV6(NAとターボを設定)を中心としたラインアップに一新された。

 また、FF車としては世界初の4輪マルチリンクサスペンションを採用し、電子制御フルタイム4WDやアクティブ4WSを設定するなど、最新技術を満載。洗練されたスポーツセダンとしてのキャラクターが与えられたが、1996年8月デビューの8代目は6代目の三菱車らしい路線に回帰している。

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