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HREタンドラは第10戦でも苦戦……今季初優勝はまたもお預けに【NASCARトラックシリーズ2022】

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)  PHOTO: Hattori Racing Enterprises

  • ナスカーの走行シーン

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チームの地元戦だったが結果にはつながらず

 アメリカでももっとも人気のあるモータースポーツ、NASCAR(ナスカー)のトップ3カテゴリー、「カップ」、「Xfinity(エクスフィニティ)」、「Camping World Truck(トラック)」。そのトラックシリーズに2台のトヨタ・タンドラを走らせているのが、ナスカー界で唯一の日本人オーナーである服部茂章率いる「Hattori Racing Enterprises(HRE)」である。今季は、16号車にタイラー・アンクラム選手、61号車にチェイス・パーディ選手という若手ドライバー2名でフル参戦をしている。

 5月第1週からスタートしたトラックシリーズ夏の8連戦前半戦の最後となるシリーズ第10戦「North Carolina Education Lottery 200」は、HREが本拠を置くノースカロライナ州シャーロットにある、ナスカーの総本山であるシャーロット・モータースピードウェイが舞台。第1ステージが30周、第2ステージは60周でチェッカーが出される3ステージ制で行われるレースは、今回は2度のオーバータイムが適用され、143周で争われた。

61号車は予選17位から決勝スタートに

 その練習走行で16番手、そして予選セッションで17番手のタイムを出したのが「#61 BAMA BUGGIES  TOYOTA TUNDRA」のパーディ選手。まだ路面が熱いタイミングでの走り出しからルース(オーバーステア)な症状を出していた61号車の調整を重ねつつ、決勝に向けてセットアップを続けた。そして午後8時半にスタートしたレースでは、第1ステージを終始トップ20圏内で走行し、まず20位でチェッカーとなった。

 ステージブレイクでは、まだまだルースな61号車にさらに調整を行った。19番手から第2ステージをスタートさせたパーディ選手はプッシュを続け、このステージを17位で終了し最終ステージに入っても16番手を走行する。101周目にタイヤ交換のためにピットに戻った際、グリーン下でのピット作業だったことから一時1周遅れとなってしまったものの、レース終盤のクラッシュのタイミングでラッキードッグ(先頭車両をパスしてトップと同一周回に戻れる権利)を獲得。レース終盤は荒れたレースで2度のオーバータイムをうまく利用したパーディ選手は最終的に15位でチェッカーを受け、シリーズポイントでもポジションをひとつ上げることに成功した。

16号車はトラブルに巻き込まれ20位でフィニッシュ

 一方、アンクラム選手が駆る「#16 LiUNA! TOYOTA TUNDRA」は練習走行では15番手のタイムだったものの、予選では25番手のタイム止まり。レースがスタートすると、パーディ選手と変わってこちらはターンの出口で車両がタイト(アンダーステア)な状態で、なかなか順位が上げられないまま、第1ステージを22位で終える。そのステージブレイクでは、迅速なタイヤ交換とマシン調整によってポジションを5つ上げ、38周目にスタートした第2ステージでは15番手からレースを開始。第2ステージはポジションを維持しつつ、走行を続けて最終的には11位でステージチェッカーを受けた。

 そして迎えた最終ステージ。66周目に10番手からスタートした16号車は、直後に3ワイドとなったバトルでウォールに危うくヒットするところをうまくすり抜けたものの、ここで大きくポジションをダウン。ふたたび中団に飲み込まれてしまう。そして、予定通り101周目にピットイン。このピット作業ではパーディ選手同様1周遅れとなってしまう。そして131周目に18番手争いをしていた際に他車と接触してしまう。この接触で右リヤのクオーターパネルに大きな損傷を負ったものの、アンクラム選手はレースを続行。その後2度のオーバータイムに入ってのリスタートを経て、チェッカーを受けた16号車は1周遅れの20位でレースを終えた。

 ナスカー・トラックシリーズは、5月と6月の2カ月にわたる8連戦もようやく折り返し、6月4日(土)にイリノイ州マディソンにあるワールドワイド・テクノロジー・レースウェイで開催される「Toyota 200(160周/200マイル)」に続くこととなる。

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