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R35GT-Rのトランスミッションは本当に壊れやすいのか?

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新車から20万km走行してわかった
GT-Rのミッションに関する噂の真実

2007年12月に発売されてから10年目となる「日産自動車」のR35型GT-R。デビュー以降、巷では駆動系の要であるデュアルクラッチ式の6速トランスミッションが故障しやすいと囁かれ続けているが、本当のところはどうなのか? その独特な内部機構を紹介するとともに、「GT-R Magazine」編集部所有の初期型07年モデルを題材として納車から9年半・20万kmの歩みを公開しよう!

2007年12月6日に発売されたR35型GT-R。開発時のベンチマーク(仮想ライバル)であったポルシェ911ターボと真っ向から勝負するため、国産車としては異例の480ps(※現行モデルの17年モデルは570ps、GT-R NISMOは600ps)というエンジンスペックを引っ提げて登場。
1989年に登場したR32型スカイラインGT-Rで初採用された伝家の宝刀とも言える電子制御式4WD(アテーサE-TS)を備えつつ、R35では新たに2ペダル式の6速DCT(GR6型デュアルクラッチトランスミッション)をリヤアクスルに装備。トランスミッション本体を車体後部に搭載する独立型トランスアクスル方式の採用は、4WD車としては当時世界初の技術でもあった。
前モデルのR34型スカイラインGT-Rとは隔世の感を覚えさせる進化ぶりにクルマ好きは驚愕したものだ。かつてR32型/R33型/R34型のGT-Rに搭載された名機RB26DETTエンジンは、当時のメーカー自主規制の関係もありカタログ値は280ps。それが一気に500psクラスへと生まれ変わったのだから。
また、R34型までとは異なり、左ハンドルも用意され世界で販売されるグローバルカーになったことも歴代GT-Rと大きく異なる点である。

そんな新世代GT-Rの走りを支えるキモと言えるGR6型デュアルクラッチトランスミッション(以下GR6)。通常のAT(オートマチックトランスミッション)車同様、ドライバー側の足もとにあるペダルはアクセル/ブレーキのみで、R34型スカイラインGT-Rまでにあったクラッチペダルは存在しない。とはいえ、いわゆる油圧トルクコンバーター式のATとは違い、ミッション内部には駆動力を断続するクラッチ機構が備わっている。
通常の3ペダル式MT(マニュアルトランスミッション)ではドライバーが左足でクラッチディスクの断続をするが、R35型GT-RのGR6はコンピュータ制御で行ってくれる。つまり、発進時の半クラッチやギヤチェンジ時の断続操作はすべてクルマ側が操作してくれるというわけ。使い勝手はATと同じで中身はMT。よく耳にする「セミAT」というのは、そんな独特の機構から来た呼び名である。
加えて、「デュアルクラッチ」という名前の通り、ミッションケース内には奇数ギヤ(1速/3速/5速/後退)用と偶数ギヤ(2速/4速/6速)用のクラッチ機構が別々にあり、それぞれのギヤのシャフトが平行に備わっている。
常に次のギヤ(3速走行時なら2速もしくは4速)を繋いだ状態でスタンバイできるのが大きな特徴で、それ故、デュアルクラッチ式のトランスミッションは人間が通常のMTでシフトチェンジするよりも圧倒的に速くかつ正確な操作ができるのだ。
このデュアルクラッチ式トランスミッションは、もともとフォルクスワーゲンが「DSG」という名称で採用し、その後ポルシェやアウディなど、主に欧州の各メーカーがこぞって搭載するようになった。
日本では2007年にデビューしたR35型GT-Rと三菱のランサーエボリューションX(※現在は絶版車)がほぼ同時に採用。ただし意外なことに、この機構は国内メーカーの他車種ではほとんど波及していない(昨年デビューしたホンダNSXは9速DCTを採用)。
これは、ストップ&ゴーが多い日本の道路交通事情のせいなのか、無段変速機のCVTやATの多段化(今や10速まで存在!)のほうが主流になりつつあるようだ。

手前がR35型GT-RのGR6デュアルクラッチトランスミッション、奥がR34型スカイラインGT-Rに搭載されていたゲトラグ製6速マニュアルトランスミッション

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