スーパーハイト系やハイトワゴン系を選ぶのが正解
軽自動車は車両価格、維持費ともに安く、小回りが利き、高齢者を乗せて病院などの送り迎えにもうってつけのクルマである。ただし、どんな軽自動車でも足腰が弱った、クルマの乗降に介助が必要な高齢者を乗せるのに適しているわけではない。
まず、高齢者を後席に乗せるのに向いている軽自動車といえば、それはもう、スーパーハイト系に尽きる。車高が高く、低いステップからフロアに段差のない、両側スライドドアを備えて後席の乗降性に優れている。高齢者施設の送迎車にスライドドア車が多いのが、なによりもの証拠である。
もちろんリヤヒンジ式ドアでも、ハイト系ワゴンと呼ばれる比較的背の高い軽自動車で、リヤドアが直角近くまで開く軽自動車なら、よほどのことがない限り高齢者の乗降性に適していると言える。つまり、今人気の軽自動車のほとんどが、高齢者を乗せるのに向いていることになる。全高の高さから、立体駐車場の入庫は難しくなるのだが……。
低全高リヤヒンジ式ドアのセダン系軽自動車は避けるべし
一方、クルマの乗降に介助が必要な高齢者を後席に乗せる前提で、こんな軽自動車は、なるべく避けたほうが良い……と思えるのは、低全高かつリヤヒンジ式ドアのセダン系軽自動車だ。低全高だとリヤドアの開口部高もまた低く、乗降時に頭や体をかがめる必要がある。スライドドア部分の敷居と後席フロアに段差のあるセダンタイプの軽自動車は、リヤドアが直角近く大きく開いたとしても、スライドドアのようにスムースな乗降が難しくなるからだ。
アシストグリップがあったとしても、セダンタイプだと天井側に付いているケースがほとんど。その位置では、介助が必要な状態の高齢者がしっかりと握って体を安定させて乗降するのは、ちょっと難しいはずだ(助手席の肩に手を掛ける方法もあるが……)。
逆に、高齢者が握りやすいアシストグリップは、やはりスーパーハイト系軽自動車にあるような、Bピラーに縦に付いているアシストグリップのほうなのである。では介助が必要なケースであまりオススメできない車種とはなんだろうか?