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SSP「パラモトライダー体験走行会」が内閣府表彰を受賞!障がいがあってもバイクは楽しさを広めたことが認められた

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)  PHOTO: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)

  • 都南自動車教習所でのパラモトライダー体験走行会
  • パラモトライダーにもしものことがあった際に支えるべく、ボランティアスタッフが一緒に走る
  • 角度の違う補助輪を使って、パラモトライダーがバイクの操作のステップアップも
  • 参加するすべてが笑顔になる、そんな場所になっている
  • 左から青木治親SSP代表理事、青木拓磨SSP専属パラモトライダー、青木宣篤SSPテクニカルアドバイザー
  • 令和7年度バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰式で受賞者の皆さん
  • インカムやホイッスルで方向を指示し、視覚障がいでもまっすぐ走ることができる

「パラモトライダー体験走行会」が切り拓くバイクの可能性

2025年12月22日(月)、公益社団法人サイドスタンドプロジェクト(SSP)が、年内最後となる「パラモトライダー体験走行会」を開催しました。この走行会は、障がいを持つ方々を対象にバイクに乗る体験を提供するイベントです。2020年から継続されているこの活動が、このたび「バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰」における「内閣府特命担当大臣表彰優良賞」を受賞しました。

数多くのパラモトライダーを輩出してきた

WGP(世界ロードレース選手権・現MotoGP)のGP125クラスで2年連続チャンピオンを獲得したオートレーサー・青木治親が代表を務めるSSPは、障がい者にバイクの楽しさを体験してもらうという企画から始まった公益社団法人です。

SSPが走行装備や車両を持ち込み、サーキットや教習所などで開催する「パラモトライダー体験走行会」は、2020年6月の初開催以来、6年で40回以上を数えます。これまでに延べ200名近いパラモトライダーを輩出してきました。

SSPは交通事故などによる脊髄損傷、四肢の欠損、先天性の障がいなど、その内容を問わず参加できます。さらに四肢の機能不全だけでなく、視覚障がい者にも門戸が開かれているのが特徴です。

走行にあたっては、各参加者の状態に合わせてバイクをカスタムします。下半身不随などで車いすを必要とする参加者には、シフト操作を手もとに移設するSSPオリジナルの「ハンドドライブユニット」を装着し、足をステップにビンディングで固定。発進・停止時にはボランティアスタッフが駆け寄ってサポートします。視覚障がい者の場合は、補助輪を装着した車両にインカム「B+com」を介してスタッフが走行ラインを指示し、安全を確保します。各々のレベルに合わせ、補助輪の有無やプログラムを適宜組み替えながら走行を行っていきます。

初開催の舞台となった都南自動車教習所

今回は神奈川県座間市にある都南自動車教習所が舞台となりました。同校での開催は今回が初めてとなります。

都南自動車教習所の関係者は次のようにコメントを寄せています。

「ホンダのディーラーさんを経由してお話をいただきました。青木代表の思いに共感し、協力できるならということで開催にいたりました。こうした活動に場所を貸すのは初めてでしたが、非常にいいイベントなので、今後もぜひ協力させてもらいたいと思っています」

当日は、脊髄損傷、小児麻痺、そして初参加の視覚障がい者2名を含む計4名が参加。朝までの雨も上がり、路面が乾いた絶好のコンディションのなか、全ライダーが教習所コースでの走行を楽しみました。

首相官邸での表彰式に青木三兄弟が揃い踏み

体験走行会の翌々日、内閣総理大臣官邸2階大ホールで「2025年度バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰式(第24回)」が行われました。

この賞はバリアフリーの推進に顕著な功績のあった者を顕彰するもので、SSPが「内閣府特命担当大臣表彰優良賞」を受賞。式典には青木治親代表理事、青木宣篤テクニカルアドバイザー、そして専属パラモトライダーの青木拓磨の「青木三兄弟」がそろって出席しました。

代表の青木治親は次のようにコメント。

「この賞は、活動を支えてくださるボランティアや企業の皆さま、サポーターの一人ひとりと一緒にいただいた賞です。これからもオートバイで『楽しみ』と『可能性』を広げる活動を続けていきます」

SSPでは、2026年も「パラモトライダー体験走行会」をはじめ、さまざまなイベントを予定しているとのことです。

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  • 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)
  • 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)
  • 1969年生まれ。美術大学で日本画を学んだ後に、編集プロダクション数社を経てフリーランスライター&フォトグラファーに。編集者時代にかかわってきたモータースポーツ取材を続け、現在も2輪4輪問わず国内外のサーキットやラリーシーンを取材している。日本モータースポーツ記者会会員。
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