補機用バッテリーは年式によって2タイプある
一方、補機用の鉛バッテリーについては、10万kmもつようなことはほとんどありません。通常のエンジン車と同じく、3年程度での交換が推奨といえます。長くても5年も使えば交換のタイミングといえます。
そんな補機用バッテリーですが、大きさやプラスマイナスの端子位置によって適合するバッテリーが異なります。とくにアクアの場合は補機用バッテリーも後席下のスペースに設置されていますから、しっかりとサイズが合ったものを選ばなくてはいけません。
さらに初代アクアには年式によって2種類の補機用バッテリーが設定されています。
デビューした2011年12月から2017年5月頃までに生産された前期型には「S34B20R」というJIS規格によって定められた形式のバッテリーが適合します。
この記号の意味を解説しましょう。
最初の「S」は制御弁式バッテリーであるという意味で、バッテリー液を補充する必要がないということを意味しています。
次の「34」はバッテリーの性能を示す数字です。この数字が大きくなるほど高性能になると理解できますが、指定の数字に合わせるのが基本です。
鉛バッテリーは長方形によって構成された長方体になっています。小さいほうの側面サイズを示すのが「B」という記号で、これは幅129(127)mm、高さ203mmとなることを示します。
「20」というのは長い方の側面の幅のことで、これはそのまま200mmであることを示します。
最後の「R」というのは端子の位置関係を示すものです。バッテリーのプラス端子を手前にしたときに右側に端子が並んでいると「R」、逆に左側に並んでいると「L」という記号になります。
一方で、2017年6月以降のアクアの補機用バッテリーは「LN0」という種類が適合します。これはEN規格というもので、EU(欧州連合)で制定された規格を国産車にも適用したもので、この記号は筐体サイズのみを示しています。
ちなみにLN0というのは「LN」という分類における最小サイズで、長さ175mm、幅175mm、高さ190mmとなっています。同じアクアでも前期型に搭載されるJIS規格のバッテリーよりわずかにコンパクトになっているイメージでしょうか。
車種によっては多少サイズや仕様が異なるバッテリーでも装着できることはありますが、アクアの場合は室内に置くということもあって、指定された型式を厳密に守ることが重要です。
そして、JIS規格とEN規格のバッテリーに互換性はありません。微妙な年式の場合は、後席下のカバーを開けて、実際にバッテリーを目視して、どちらのタイプが装着されているかを確認するのが賢明でしょう。
なお、補機用バッテリーの価格帯については、「S34B20R」と「LN0」のいずれも1万2000円~1万5000円程度を見ておけば、信頼できるジャパンブランドの製品を入手できます。こちらの交換工賃は1万円も見ておけばお釣りがくるでしょうが、そのあたりはお店によって異なるので、要確認です。
初代アクアの駆動用と補機用バッテリーの交換費用は
ハイブリッドカーであるトヨタ・アクアには駆動用と補機用、ふたつのバッテリーが搭載されています。駆動用バッテリーは10万km程度は問題ないでしょうが、交換するようになると工賃込で18万円程度が必要となります。補機用バッテリーは3~5年ごとに交換するのが推奨パターンで、2万5000円程度の予算を見ておくといいでしょう。